紙文書の電子化に必要なこと!

2024-5-10
オフィスや倉庫に溜まった紙文書の電子化を検討されている企業は、とても多くあります。しかし方法を間違えると「使えない」電子ファイルが溢れ、ムダな労力や費用を浪費してしまいます。今回は文書の電子化に必要なポイントを、関連記事とあわせてご紹介します。

文書電子化の成功事例や失敗事例とは?

テレワークなどの増加に伴い、紙文書の電子に着手する企業が増えていますが、
成功と失敗の決め手は、「計画性」と「実行力」にあります。

この二つのキーワードは、見方によっては相反するもので、
計画ばかり綿密に行っても前に進めず、
計画も無く見切り発車で実施してもうまくいかないということになります。
電子化が失敗に終わる企業は、このどちらかの性格に大きく分かれます。

ではどうすればよいか?
要点を絞って計画し、
計画がある程度練られたらすぐに実行!
まずはこうした考え方を持って進めます。

上記の記事では、
こうした計画時の置けるポイントが示されていますが、
ここでも簡単にご紹介します。

まずは電子化する文書の基準を作ることです。

閲覧頻度の観点や法的根拠、電子化することにより業務が効率化されるなどといった観点で基準を設け、電子化対象文書を絞り込みます。
ストックされている全ての文書を電子化すると膨大なコストがかかるため、
これらの基準で電子化対象文書を絞り込みましょう。
また数量をざっくりと算出しておくこともポイントです。
数量がわからないとスケジュールを組むことができません。

例えばドッチファイルで何冊くらいあるかを確認します。
そして1冊だけトライアルで電子化を実施して見て、
どのくらいの時間がかかったかを測定してみましょう。
そうすればトータルでどのくらいの時間が必要か、
おおよその所要時間が見えてくるはずです。

こうした情報がわかってきたら、
電子化のマニュアルを作成します。

電子化の作業者によって、出来上がる電子ファイル(PDFなど)にバラつきが出ることは望ましくありません。
基本的な解像度やファイル名の付与方法などについてマニュアルに記述し、
標準化を図ることが大切です。

計画が済んだら速やかに実行に移します。
電子化作業はダラダラと長期化すると、挫折しやすくなります。
仕事の片手間で、手が空いた時にやろうと考えているといつまでも進みません。
きちんと期限を設けて、その期限内に誰がやるのか、権限や責任を明確にして進めましょう。

電子化のニーズが多いのは契約書

契約書は法律上においても事業継続上においても、
組織の中でトップクラスに重要な書類です。

利用頻度の観点でも、契約書はとてもよく利用される書類です。

しかし管理面におけるルールがきちんと整備されていない企業もあります。

契約書の管理は部署任せ・個人任せにするのではなく、
総務部などで一元管理をするのが望ましい姿です。

契約書管理にまつわる問題には、次のようなものがあります。

・台帳と原本が紐づいていない
・締結済みの契約書が個人の引出しに入っている
・台帳の様式が部署によってバラバラ
・大量にあって、保管スペースが無くなってきている
・原本の保管場所に行かないと契約内容を確認できない

これらの問題は、
契約書の電子化とデータベース化によって解決することができます。

ここで言う契約書の電子化とは、
電子契約のことではなく、紙の契約書をPDFなどの電子データにすることを指します。

契約書の電子化作業は、オフィスに通常あるような複合機のスキャナーでは対応が難しいところがあります。
契約書は袋綴じされた状態のものが多いためです。

契約書を電子化するのに適した機材は、
下の写真のようなブックスキャナーになります。
通常の複合機などでスキャニングをすると、
原稿を下向きにして行うため、
作業が非効率で画像の品質も不安定になります。

上の写真のようなブックスキャナーであれば、
原稿を上向きにしてページを送りながらスキャニングできるので、
一定的な画像が取得でき、作業も効率的に進めることができます。

ただ機材は比較的高価なものが多いので、
ストック分が大量になる場合は、専門業者に委託しましょう。
当社でも電子化作業を承っております。
また電子化したPDFなどの契約書データだけがあっても、
なかなか使いにくいものです。

顧客名や契約書種類、年月日などのフォルダ名やファイル名で管理するという選択肢もありますが、
契約書が数千件以上に及ぶ場合、それには限界があります。

どのような場合は、契約書のデータベース化を検討します。

契約書のPDFと台帳データを紐づけてデータベースに登録することで、
「顧客名」「契約書種別」「契約書件名」など、多観点での検索が可能になります。

当社は契約書のデータベース化に関して、
インフォコム社のMyQuickを推奨しています。
導入実績が数多くある文書管理システムで、
契約書管理を中心に多くの企業が利用しています。

当社では契約書の電子化からMyQuickの導入とデータ登録まで、
一貫して請け負っておりますので是非ご相談ください。

電子化を進めるなら電子文書の取扱いルールが必要

紙から電子化した電子化文書を含め、
電子文書の取扱いについてはルール化しなければなりません。
紙文書を主体としたルールのまま更新されていない企業も多いのではないでしょうか?

上のリンクの記事ではそうした電子文書全般に関する取扱いルールに関する情報をご紹介しています。

現在では多くの企業が、
文書管理システムとクラウド上で利用する共有フォルダ-を利用していますが、
これらの棲み分けルールが無いといった問題がよく見られます。

このような場合、決定文書を文書管理システムに保管し、
仕掛中や下書きや個人のメモなどは、
共有フォルダ-に保管するといった形で、棲み分けるとよいでしょう。

あるいは、共有フォルダ-の領域をわけて、決定文書の領域と1次保管場所の領域に分けて管理されている企業もあります。

規程などに定める文言としては次のようになります。

①文書管理システム
社内の決定文書、重要文書、掲示、議事録などを保管する。また、外部から収受した重要文書は、その利用のため、電子化して保管する。
②ファイルサーバーシステム
1次保管場所(仕掛中文書、下書き、個人のメモなど)、バックアップ、社内文書の受け渡しに使用する。

紙から電子化したような文書は決定文書が多いため、
文書管理システムに保管されるケースが多くありますが、
データ容量が極端に多い「文書群」は、
別の媒体にアーカイブするなど特別な対応が必要になることもあります。

文書の電子化とは少し離れますが、
電子文書の取扱いに関連して、
電子メールやチャットなどのコミュニケーションツールの取扱いルールも必要です。

電子メールやチャット等のコミュニケーションツールには最終決定に至るまでの経緯の情報が含まれている場合があります。後々の検証に利用されることがあるため該当するものに対しては保管の検討が必要です。

また、メールを保管する場合はその添付ファイルも合わせて保管する必要があり、その点に配慮したルール作りが求められます。

さらに今後はホームページやSNSにアップした情報の取り扱いについても、
ルール化が必要になってきます。

ただしあまり細かなルールを設定すると、多くの人に負担を強いることになってしまいます。
文書管理には業務の効率化という目的もあるため、
それでは本末転倒になってしまいます。

みんなにとってわかりやすいシンプルな保管方針を定め、
実行可能な内容で運用しましょう。

■■ まとめ ■■

・紙文書の電子化は対象を絞り込んで実施
・電子化の計画は大切。でもある程度練られたら即実行!
・自社の機材では難しい書類の場合は、専門業者への外注を検討
・電子化するときは電子ファイルの取り扱いルールの作成・見直しが重要

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文書管理コンサル/鈴木

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