文書管理ルールのピラミッド図
電子文書の格納場所がファイルサーバーやクラウドドライブなどの共有フォルダであったり、文書管理システムやワークフローシステムなどのシステムや、あるいは、個人のPCやスマートフォン、ポータブルハードディスク、USBメモリ、DVD-Rなどに保管されている場合があります。
組織全体で電子文書の格納場所が把握しかねるという問題が発生します。
電子文書は紙文書から置き換えられ、電子文書が原本となる場合が増えています。電子文書の長期に保存は紙文書とは異なり、電子文書が記録された媒体やその読み取り装置、ファイル形式やそれを閲覧可能とするソフトウェアに影響されます。
長期保存したときに、文書を確実に閲覧できるようにする必要があります。
重要なことが記録されているにも関わらず電子メールの保管ルールが定められておらず、チャット情報などの保管や廃棄は個人に任されていて、重要な情報が保存されていない、放置されて漏洩のリスクがもあります。
Webサイトは時期に応じてバージョンが変わっており、記録としてあえて残さないと以前のものが消えてなくなってしまいます。
また、ブログサービスやSNSサービスを使用している場合、過去の記事はインターネットを通じて閲覧できるため、日常的には困ることはありませんが、サービス業者の方針が変わった時に今までの情報にアクセスできなくなる恐れもあります。
ファイルの保管場所は前述で示したとおり、ファイルサーバー、クラウドドライブ、個人PC、DVD-Rなどのメディア、USBメモリなどさまざまです。ルールを定めなければ、個人が自分が便利と考える場所に保管していくことになります。気がついたら、さまざまな会社全体でクラウドドライブを使用していた、引き出しの中にしまい込んであるCD-RやDVD-Rがたくさんある。。なんてことも。。。
これらを防止するために、電子文書格納場所についてその棲み分けルールを定めます。
棲み分けの視点を以下に2つあげてみます。
・組織文書と個人文書の視点
組織として保管する共有文書を入れる場所はどこか、個人の作業中の文書や個人のメモ、個人的によく参照するので手元におきたいなどの個人文書を入れる場所はどこかを定めます。
組織の領域には個人文書を入れないことも(またその逆も)徹底させます。
・格納場所の視点
文書が格納される場所は多数あります。文書管理システム、ファイルサーバーやクラウドドライブなどの共有フォルダ、DVD-R等の光ディスクやポータブルHDD,USBメモリなどの保存媒体などがあげられます。
現状どのようなものが使用されているのか、リスクのある保存場所はないかなどの整理をし、それぞれの役割を明確にします。
場合によっては、現状使用されていても禁止とする格納場所もあるかもしれません。
電子メールやチャット等のコミュニケーションツールには最終決定に至るまでの経緯の情報が含まれている場合があります。後々の検証に利用されることがあるため該当するものに対しては保管の検討が必要です。
後々の検証に利用するものを参考までに具体的にあげてみましょう。
・調査結果、提案、企画等の内容についてメール内でコメントや指摘をしたもの
・承認過程、審査過程がメール内に記録されたもの
・メールで外部に問い合わせを行なったものやその回答
などがあげられます。
また、メールを保管する場合はその添付ファイルも合わせて保管する必要があり、その点に配慮したルール作りが求められます。
合わせて、後から整理収集しやすいメールの運用も検討しておきましょう。
検討する場合の参考として、以下に運用例をあげます。
・社内メールでの添付は行なわず、クラウドドライブのURLを示す。
添付ファイルとメールを一緒に保管する必要が無くなります。メールによって複数のPCへのダウンロードを防止することもできます。
・文書を更新する際には当該文書を更新するものとし、メール本文に更新内容を示さないこと
2つの文書を合わせて確認することになると、非常に煩雑となるので避けるようにします。
・メール件名のルールを定める
電子文書の命名規則が非常に重要であるとこのサイトではよく説明されていますが、メール件名はメールを特定する場合に重要な要素となるため、メール件名のルールを組織で定めます。
HPやSNSについても保管をするのかどうかもはじめとして、その保管場所や保管のタイミングなどを定めます。
SNSはアップしたものをそのサービスから改めてダウンロードするのがたやすくないこともありますので、要注意です。
文書コンサルティング/石川
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