コンサルティングでのヒアリング時にお客様に問題点を伺うと、必ず出てくるのがファイルサーバーの問題です。ここでは、そのよくある問題と解決のポイントを説明します。
文書は、そのほとんどが電子文書で作成されます。文書が完了するまであらゆるバージョンの文書が作られ、また、その案件が完了するまでに途中までの版をとっておくことも珍しくありません。そうやって、毎日大量のファイルが作成されていることになります。 個人PCやファイルサーバーには、作成された文書が日々蓄積されています。
最近は、個人PCにファイルを置いておくことがセキュリティ上、好ましくないとするお客様も増えていますので、ファイルサーバーにファイル数は加速度的に増えていっていることでしょう。
ヒアリングでよく聞かれる問題は次のようなことです。
・どこに何が入っているか全くわからない。
・他人が作成したファイルは探せない。
・個人名のついたフォルダがトップにある。その中の階層は個人任せでカオスと化している。
・いつも容量が足りない人がいる。
・社内にのらファイルサーバーが増えている。
・ファイルサーバーにすら入れない人もいる。
利用者、管理者に聞いてみると。。。
■探せない 他の人が作成したファイルが探せません。人によって階層構造が違うのでたどることができないんです。 ファイル検索?やってみましたが、用語の使い方も人によって異なるので、全然ヒットしないんですよ。逆に検索語を短くするとヒットしすぎてしまって、検索の意味がありません。
■容量が足りない 私たちの部署は、画像や映像を多く取り扱っているんです。だから、割り当てられた容量をすぐに越えてしまうんです。ファイルを小さくすれば、印刷の利用には耐えません。 私だけで共有サーバーをこっそり持ってます。
・容量が増えれば、それだけ管理も大変になります。単純に増やすことはできません。バックアップコストもかかりますしね。
・システムは魔法の箱じゃないんだから、もっと工夫して使って欲しい。
問題ですが、大きく3つに分けられます。「検索の問題」、「容量の問題」、「管理の問題」です。
それでは、それぞれ解決方法を見ていきましよう。
①検索の問題 ファイルサーバー上でファイルを探せるようにするためには、フォルダの階層構造を部門単位で決定し、そのルールに従って管理します。
階層構造の例:A営業部門の場合
階層構造の例:B総務部門の場合
階層構造の例:C技術部門の場合
階層構造決定のポイントは、ファイルアクセスのフローに着目することです。当然、全員がその探し方でOKという結果にはなりません。しかし、合意を得ることは必要です。また、例外的な探し方の場合のロスも考慮します。
※参考記事
②容量の問題 業務によって使用しなければならないファイルの容量は異なってきます。
常識的で誰もが知っていることですが、どの部門がどういったファイルを取り扱っているかは組織全体で知られていないこともあります。例えば、社員の教育の業務では、最近動画を使って教育しているようなことです。
アンケートなどで、取り扱うファイルの種類や年間増加件数などを調査することをオススメします。
③管理の問題
情報セキュリティの面から、ファイルサーバーは、社内のICT担当者の管理下におくか、もしくは、比較的大きな組織では部門のICT担当者の管理下におくべきです。 容量が足りないからといって、各自がHDDを用意する、それを勝手に共有するような「のらサーバー」の乱立は許されません。 もちろん多くの企業では、勝手に購入されたHDDを接続できないしくみを持っていたり、共有権限を拡張するようなことをICT担当以外が不可能となるようなしくみをIT技術として運用されていることもあるでしょう。
しかし、それ以前に、管理ルールの実行を徹底しましょう。
例:1年前のフォルダの見直しを行う期間を設ける。 削減目標を決める。
そして最後に④データベースシステムの導入
ファイルサーバーは、コストがかからずファイルを大量に管理できるメリットがありますが、業務や記録の種類に応じて、データベース化した方が良いものもあります。
例をあげてみますと、
のような文書はデータベース化すると効率化できるものです。
いかがでしたか。 まずは、基本的なことばかりですが、見落とされがち後回しにされがちで、大きな問題になっているファイルサーバー、1度ルールを見直して整理に手をつけてみませんか?
コンサルティング事業部/石川
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