共有フォルダを整理する手順

現在のオフィスワークにおいては紙文書の利用頻度は大きく減少し、文書のやり取りや共有、保管などそのほとんどは電子上で行われています。こうした変化に伴い、多くの電子ファイルが保管されている共有フォルダには、さらに高い利便性が求められます。
今回は共有フォルダを整理する際の手順についてご紹介します。

多くの企業にある問題

共有フォルダのルールもなく個人任せにしている企業の多くは、次のような問題が発生しています。

・どこに何が入っているか全くわからない。
・他人が作成したファイルが探せない。
・個人名のついたフォルダがトップにある。その中の階層は個人任せでカオスと化している。
・容量が多すぎる。
・社内に野良ファイルサーバーが増えている。
・共有フォルダにすら入れない人もいる。

こうした状態で放置していると様々なリスクが生じます。

・探したい情報の捜索に時間がかかり、業務効率が低下する
・組織で共有すべき知識やノウハウが埋もれてしまう
・情報漏洩や紛失のリスクが増大する(無くなっても気づかない・あったことすら知らない)
・情報システムや業務システムの導入の際、データの移行がきちんとできない

共有フォルダの無法地帯化によるロスは、みなさんが考えるよりも膨大です。
このようなリスクを低減させるためにも、共有フォルダを使いやすい状況にしておく必要があります。
しかしこの作業には、どうしてもどこかで人の手を介する必要があります。日常業務が忙しい中、このような作業に多くの時間を割くことは大変です。
ここからは共有フォルダを効率的に整理するための大まかな手順をご紹介します。

文書分類基準表を見直す

文書の種類を洗い出し、それぞれに保存期間や機密レベル(極秘、社外秘など)を設定します。紙文書で設定済みの文書種類の場合は、電子の場合でも原則同様に設定します。電子ファイルしか設定されていない場合、あるいはまだ発生してないが今後発生することが予見されるような文書に、設定することが必要になります。洗い出した文書種類は大中小分類に分け、この分類はフォルダ体系にも適用します。分類の手順については次章で解説します。

共有フォルダ体系(ツリー)作成

共有フォルダ体系は、後から廃棄も含めて整理しやすいように考えると、古い文書と新しい文書を区別する「年フォルダ」の作成、完了文書と仕掛かり文書の区別で「仕掛かりフォルダ」の作成をすると便利です。

■年フォルダの作成

ファイルサーバーの一番上の階層を年を表す階層にします。
例えば、
    ・年
    ・年度
    ・期
などです。
こうすれば、文書の見直しがとてもやりやすくなります。
毎年、その年の文書を見直せばいいからです。
年フォルダ作成の例

■仕掛かりフォルダの作成

文書が完成するまでは、
下書きをしたり、上司に見てもらったり、する段階があります。
まだ完了していない文書のことを「仕掛かり文書」といいます。
この仕掛りの段階であっても、文書の共有をする必要はあります。しかし、完了文書ができたら、その仕掛り文書を同じ場所にとって置いたりすれば、間違えて古い文書を使ってしまったりするという混乱が起こります。
このため、仕掛かり文書を格納するフォルダを作成します。
そして完了文書ができたら整理します。
仕掛かり文書を格納する「検討フォルダ」の作成
(経営会議資料の検討中フォルダ)

ファイル名称ルールのポイント

ファイル名についても後から見てわかりやすいファイル名を付与します。
具体的には
    ・いつ作成したか
    ・何について書かれたものか
    ・バージョン

などです。
さらに、以下の点に配慮します。
    ・ファイル名はあまり長くしない。(OSによって最大文字の取り扱いが異なる)
    ・ファイル名は指定のフォルダ以下で一意ではなく、全体で一意になるようにする。

ファイル名の例
ルールをみんなで共有するためには、規程やガイドラインなどの文書管理ルールが必要です。

新フォルダ体系へのファイルの移行

フォルダ体系を作成して、全てのファイルを移行するのは大変です。一律・即時ではなく順次移行を進める方法「順次引っ越し方式」がよいと考えます。
まずは今後発生するファイルの新体系への格納を確実に行い、過去のファイルは参照する機会があった時や、「共有フォルダ整理キャンペーン」のようなものを設けて一定期間で行ってしまうなどの方法があります。
このように新フォルダ体系と古いフォルダ体系が混在する期間中は、古いフォルダ体系を「整理中」などの名称を設定して格納しておくとよいでしょう。

■■ まとめ ■■

以上、簡単に手順を解説しました。
大きな組織で同時に進めるのは大変ですし混乱が生じやすくなります。1つか2つの部署から試験的に開始し、段階的に展開していきましょう。
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