
文書管理の目的は、「コンプライアンス(法令遵守)」「業務効率の向上」「コスト削減」の3点を両立させることにあります。まずはこれらから保存期間が関わるポイントを見ていきましょう。


オフィスによっては、保存しすぎて(?)廊下まで段ボールが積み上がっている光景が見られることがあります。
多くの業務現場では、「念のため取っておこう」という心理が働き、保存期間の根拠が不明なまま文書が蓄積されます。念のために取っておいた人がいなくなってしまうと、次の人は「何かの理由があって取っておいたのだろう」と考え、「何を捨てて良いかわからない」となり捨てられないまま、担当者がまた変わり、どんどん手がつけられなくなってしまいます。
会社でどの業務を担当しているか、その立場によって文書保存期間の管理の課題は異なります。それぞれ担当の課題に対する解決へのアプローチを見ていきましょう。


ファイルサーバーやクラウドドライブ上のデータが増え続ける課題に対しては、ITシステム側での「保持ポリシー」設定が鍵です。一定期間更新がないファイルを自動でアーカイブする(さらに時間が経過したら削除)ルールをシステムに組み込みます。
また、上記のような自動的な仕組みを導入するとともに、各部門に目標示した上で削減を指示し、ストレージに保存したファイルの見直しを依頼します。

保存期間を可視化して管理するには「文書分類基準表」が有効ですが、分類ごとに保存期間を決定していくのは、簡単ではありません。
保存期間を決定するには分類ごとに以下のステップを実行していきます。
例えば、「契約書」は会社法では10年保存ですが、法人税法では7年保存となっています。このような場合には、10年を保存期間とします。また、契約書の場合はその業種によっても保存期間が変更になるので注意が必要です。
これらを「文書分類基準表」へ分類毎に記載していきます。
「文書分類基準表」の作成方法は、下記の記事で詳しく解説しています。

電子化することによって、紙文書を廃棄することができますが、法定保存文書の場合は、その関連するそれぞれの法律で決められた電子化要件で電子化することで原本破棄が可能となりますので注意が必要です。
電子化要件を必ず確認し、それらに基づいて運用を行ってください。
保存年限と同時に起算日も重要です。「いつから数えるのか」を把握しておきましょう。

電子文書になり、物理的なスペースが気にならなくても、分類毎に決められた保存期間を守るようにしましょう。紙と電子のルールの不整合は、現場の混乱を招きます。また、保存することで情報漏洩のリスクも高まります。さらに、物理的な容量は無くともストレージのコストはかかっていることも意識します。
ルールを整備しても社内でそれが運用されなければ意味がありません。
そのために、以下のようにルールをまとめ、そのルールを浸透させること、そしてルールの運用をチェックすることをお勧めします。

保存期間に関しては、主に「文書分類基準表」に記載されますが、文書管理の最上位のルールである文書管理規程は必ず確認しておきましょう。また、分類基準表だけでは示すことができない細かい運用ルールは文書管理ガイドラインにまとめることをお勧めいたします。以下にそれぞれの特徴を示します。
文書管理規程(文書管理における基本ルール)
多くの会社では存在していますが、もし無ければ作成することをお勧めします。また、現在の状況に対応しているか(例えば、電子文書などに言及しているかなど)の見直しが必要となりますのでチェックをしておきましょう。
文書管理ガイドライン(文書管理における運用ルール)
文書管理規程の下位にあたるルールで、廃棄のルールや文書の見直し時期や手順、電子文書の管理のポイントを具体的に示すものとなります。
文書分類基準表(文書の分類ごとに保存期間などを示したもの)
分類毎に保存期間、オーナ部署、法定保存文書かどうかとその根拠法などを示したものとなります。
以下の資料では各文書管理のルールについて詳しく説明しています。

整備されたルールを社内に周知させるためには、文書管理セミナーやイーラーニングを実施します。初回の周知には文書管理の意義や目的なども含めた説明が必要なためセミナーをお勧めします。ある程度定着してきた際にはイーラーニングなどが効果的です。

ルールを周知させたあと、意図に沿って運用されているかの確認は通常業務ではなかなか見えてきません。このため、運用状態を監査したりアンケートなどで意識調査を行います。
文書管理の定着について詳しく説明しています。
文書管理において、適切な保存期間を設定して運用することを最適化すればコストもリスクも下がります。
「保存しすぎ」は、単なるスペースの無駄だけでなく、必要な情報が見つからないという検索性の低下を招き、業務効率を悪化させます。
まずは自社の書類を棚卸しし、最新の法令に沿った保存期間の根拠を整理し、「文書分類基準表」を整備することから始めましょう。
また、同時に文書管理規程や運用を示すガイドラインについても検討することをお勧めします。文書管理規程やガイドラインなどのテンプレートを参考に、自社の業務プロセスに合わせたカスタマイズを行うのが近道です。
適切な管理ルールを構築し、コスト削減とコンプライアンス強化を同時に実現しましょう。
文書管理コンサルティング/石川
組織の知カラとは?
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文書管理の悩みを実践的な手法で解決するメニューを紹介しています。文書管理でどうしたらいいかわからない時はまずこちらを見てみましょう。

もし文書管理ルールを見直すのであれば、是非この資料を見てみましょう。文書管理の必要性、課題、解決策などにについて解説した資料となっています。

このページでは以下の説明と資料のご案内をしています。
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