共有フォルダの保管ルールがないとどうなる? 起こり得る問題と解決法!

2024-1-26
共有フォルダの保管ルールに課題を持つ企業は数多くあります。今回は保管ルール不在によって起こり得る問題とその解決方法についてご紹介します。

共有フォルダの役割

社内で電子ファイルのやり取りや保管を可能にする共有フォルダ。
NASやファイルサーバー、クラウドストレージなど様々な方法がありますが、
今回はこれらを総称して共有フォルダと呼びます。

最近のオフィスではペーパーレス化が進み、
従来の紙を中心とした業務スタイルから電子ファイルなどのデジタルを中心とした業務スタイルに変化しています。

こうした変化に伴い、
共有フォルダの利用頻度は格段に増加しており、
作成した電子文書の保管や情報の共有など、
様々な役割を共有フォルダが担っています。


保管ルールの不在によって起こり得る問題

共有フォルダの保管ルールがないと、
どのような問題が発生するのでしょうか。

ルールが無いと基本的には、個人が好き勝手にファイルを保管していくことになるため、
共有フォルダ内にファイルが無制限に増加して、カオス化・無法地帯化していきます。

最近ではクラウドストレージを提供しているサービスも、
保管容量が無制限になってきているため、
そうした問題がより発生しやすくなってきています。

また自分の都合を優先し、
自分が作ったフォルダやファイルが一番上に表示されるよう、
「@@@」や「★★★」などといった不適切な記号を付与したフォルダやファイルが氾濫するといった事態も引き起こします。

これらのことから起こり得る問題を、
さらに細分化して見ていきましょう。

ファイルの捜索に時間がかかり、業務効率が低下する

どこにどんなファイルがあるかわからない、
目当てのファイルに関連する情報があるかどうかもわからない、
こうしたことで電子ファイルの捜索に時間がかかり、
業務効率が低下します。

日常業務において文書を検索する時間と言うのは思いのほか多く、
この時間を人件費に換算すると、
一企業で莫大な金額になります。

文書の検索に関する企業事例はこちらの7ページあるのでご参照ください。
またすでにテンプレや過去に作成された原稿があるのに、
その存在が知られていないために再作成する手間が増えるといったことも、
業務効率低下を招く原因です。

組織にとって有益な情報(ノウハウや事例など)を共有できない。

組織には共有すべき有益な情報が、数多くあります。
先人たちが残した知恵やノウハウをはじめ、
企業活動から生み出される様々な情報資産の共有と利活用は、
企業の成長や業績にも影響します。

しかし共有フォルダに保管ルールが無いと、
こうした有益な情報資産が埋没してしまいます。
自覚しにくいことですが、これによる企業の損失は計り知れません。

企業活動におけるリスクが増加する

どこにどんな情報があるかわからなければ、
電子ファイルが紛失したり盗難されても気づきにくくなります。
機密性に応じたアクセス権のルールも無ければ、
情報の持ち出しや漏洩などのリスクも高まります。

また各種監査や立ち入り検査、係争時の証拠提出などにおいても十分な対応ができず、
企業の信頼が低下するリスクが高まります。

法令への対応が不十分になる

各省庁の法令によって保存期間が定められている法定保存文書(以下、法定文書という)というものがあります。
ひと昔前まで法定文書は紙で保管するものがほとんどでしたが、
最近では多くの文書が電子での保存も容認されています。

しかし法定文書の電子での保存には、
「真実性」「機密性」「見読性」といったが求められていることが多いのですが、
共有サーバーに保管ルールがないことにより、これらの条件を充たせなくなる恐れがあります。

法定文書を電子で保存する場合には、
これらの条件を充たせるように、
データの作成方法や保管方法などについて、
きちんと規程やガイドラインなどに定めること必要があります。

これはいわゆるコンプライアンスにも関わることなので、
企業の不正や不祥事に発展しかねません。


共有フォルダ保管ルール作成のポイント

これまで述べてきたような問題を解決するには、
やはり共有フォルダの保管ルールを定めるほかありません。

ここからは保管ルールに記載すべきポイントをご紹介します。

①フォルダ名やファイル名の命名ルールを決める

命名ルールは「これが正しい!」というものはありません。
関係するメンバーが使いやすく探しやすいルールにすることが第一です。

命名ルールを決める際の主なポイントは次のようなものです。

・フォルダ名、ファイル名の構成要素を決める→年月日・タイトル・文書名・バージョンなど

・簡潔で誰もが意味がわかるワードを使ってネーミングにする

・バージョンがわかるようにする

フォルダ名とファイル名についての詳しい内容は、ご参照ください。

②保管すべき文書とその保存期限を定める

定期的に発生し、保管が必要な文書の種類を洗い出し、保存年限を定めます。
発生した全ての文書に保存年限を定める必要はありません。
一時的に発生した文書やイレギュラーな事象により発生した文書で、
今後は発生する見通しのない文書は、用済みとなり次第随時廃棄(削除)となります。

法定文書は当然、法令で定められた保存期限に従いますが、
法定文書を電子で保存する場合、各省庁から電子文書の作成要件や保存要件が指定されていますので、
それに従って作成・保存するようにしましょう。

いっぽう法令で定められていない文書は、組織で保存期間を設定します。
保存期間を決める際の基準としては、主に次のようなものがあります。

・業務的価値

例えばプロジェクトに関する資料などで、プロジェクトが終了してしまえば利用価値がなくなってしまうような文書であれば、1年程度経過した時点で廃棄します。
しかし会社のノウハウとしての価値を保有している場合は、長期的に保管することがあります。

・訴訟対応の可能性

訴訟リスクに対応するような文書や、係争中の事案に関連する文書は、保存期間が満了しても保存しておかなければなりません。この取り置くことを「ホールド」といいます。

・歴史的価値

企業においては歴史的価値のある文書(資料)があります。
こうした資料は30年、あるいは永年保存とするケースが多くあります。
歴史的な資料を収集・整理し、社内での利活用や社外への発信をすることで、
企業のブランディングやイメージ向上に役立つこともあります。
こうした取り組みは、ビジネスアーカイブと呼ばれています。

保存年限の設定方法についての詳細は、こちらをご参照ください。

③フォルダ構成を改善する

みんなが好き勝手にフォルダを作成すると、
共有フォルダはカオスな状態となり、
ファイルが探しにくく様々な業務シーンでの効率が低下します。

フォルダ構成を改善する前は、例えばこんなかんじです。
こうした状態を改善するためには。
同一階層内で一定の「基準」を設けることが肝要です。
営業部の例で「業務フロー」を基準にフォルダを構成すると、次のようになります。
作成する文書は基本的に業務に紐づくため、
業務フローに沿ってフォルダを作成すると探しやすくなります。
また、作ったファイルを格納する際も迷いにくくなります。

その他「年代」や「文書種別」など様々な構成方法がありますが、
フォルダ構成についてはユーザー同士で話し合い、
みんなの納得感を得られるものにしましょう。

フォルダ構成の改善方法についての詳細は、こちらをご参照ください。

■■ まとめ ■■

●共有フォルダの保管ルールがないと、
業務効率低下の他、企業の成長や集英機への悪影響、信頼の失墜などのリスクがある。

●こうしうたリスクを避けるため、ファイル名などの命名規則やフォルダ体系などのルールを整備する。


文書コンサルタント/鈴木
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