リバウンドしないための文書管理のメンテナンス

紙文書や電子文書の整理削減活動に取り組んだものの、定期的に手当てをしてあげないとすぐにリバウンドし、文書が溢れかえってしまいます。今回はリバウンドしないための文書管理のメンテナンスについてご紹介します。

なぜリバウンドするのか?

①組織変更があった

組織の体制が変わると、
これまでの業務習慣も変わることがあり、
これまでの文書管理ルールが業務にマッチせず、形骸化することがあります。

また電子ファイルを保管している共有フォルダーにおいて、
部署名がフォルダー名になっている階層があると、組織変更があった時に大変です。
旧組織名称と新組織名称でフォルダーを分けて使うとなると、
ファイルが重複する可能性が高まります。
毎年継続する案件に関するファイルや、現在も続いているプロジェクトに関するファイルは、
新組織のフォルダーにコピーをして利用し、
旧組織名称のフォルダーにあるファイルは、そのまま消去しないためです。

組織変更にも柔軟に対応できるよう、
その組織固有の、あるいはその時代特有の組織名称をフォルダー名にすることは控え、
業務上の機能をフォルダー名にすることをお奨めします。

②新人配属や人事異動があった

新人配属や人事異動があると、
最初にルールを作った時にメンバーいなくなったり、
文書管理への取り組みを経験していないメンバーが出てきます。

文書管理の責任者や担当者が他部署に異動になった際には、
きちんと配置しなおさないと責任や権限が不明瞭になり、
これも形骸する原因となります。

③時間の経過とともにルーズになってしまう

整理削減など、取り組んだ直後はみんなの意識も高いため、良い状態が維持されます。
しかし通常で半年程度、早いところで3ヶ月程度経つと紙文書や電子ファイルが氾濫し始めます。

電子ファイルにおいては、いつの間にか新しい領域が上部階層に追加され、
決めたはずの分類基準に乱れが生じます。

紙文書も一度決めたはずのファイリングルールが、
時間がある時にファイルに綴じようと思っていた書類がどんどん溜まり、
キャビネットやトレーに平積み状態で積まれていきます。

これまで守っていたルールが一度ルーズになってしまうと、
加速的にルーズになっていきます。

リバウンドを防ぐには?

先述の通り、せっかく文書管理のルールを策定し整理削減に取り組んでも、
手つかずの状態で放置しているとあっという間にも元に戻ってしまいます。

そうしたリバウンドを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?

①文書管理ルールを見直す

業務環境は時間の経過とともに変化します。
業務環境の変化に合わせて文書管理ルールも見直さないと、
実際の業務にルールがマッチせず、みんなが守ってくれないものになってしまいます。
文書管理規程やガイドラインなどはもちろん、
最も変化の頻度が高いのは文書分類基準表です。

文書種類の追加や保存年限の見直しのほか、
昨今のデジタル化の動きに対応するため、
これまで紙文書で保管していた文書を、
今後は電子保存に切り替える文書が発生していきます。

こうした変化に対応したメンテナンスを継続しなくてはなりません。

②実地点検を行う

文書管理を管轄している総務部門が、
各部署の状況をチェックしたり、
文書管理責任者・担当者を対象にヒアリングを実施するなど、
年に一回程度、現場に赴いて文書管理の実施状況を確認します。

あらかじめチェックシートを作成しておき、
実地点検やヒアリングを行うとよいでしょう。

ヒアリングでは、業務を行っている現場の要望や生じている問題などを聞き出し、
現行ルールとの不一致を洗い出します。

総務部門などの管理部門では、
業務系のセクションの状況を掴みにくいので、
現場から情報を収集することをお奨めします。

③文書管理研修を行う

先述の通り、新入社員や未実施部門からの異動者がいると、
リバウンドが生じる可能性があります。

文書管理ルールの内容について、
特にポイントをきちんと伝えます。

また文書管理の必要性やメリットを伝えることで、
取り組む上での動機づけとなります。

あまり難しく伝えるのは避け、
ポイントとメリットを中心とした内容にするとよいでしょう。

研修資料のサンプルはこちらになります。
今回は文書管理のリバウンドの発生原因と、
その防止策についてご紹介しました。

内部からではなかなか指摘しづらい部分もあると思います。
研修や実地点検など、リバウンドしない体制づくりは是非当社にご相談ください。
維持管理に関する事例もありますので、こちらからダウンロードしてください。

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