文書管理規程(ルール)の見直しをするには

リスクへの対応の必要性、仕事のスタイルの変化やペーパーレスの推進による電子文書取扱いの増大などによって、既存の文書管理規程や文書取扱いのルールを見直したいという企業が多いようです。このサイトでも文書管理規程について何度か取り上げてきましたが「見直し」の視点で再考してみたいと思います。

なぜ、いま企業は文書管理規程を見直すのか

まずはじめに、文書管理規程を見直しをなぜ多くの企業で検討されているの確認してみましょう。
以下に示すような理由があげられます。

■業務における電子文書の占める割合が多くなってきた
  ・電子文書の原本性について示したい。
  ・電子文書における文書のライフサイクルを示したい。

■紙文書の電子化が進められている
  ・文書の電子化を推進したい。
  ・原本の管理をどうするか。
  ・電子化する文書としない文書の選別はどうすればいいか。

■働き方が変わってきた
  ・テレワークの制度化の中で文書管理規程も合わせて見直したい。
  ・様々な働き方を推奨する反面、情報セキュリティに関してルール化しておく必要がある。

■規程が形骸化している
  ・創業時や上場させる際に作成した規程のため、あまり現実に即していない。

このようにペーパーレス、働き方改革、オフィス移転など社会の変化に基づいて、企業もそれに対応するために制度の見直しが行われることになります。


■電子文書と電子化文書の違い
電子文書と電子化文書は異なります。契約書を例にとって説明しますと、ワープロで契約書の原稿を作成し、そのファイルは「電子文書」、押印された契約書をスキャンしたファイルは「電子化文書」となります。
・電子文書 ワープロやスプレッドシートなどのソフトウェアで作成したいわゆるファイルのことになります。
・電子化文書 紙やフィルムなどのアナログ情報を、スキャナなどの機器を使って電子ファイルとした文書のことです。


文書管理規程はどこに位置づけられるのか

企業には様々な規程があり、それに基づいて業務が運用されています。規程は、企業を組織化し、その活動を支えるための柱ともいえるでしょう。
文書管理規程は、それら規程類において、企業の中心に位置する経営組織規程の1つとされています。
また、文書管理規程からその周辺規程の関係性を表すと以下のようになります。

文書管理規程を中心に考えた関連図

文書管理規程の運用面を補完する規程として公印・社用印章取扱規程、職務権限規程、決済規程があります。また、情報の保護を補完する規程として情報セキュリティ関連規程、個人情報保護規程、秘密文書取扱規程が位置しています。

文書管理規程見直しのポイントとは?

前の章にも説明したとおり、企業は必要があって文書管理規程の見直しを行います。つまり、なにか課題・問題があるということになります。そのため、現状把握のために問題点を洗い出します。
例えば、ペーパーレスの報告に向けて整備するという課題のある企業の場合は、その問題点として、電子文書の原本性や外部から入手した文書の取扱いなどの記述が問題視されるかもしれません。
また、情報セキュリティの確保を課題とするならば、保管の課程での文書の所有者についてや、文書管理責任者の定義が見直されるかもしれません。
見直しの手順は一般的には以下のようになります。


1.見直しの目的の確認
2.現在の文書管理規程の問題点の洗い出し
3.改定原案の作成
4.社内調整
5.調整後のフィードバックを原案に反映させる
(場合によっては4と5は繰り返されます)
6.社内周知


また、文書管理規程を見直し改定が行われた場合、その周辺規程にも影響がある場合もあります。周辺規程との関連性や棲み分けを確認しておきます。

文書管理規程に関連する下位のルールや実践のためのマニュアル

文書管理規程に関するルールは規程ばかりではありません。
下の図のように文書管理規程は業務上で文書管理を行う憲法みたいなものです。その下位にガイドラインやマニュアルなどを位置します。
このガイドラインやマニュアルがないと、規程で決めた内容も現場では実践までたどり着きません。

文書管理ルールの位置づけ


■文書の廃棄を例に考えてみましょう。
文書管理規程では、廃棄の項に「保存期間が満了した文書は廃棄する」と記載され、示されていたとします。
それを受けて、ガイドラインやマニュアルには、保管や保存期間の起算日の説明を誰もがわかる平易な文章で表します。また、文書の種類によって異なる保存年限表を作成します。
さらに廃棄の仕方についても具体的に記述します。例えば、紙文書であればシュレッダーにかける、溶解処理に回すなどとなり、電子文書の記録媒体に関しても安易な捨て方がされないようにその方法(専用廃棄ボックスの使用など)を明示します。


部門毎に業務が異なれば、文書の取扱いも変わってきます。マニュアルは実際に文書を取り扱う社員が正しく迷わず負荷なく行えるようにするためのものですから、業務実態に合わせるという意味で部門毎に別途用意する企業もあります。
文書管理規程とガイドラインで基本的なルールを前提に、具体的なオペレーション部分でカバーしきれないところをまずは最低限部門で用意するというにはいかがでしょうか。
ルールの位置づけを社員がきちんと理解しておくことが必要です。独自のルールやマニュアルを許してはなりません。

そこで、マニュアル作成には以下のポイントがあげられます。

■上位ルールの変更に対応する
・法改正があった場合に影響があるか確認する。
・文書管理規程 または、関連規程が改定された際に影響があるかを確認する。
・文書管理ガイドラインに変更があった際に影響があるか確認する。

■社外環境や指摘に対応する
・外部からの指摘(外部監査、外的要因)などに対応する。

■社内の状況に対応する
・社内関連部門との連携や整合性を確認する。
・業務の実態に即しているか確認する。
・部内の改善要望を収集し検討する。

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