契約書の電子化の進め方!

契約書管理業務の負担軽減や顧客対応の迅速化、BCP対策などを目的に、多くの企業が契約書の電子化に取り組もうとしています。 そこで、やみくもに複合機などを使って電子化を進めようとすると、たいていは頓挫し、失敗に終わります。 契約書の電子化の成功のカギは、まずは事前の設計計画をしっかりと行うこと、そして作業着手中においては進捗管理・品質管理を確実に行うことにあります。 ここでは契約書の電子化を進めるための実施手順をご紹介します。

その1:事前の調査で、契約書の量や管理形態の実態、保管部署の要望等を把握する

調査のポイント ・契約書の状態 ⇒袋とじ・ペラ・ホッチキス留めの有無 ・契約書の量 ⇒契約書の状態ごとのページ数と件数 ・契約書のファイリング方法 ⇒キングファイル?クリアファイル?紙フォルダ? ・契約書の綴じられ方 ⇒年度ごと?顧客ごと?書類名ごと?案件ごと? ・保管部門スタッフへの要望のヒアリング ⇒管理方法・検索方法等

このような調査により、工程計画や工数計画に必要な情報を得ることができます。

その2:工程計画の策定と作業計画への落とし込み

さて、調査結果を踏まえ、まずは工程計画に入ります。電子化を進めるにあたり必要な工程は、大きくはこの5つ。さらにこれらの工程ごとに、詳細な作業計画を策定します。 ①スキャニング前準備工程  ・ホッチキス外しを行うか否か  ・バインダーやクリアファイルからの抜き取り時、返却時の作業方法や留意点  ・契約書のリスト付けの手順 ②スキャニング工程  ・調査結果を踏まえ、契約書原本の形態に応じた使用機材の決定  ・スキャニングサイズ  ・解像度  ・カラー/白黒二値/グレーなど、諧調の決定  ・ファイル形式(PDF/TIFF等) ③メタデータ(属性データ)入力工程  ・属性項目の決定  ・文字コード  ・異字体の処理方法 ④編集工程  ・ファイル名の付与ルール  ・フォルダ構成  ・画像データ上のゴミの除去方法  ・OCR処理の有無 ⑤検査工程  ・NG基準の確定(画像の向き/傾き/判読性等)  ・ファイル展開確認 ⑥システムの選定・登録

その3:工数計画により、必要な資源とコストを把握する

次に工程ごとの工数を計画します。 <例>スキャニング工程の工数   ○前提    ・スキャニングの可能処理数:250ページ/h    ・スキャニング総ページ数:10万ページ     ⇒工数:100,000ページ÷250/h=400h 以上の結果から、スキャニングには約400時(約50日)必要になるわけです。 したがって、1ヶ月で終了させたい場合は、少なくともスキャナは2台必要となります。 このように工数を算出することにより、必要機材や人員の数とコスト、必要なスペースやレイアウトなどが決まってきます。これらは、内製で行うか、専門業者に外注するかを選択する手掛かりにもなります。  ・内製の場合:機材購入費+人件費+(作業スペースの)ファシリティコスト  ・外注の場合:業者からの見積金額

この両者を比較した上で、コスト優位な方法で進めることが大切です。

その4:予算額を考慮した日程計画

まずは完成リードタイムを決めます。完成リードタイムの決定は、多くは予算額との絡みで決定されます。具体的には、会計年度内に購入できる機材の数や確保できる人員数などにより、単年度で実施可能か、多年度計画とするかが決定されるわけです。 完成リードタイムが決まったら、ガントチャートなどを作成し、工程ごとの日程計画を決めます。 このような日程計画を策定することにより、実作業着手後の進捗管理や予実管理を確実に行うこ とができます。

その5:進捗管理と品質管理などの工程統制

作業に着手してからは、進捗管理と品質管理といった工程統制がポイントとなります。 進捗管理においては先述のとおり、ガントチャートなどを活用して行います。 予実管理も行う場合は、EVMなどを使用するのもよいかもしれません。 また本来は、工程ごとの余力管理も行うべきですが、内製で行う場合の多くは単能工になるため、 進捗に遅れが生じても、余力のある工程からの資源配分が困難であり、あまり効果が得られない と考えられます。この点は内製で行う場合の、少し欠点です。 さて品質管理ですが、NG(不良データ)の多くは検査工程で発見されます。ここで大切なのは、 NG内容に関する各工程間との情報連携です。具体的には、 ・NGの内容:画像品質の不良・スキャニング漏れ・属性データのパンチミス等 ・どの工程で発生したものか ・原因:機材の誤作動か、ヒューマンエラーか ・再発防止策:軽微なものは除く このような情報を各工程間で共有し、効率の改善を図っていかなければなりません。

その6:完成したデータを、どう活用するか?

完成したデータの管理・活用は、エクスプローラーなどの階層管理でも十分可能です。しかしデータが膨大な場合は、やはりソフトウェアの力を借りたほうが便利です。参考に、契約書管理に向いていて、かつ実績豊富な文書管理ソリューションをご紹介します。

■NRIセキュアテクノロジーズ社の文書管理ソリューション   バインダー形式による管理で、即時検索・参照が可能   http://www.nri-secure.co.jp/service/contentsexpert/digitaldocument.html

 ■FMシステム社の文書管理ソリューション   シンプルでありながら、かゆい所に手が届くパッケージソフト   http://www.fmsystem.co.jp/products/maikuro/

 ■インフォコム社の文書管理ソリューション   ユーザライクなインターフェースと、クラウド提供によりイニシャルコスト軽減   http://www.infocom.co.jp/document/

コストや運用方法、利用人数などに応じて、最適なものを選択しましょう。

コンサルティング事業部/鈴木

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