テレワークが続く中、文書の電子化の要望が社内で上がってきています。なるべく多く電子化した方が社員にとってもよさそうと思うけれど。。。
電子化には費用がかかりますので、なるべく優先順位の高いものに絞り込んで計画するのが現実的です。理想を追い求めて大量の電子化の計画を立てても多くの企業が頓挫しています。
それには、まずは調査が必要です。どれだけの文書量があるか、電子化優先度の高いものを探って行きましょう。
社員の方々はそれぞれ仕事が異なるので、いろいろな文書が上がってきそうだけどまとまるでしょうか。
電子化した方がいい文書とは一般的に以下のようなものです。
① 共有化して活用する価値がある文書
② 検索スピードが求められる文書
③ 電子化すれば倉庫に保存できる文書
④ 電子化すれば廃棄できる文書
⑤ 電子化して原本性が確保できる文書
このような内容を社員の選別基準として予め共有しておきましょう。
なるほど、選別基準を最初に共有しておくわけですね。そうすれば、判断のズレなどが少なくなりますね。
総務部でざっくりでいいのでキャビネットの文書を見回ってみたらどうでしょうか。まとまってわかりやすく収められているものは、複数の方々が共有して利用している場合が多いです。
まとまってわかりやすく収められているというものは、
その文書が規則的にファイリングされている状態という意味です。みんなが見るから規則的にファイリングされているのです。
例えば、契約書は顧客名の50音順にまとめられていたりしていませんか。
誰もが分かるように収められているものは、その必要があるからなんですね。
こういったまとまりのある文書は電子化だけではなく、文書管理システムなどでデータベース化することをお勧めします。
もともと整理されているので、必要な台帳項目もすぐに割り出せますし、データベース化すれば、多観点から文書を引き出すことが可能です。
先ほど例であげた契約書もそうですが、他にもこんな例があります。
・人事部 人事資料(雇用者名順で整理)
・研究部門 研究成果報告(テーマ別や年次別などで整理)
・製品保守 保守の記録(顧客名別や製品名別に整理)
データベース化のイメージを簡単に説明します。
文書管理システムには、文書そのもののイメージデータとそれに紐尽く台帳データを管理します。
上の図に表した台帳データの項目は1例です。管理する文書のまとまりによって変わってくるものとなります。
例えば、契約書であれば「契約日」、「相手先名」、「契約更新日」などが、人事資料であれば「生年月日」や「入社年月日」などが必要です。このあたりは文書をどう使用するかの観点から検討してみてください。
電子化した文書からPDFを作成してOCR処理をすれば、全文検索できますよね。それでも、台帳項目の作成は必要ですか?
全文検索はとても便利な機能ですよね。完全なOCR処理がされてれば、山とある文書から検索キーワードに該当するものをピックアップすることができます。しかし、検索ノイズの多くなります。結果が多く出すぎた場合は、目的の文書にたどり着くには結果を絞りこまなければなりません。
検索キーワードが文書の件名にあるのと、全文のどこかに あるのとでは重みが違います。日付などについては台帳データに入れておけば並べ替えするキーにもなり得るので、やはり台帳データは必要と考えるべきでしょう。
特によく使う文書であれば台長作成も含めてしっかり管理するべきなんですね。こうしておけば、業務効率化ができそうですね。
1つの種類が成功したら、他の種類の文書もやりたくなってしまいそうです。
同じ文書管理システムに異なる種類の文書を追加していっている例もよく見かけますよ。成功例があると社員の方の理解も得られやすいですね。
情報システムは入れ物なんです。そこに入れる物をきちんと整理することが必要です。具体的には台帳を準備する、電子化するなどです。
ファイリングシステムという言葉からも分かるように広義のシステムという意味は、ITに関することだけではありません。手動のシステムでキチンと動いているものは情報システム化は割とたやすくできるものです。
いつも、まずはルール、そしてソリューションと説明している当サイトではありますが、ルールのあるところから便利にしていくのも、効果が感じられやすいので、社内で成果を見せやすいです。引いては次の段階に進む時の賛同者も増えていくのではないでしょうか。
文書コンサルティング/石川
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