これだけは避けたい!文書管理の失敗事例

自社の文書管理改善を真剣に考えている方にとって、 なんとか失敗は避けたいもの。 ここでは弊社が、過去に独自で進めた経験のある複数の企業からヒアリングで得た失敗事例についてご紹介します。

失敗事例1:組織や上司の無理解

企業が文書管理に取り組むきっかけには、 上層部から総務部門の担当者に指示が下り、文書管理を始めるパターンが多いようです。

このパターンでよくある失敗は、 上司は協力しないにも関わらず、要求を言いたい放題のケースです。 「インターネットなどを参考に文書管理規程を作れ」 「散らかっている紙文書をきれいにファイリングしろ」 「社内のルールを統一化しろ」 などなどです。

総務部門担当者からすれば、日々の業務が忙しい中、片手間でやらなければならないため、進むわけがありません。 そもそも文書管理への専門性を持ち合わせていないので当然です。 担当者は悩み、苦しみながらもどんどん時間だけが過ぎていきます。 場合によっては本業のほうにも支障をきたし、 文書管理どころか、逆に生産性が低下していくのです。

一方成功する企業の場合は、 会社全体として進めるため、トップダウン(役員や事業部長など)で行います。 トップダウンで文書管理実施の大号令が下れば、 その推進力は一気に高まります。 一定の予算取りにも理解が得られるため、 外部の専門家を活用するなどにより、 いち早くノウハウを取得でき、 実現スピードと実現精度を高めることができると同時に、 結果として低コストで実現することができるのです。

もう一つ、総務部門担当者が「うちの会社も文書管理に取り組んだほうがいい」と、 上司に進言するパターンがあります。 しかしよくある失敗事例は、 「そんなにやりたいなら君がやってみれば?」 「自分で責任とれるの?」 などと、会社のために良かれと思って進言したにもかかわらず、 上司の理解が得られずに自力で進めようとしてしまうパターンです。 これは組織でよくある「言ったヤツ損」というものです。 当然上司がその調子ではメンバーの理解も得られず、 誰も実行してくれないまま、その取り組みは終焉を迎えます。

上層部の理解を得るためには、説得材料が必要です。 説得材料とは先にも述べたような、 ・自社が抱える問題 ・問題解決に対する文書管理の重要性 ・取り組むことによるメリット これらを明確に伝え、意識を共有することが重要です。

弊社ではこうした説得を、 上層部へのプレゼンテーションという形で支援しています。 もちろん無償です。 一人で悩み、苦しんでいる総務部門の方、 ぜひ一度、ご相談ください。

失敗事例2:文書管理に取り組む目的が不明瞭

文書管理に取り組む目的が曖昧だと、 実行主体者たちの動機づけは図れません。 失敗経験のある企業において、特に営業部や製造部門でヒアリングをすると、 「結局何のためにやっているのかがわからなかった」という声をよく聞きます。

文書管理を行う目的は、 当然その組織が抱える問題点から導かれるものですが、 その問題点の捉え方は、経営層と現場とでは異なるものです。

経営層は組織全体を俯瞰した視点で、将来にわたる長期的な問題意識を抱いています。 具体的には部門横断的な連携の困難化や、ナレッジの不足による組織の弱体化などです。

一方現場は、日々の業務に密接に関連した問題など、短期的な視点で問題を捉えています。 具体的には、文書の捜索時間の増大やスペースの不足による日々の業務の非効率化などです。

こうした組織階層に応じて異なる組織の問題をヒアリングし、 総合的に分析・抽出したものから、 文書管理の目的は導出されます。

そして大切なのは、この目的を果たすと組織のメンバーにとってどのようなメリットがあるかを明示するということです。 メリットとは言い換えれば、組織のメンバーたちにとっての「うれしいこと」です。 この「うれしいこと」をしっかりと伝えることで、 メンバーの動機づけが図れ、一体感につながっていくことになるわけです。

失敗事例3:実行計画が荒く、未完成のまま挫折

文書管理に取り組む目的やメリットを共有したら、 それを実現するための実行プロセスを明確にしなければなりません。 しかし失敗を経験した企業においては、 具体的な実行方法についてのノウハウが無いためにプロジェクトが長期化し、 取り組み自体が継続できずに頓挫してしまうのです。

文書管理を成功させるためには、 具体的に誰が・何を・いつまでに・どのように行うかなどの実行プロセスを組織のメンバーに明示し、理解を得ることが重要です。

運用ルールについても、 インターネット上に転がっているような文書管理規程だけでなく、 実行ベースに落とし込んだマニュアルが必要です。

自社にノウハウと経験が無い取り組みを行うときは、 外部のプロに委託してしまったほうが効率的であり、 結果として「安あがり」です。 つまり文書管理を成功させるためには、 実現速度と実現精度に対して投資する「割り切り」が必要なのです。

失敗事例4:一時期盛り上がったが時間が経って形骸化

移転などを機に一度はがんばって取り組んではみたものの、 移転が終わると「無かったこと」になるケースがあります。 これには様々な要因が考えられますが、 最も多い事例は以下の2つです。

①誰が責任を持つのかが曖昧だった ②文書管理が組織風土(文化)として根付かなかった

①誰が責任を持つのかが曖昧だった

移転などを機会と捉え、 熱心な担当者が頑張って進めてみたものの、 その担当者が異動や退職などでいなくなってしまい、 定着せずに忘れ去られてしまうパターンです。 つまり一人の担当者に依存してしまい、 組織的に取り組むための責任や権限が不明瞭なために形骸化してしまうのです。

②文書管理が組織風土(文化)として根付かなかった

文書管理が組織風土として根付くまでには一定の年月も必要ですが、 何よりも重要なのは、習慣化させるための体制と制度づくりです。 具体的に体制づくりとは、役割分担や権限、コミュニケーションルールを明確にすること、 制度づくりとは、教育や定期的なレビューを行うためのルールのことです。 基本、営業や製造現場の方々は、文書管理に関しては無関心であることがほとんどです。 「忙しい」「面倒だ」ということを理由に、なかなか協力が得られないものです。

文書管理を一過性のものとせず、組織風土として根付かせるためには、 このような体制構築と制度設計が必要になります。

失敗事例5:電子化すれば解決すると思っている

オフィスや倉庫に氾濫している紙文書をスキャニングして、 全てPDFなどにすれば解決できると思うのは大間違いです。

自社の社員や派遣社員などを使い、複合機などでPDF化を進めて失敗した企業は多くあります。

そもそも文書管理を実施していない企業においては、 文書のほとんどが不要文書であることが多い中、 全てをスキャニングすること自体に、無理と無駄があります。 「何を捨てるか」「何を紙で保管するか」「何を電子化するか」を定義しないままに進めれば、いつまで経っても終点が見えず、膨大な工数をかけた上に頓挫します。

閲覧頻度、利便性、文書の保全など、どのような理由で文書を電子化するのかを検討し、対象を絞り込むことが重要です。

今回は文書管理に関連する様々な失敗事例をご紹介しました。 これらの失敗はしたくないという方、 一人で悩み、苦しんでいる方、 お気軽にご相談ください。

コンサルティング事業部/鈴木

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