共有フォルダの整理にライフサイクルの考え方を

2021-12-10
ファイルサーバーやクラウドサーバーなどの共有フォルダを整理どうしていますか。今回は、文書のライフサイクルに沿って整理のポイントを説明します。

共有フォルダの整理が維持できない

文書を捨てるのは紙であれ、電子であれ難しいことだと思います。

捨てるよりとっておく方が安全と考えられ、紙文書であればキャビネットに満杯になってしまうので見た目にわかりやすく、何とかしなければと、あるいは「何とかしなさい」と外部から言われ捨てることを検討することも多々あるかと思います。

しかし、電子文書は目に見えません。いつの間にかサーバーがいっぱいになっていた。あるとき、情報システムから連絡をもらってとりあえず最低限何とか減量したけれど、数ヶ月経つとまた増加していて繰り返し。。。

あるいは、容量無制限のクラウドなのでいくら増えても安心でしょうか。

少ないと言われて減らすことも、容量無制限だから増えるままにしておくことも、文書管理的にはNGです。
必要な文書を必要な期間保管して活用するのが文書管理です。

共有フォルダ整理のメリット

必要なもの、利用されるものを区別して整理された共有フォルダは、「検索性の向上」、「誤廃棄の防止」、「保管コストの低減」のメリットが得られます。

どれも現場で抱えている問題ではないでしょうか。もう少し詳しく見てみましょう。

■検索性の向上


不要なファイルはノイズになります。ファイル名検索や全文検索でもあれば検索結果に出てしまいます。利用者はその結果から、不要ファイルを取り除かなくてはなりません。

■誤廃棄の防止


正しい場所に保管されないと、誤廃棄が起こりえてしまいます。
廃棄を安心して行える環境づくりも大事です。

■保管コストの低減


電子ファイルの保管にはコストがかかります。社内でサーバーを運用していれば、サーバーのハードウェアや保守料、運用する人的コスト、電気代、エアコン代など。。

一方、クラウドサーバー契約の場合は毎月の費用がかかります。
(たまにですが、クラウドサービス自体のサービス内容変更もあり条件が変わることもあります。例えば、今まで同じ料金だったら無制限でなくなるとか。。)

文書にはライフサイクルがある

このサイトでも何回か説明をしていますが、文書には生まれてから死ぬまでのライフサイクルがあります。それは、紙文書でも電子文書でも一緒です。
文書のライフサイクル
電子文書も正しく生まれて活躍し正しく終わらなければなりません。
では、次からライフサイクルに沿って共有フォルダの整理のポイントを説明します。

ライフサイクル毎の管理のポイント

■発生


電子文書の発生では、文書が共有場所に取り込まれるポイントになります。正式文書や共有すべき文書は、公的な場所に置かれなければなりません。また、逆に個人のメモやテンポラリーなものは公的な場所に置かれてはいけません。

少し前のIT環境なら、ファイルサーバーにアップするべきか、自分の使用しているPCのローカルHDDでよいのかということになりますし、紙文書で言えば共有キャビネットに置くのか、自分の引き出しに入れておくのかということになるでしょう。

大昔は、組織文書も自分の引き出しに入れて管理し、同僚から要求されたら「見せてあげる」ということが多々ありました。仕事は会社の仕事ではなく俺の仕事だった時代です。もちろん、今はそんなことありませんよね。

そして、現在では社内でファイルサーバーを立てることも少なくなり、クラウドの共有エリアと個人用クラウドドライブ(OneDriveなど)で分けているケースが多く見られます。

Point!:
組織の文書(共有すべきファイルや正式文書)は、指定された共有場所にアップする。また、個人文書はそこには入れない。


■処理


電子文書はこの「処理」の段階で紙よりもはるかに効率的です。メールで送付したり、ワークフローで承認を取ったりとスピーディに仕事が進みます。

最近は、メールでファイルを送らず、共有フォルダにURLを参照するという使い方を奨励している企業もあります。また、そういった共有フォルダ上のファイルを関係者が編集権を持ち、更新していくことによって完成させることも多くなって来ています。

■保管と保存


保管と保存は、共有フォルダの整理に大きく関わるところになります。

保管と保存は、文書を取り置くこと意味では同じなので、ここでは同じ項で説明します。
ところで保管と保存の違いはご存知でしょうか。

紙文書で説明をすると、保管は執務室に備え置くことです。保存は文書庫など執務室以外の離れた場所に置くことです。文書庫は執務室から離れているので、簡単には取りにいけません。日常的に使う文書ではなく、年月が経って使うことが少なくなった文書や法令で決められた保存期限まで取っておく必要のある文書等が「保存」へ(文書庫などへ)回されることになります。

これが、電子文書でも同様のことが当てはまります。

日常的に使用するファイルも、今はほとんど使用しないけれど取っておく必要のあるファイルもみんな同じストレージであれば便利かもしれませんが、ストレージ費用が無駄にかかります。

ストレージサービスもスピードを要求しなければ安価になります。または、磁気テープや光ディスクなどのオフラインストレージで保管する場合もあります。

Point!:
電子ファイルもアーカイブする(保存の領域に移し替える)という考え方を導入する。


■廃棄


紙文書の場合は、シュレッダーや溶解という方法でほぼ物理的に跡形もなく削除し、情報漏洩を起こさないように廃棄します。

電子文書も同様で、情報漏洩を起こさない廃棄が必要です。とはいってもクラウドドライブやファイルサーバーの場合は、一般の社員は削除するとかゴミ箱からも削除するという行為までで、跡形もなく削除することに直接関わることは少ないと思います。

ただし、一般の社員が媒体を破棄することもあるので、その部分のルールは一般の社員にもよく浸透させておくことが必要です。具体的には、DVDやCDなどのディスクはメディアシュレッダーにかけるなどということになります。

Point!:
メディア廃棄に要注意!


各フェーズのポイントを図にまとめてみました。
ライフサイクルごとのポイント

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■■ まとめ ■■

共有フォルダの整理を文書のライフサイクルの軸に沿って考えてみました。
必要なものを残す、不要なものを廃棄する、すぐに必要でないものは別に保管するなど管理の原則は紙文書と一緒ですので、それぞれのフェーズで何をするかをルール化しておきましょう。

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文書コンサルティング/石川

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