では、長期保存可能なフォーマットとはどんなものがあるのでしょうか。一般文書の場合は、国際標準として定められているPDF/A(注1)が多く使用されています。
また、国立公文書館の調査では、
「英米豪の国立公文書館などでは、長期保存にあたってのリスク(見読性が確保できないリスク等)を評価し、そのリスクが高い場合にのみ「長期保存フォーマット」への変換を行うなどの取り組みを行っていた。
・オフィス系のファイル・フォーマット(Word、Excel等)でも国際標準化等が進み、英米豪の国立公文書館などでも、保存上のリスクがPDF/A等に比べて著しく高いわけではないと評価していた。」と報告されています。(注2)
この事例からすると、長期保存する電子文書を一律にPDF/Aへ変換する必要はないということになります。ただし、どのフォーマットが保存上のリスクが高いのか低いのかを明確にしておく必要があります。
また、PDFにすればその電子文書の内容について改ざんは不可能になりますが、WordやExcelは編集可能なため改ざんができてしまいます。この場合は、保存するシステムやメディアでアクセス権を管理して改ざん防止をしておくことも必要です。
「特定のフォーマットに変換しさえすれば、永久保存に耐えられるというものではなく、一定年月を経れば、技術動向を踏まえた点検や変換等が都度必要になるであろうことをうかがった。」とも報告されています、(注2)
つまり、長期保存については保存する意思をしっかり持って、そのリスクの度合いから定めた間隔での定期的な確認が必要になるということになります。
注1:Wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/PDF/A
注2:令和4年11月9日(水)第99回公文書管理委員会 「電子公文書等の長期保存フォーマットを含む
長期保存に関する調査検討」の状況について 令和4年11月 独立行政法人 国立公文書館
https://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/2022/1109/shiryou4-3.pdf
文書コンサルティング/石川
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