文書管理の実行状況を自己点検する(紙文書編)

社内の文書管理について不安を感じていると総務部などの文書管理主管部門から悩みが寄せられることが多いです。
ここでは、社内での自己点検でどんなところに問題があるかを知る方法を説明します。

文書管理についての漠然とした不安

文書管理がされていない、以前コンサルタントを入れて文書管理システムを構築したが一過性のものになってしまった、文書管理研修を特に行っていないので社員の意識が低いようだ。。といった不安を感じている企業が多いようです。
このため、
・情報共有がなされず、会社の資産(ノウハウ)が眠ってしまう。
・文書を探す時間がかかり業務効率が落ちてしまう。
・情報が守られて管理されていないため、漏洩などのリスクが発生する。

などの問題が起こります。
そこで、どんな問題があるのか知るために「点検」を行ってみましょう。

文書管理のルールにおける漠然とした問題

文書管理自己点検とは

各自または各部に対して簡単な質問を投げかけ回答してもらい、分析をします。これを行うことによって漠然とした不安から問題を見つけることが出来ます。
ここで説明する自己点検は、不安から問題を見つけることを目的としたもので、文書管理の調査のような本格的なものとはせずに、行う方も回答する方も業務の合間にできる負担のかからない範囲で行うものとしました。
いくつかの質問をyesまたはNoで回答してもらいます。

回答は、できればオフィスにいる社員全員に答えてもらうのがよいですが、もっと簡単に部や課ごとの責任者に回答してもらってもよいでしょう。

質問項目はどんなもの?

これから種類別に質問とそれによってどんなことがわかるか説明していきましょう。

■文書管理に対する意識

・文書管理規程を見たことがありますか。
・自部門の文書管理責任者は誰であるか知っていますか。
・文書管理に関するルールは何をみればよいか知っていますか。

入社以降、特に文書研修などがなければ基本的なことなのに知る機会もないことが多いです。まずは文書管理とは何か、とか、ルールの存在とか、困ったときに相談する人とかが明確になっていないということは体制や制度ができていないということになります。

■個人の整理整頓

・机の上に文書が平積みになっていませんか。
・帰宅するときに机の上に文書が置かれたままのことがありますか。
・足元にも文書が置かれていませんか。

上記のような場合は、個人が持っている文書量が多いことを示していますが、さらには個人の文書と共有の文書が区別されていないことが多いです。仕事で作成された文書は作った人のものではなく、会社のもので共有化され、誰もが見られるようにしばければなりません。一方、文書を完成させるまでの個人のメモや仕掛中の文書は個人文書となり、これらはその都度廃棄を行って最小限にしておくべきものです。
これらの区別をつけていない場合は、「俺の仕事、俺の文書」という考え方が横行し、仕事の属人化が発生します。
また、大事な文書が積まれたままであれば情報セキュリティ上、望ましくはありません。
この質問にyesが多ければかなりの重傷です。

最近はフリーアドレスのオフィスも多くなってきましたので、机の上に文書が積まれるというケースは少なくなりました。しかし、自分で文書を持っていたいと考える人は、個人のロッカーに詰め込んだり、共有キャビネットに自分の文書を積んでいたりいます。
ですからフリーアドレスの場合は、

・個人のロッカーにぎちぎちに文書を詰め込んでいませんか。
  ・共有キャビネットに自分の文書を積んでいたりしていませんか。

などどいう質問に変えたほうがいいかもしれません。

机回りをスッキリさせることは個人の業務の効率化につながります。こちらの記事にも紹介しています。

■共有キャビネットの整理整頓

・ファイルやボックスの背表紙にラベルをつけてタイトルなどを記載していますか。
・キャビネットには整然とファイルなどが置かれていますか。
・窓際にファイルが置かれたりはしていませんか。
・重要書類や機密性の高い文書の場合は、鍵のかかるキャビネットに入れていますか。

社員が文書を使って仕事をスムーズに行っていくためには、ルールに沿った管理が行われなくてはなりません。並べ方や背ラベルも一定のルールを持って行われていなければ文書を探すスピードに影響が出ます。
このサイトでもよく紹介されている調査結果ですが、

日本国内のインフォメーションワーカーが抱える生産性ギャップを埋める(IDC 2012)

の調査結果によると、文書に関係するネガティブな時間は。。。
・文書を捜索している時間  1人あたり4時間/週
・文書を探すが見つからない時間 1人あたり2.7時間/週
・文書が見つからないために、文書を再作成する時間 1人あたり2.3時間/週
文書が見つからないために無駄にした時間は9時間で、1人あたり1か月であれば36時間となってしまいます!

また、機密文書がそうでない文書と分けられて鍵のかかるキャビネットに入れられていなければ、情報を守ることはできません。

キャビネット以外にファイルが置かれてしまうのであれば、定期的な文書の見直し(廃棄)が行われていないか、キャビネット自体が足りないか、あるいは、電子化して倉庫に持って行った方がいいものもあるのかもしれません。

紙文書のファイリング方法については、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。

■■ まとめ ■■

以上、紙文書の管理についての自己点検を説明しました。やってみると、部や課ごとに傾向も見えてきます。それは、業務の性質によるものかもしれませんし、リーダーの情報に対する意識の高さによるものかもしれません。
組織の文書管理に関するウィークポイントが明確になります。

もっと詳細かつ総合的な調査が必要であれば、文書管理調査も行っていますので、どうぞご相談ください。
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コンサルティング事業部/石川

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