文書管理ルールそれぞれの特徴と役割

文書管理のルールは主に、規程、ガイドライン、マニュアルなどがあります。今回はこれらの特徴などについてご紹介します。

文書管理規程の特徴

文書管理規程はいくつかある文書管理ルールの中でも最上位に位置するものです。すべてのルールの基本原則であり、社内でも公式文書として位置づけられます。
社内の諸規程における文書管理規程のポジションは、次のようなイメージです。

原則組織において公式的な記録は文書化することが前提になっていることから、
規程管理規程の下で文書管理規程は中心的な役割を担います。
(もちろんこれが全ての規程ではありません。業務ごとにもっと細かく規程を設けている企業も数多くあります)

公式性の高い文書管理規程等の規程類は、策定や更新に取締役クラスの承認が必要になります。
公式性が高く承認手続きにも時間がかかるため、更新頻度が高いと手間がかかります。
また全部署共通のルールとなるので、業務内容よって異なるルールを記載するのは避けるべきです。
更新頻度をなるべく低くおさえ、全部署横断的に適用できる内容にするため、内容は抽象的に表現するという特徴があります。

【文書管理規程の特徴まとめ】

  • ルールの中でも上位に位置する公式性が高いルール
  • (一般的に)策定や更新に取締役の承認が必要
  • 全部署に適用できるよう抽象的な表現にするのが一般的

文書管理ガイドラインの特徴

文書管理規程をさらに具体的にしたものがガイドラインとなります。
ガイドラインは公式ルールとして位置づけられることは少ないので、業務環境の変化に応じて更新がしやすいという性質があります。
ただガイドラインも基本的には全部署共通で使用するルールであるため、
業務内容によって異なる特徴的なルールを記載するのは適していません。
具体性がありながらも、全部署横断的に利用できる内容とするのが一般的です。

【文書管理ガイドラインの特徴まとめ】

  • 規程に比べて具体的な内容を記載する
  • 公式性は低い分、更新の自由度は高い
  • 基本的は全部署で使用する共有ルール

文書管理マニュアルの特徴

文書の格納方法や削減、電子化などの手順を示したものがマニュアルになります。
部署ごとに作成しているケースも多いもので公式性は低い一方、ガイドライン以上に内容がより具体的になります。
また契約書などの特定の文書に対してマニュアルを作成するケースや、
部署によって特有の文書に対してマニュアルを作成するといったケースもあり、
部署ごとなどで見直しする機会や、更新する頻度も高いという特徴があります。

【文書管理マニュアルの特徴まとめ】

  • 手順などのオペレーションレベルの具体的な内容を記載する
  • 部署ごと、特定の書類ごとに作成されるケースもある
  • 更新頻度は最も高い

文書管理ルールそれぞれの役割比較

規程、ガイドライン、マニュアルのそれぞれの特徴についてご紹介しました。
イメージをまとめて比較すると次のようになります。

また文例について、比較してみたいと思います。
例として、秘密文書の管理に関する記述を用いて比較してみたいと思います。
<文書管理規程での文例>
秘密情報を含む文書は、適正かつ厳重に管理するものとする。

<文書管理ガイドラインでの文例>
・原則表紙や先頭頁には、「極秘」「社外秘」などの秘密区分を認識できるよう表記する。
・必要に応じて「コピー厳禁」、「再配付禁止」、「回覧禁止」、「本人限定」などを表示する。

<文書管理マニュアルでの例>
マニュアルでは、誰にでもわかりやすい表現でオペレーションを中心に記述します。

ルールは作って終わりではない

作成したルールが承認され、文書化されることがゴールではありません。
完成したルールをグループウェアなどで回覧し、「確認しておいてください」ということだけでは、形式的なルールとなって形骸化してしまいます。
組織への周知・徹底を図るためには、きちんと教育の機会を設けてルールの内容を解説し伝えなければなりません。

OJTで進める場合、文書管理ルールを策定した総務部門などが全社員を対象に研修形式で実施したり、今ですとウェビナー形式で実施するケースも増えています。

また一度作成したルールを更新することも重要です。
作成したルールを運用してみた結果、業務にマッチしない部分なども出てきます。
ITなどの発展に伴い業務環境が変化することもあります。
先に述べた通り規程やガイドラインなどでは更新頻度は異なるとしても、定期的な見直しは必要です。

文書管理ルールは作成して終わりではなく、浸透と習慣化を図り、時代背景や業務環境の変化などに応じてきちんと更新をするということを心がけましょう。


今回は文書管理ルールの特徴や役割などについてご紹介しました。
規程やガイドラインなどのサンプルドキュメントもダウンロードできますので、こちらもご参照ください。

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