文書管理の体制づくり

文書管理を維持・継続するための基盤となる文書管理体制。組織においてきちんと文書化して、権限や責任を明確にしなくてはなりません。今回は文書管理における組織体制や役割等についてご紹介します。

体制づくりの大切さとは?

文書管理を見直そうとする時、多くの企業は文書管理規程の見直しから検討することと思います。

もちろんそれは間違ったことではありませんが、文書管理規程の作成が目的化してしまってはいけません。

文書管理の目的はガバナンスや業務効率化、コスト削減であって、
そのために策定した文書管理のルールをきちんと守り、レビューをして継続的に改善を図る、
このようなPDCAサイクルを循環させるための土台となるのが文書管理体制となります。

企業においては多くの人が、「日常業務が忙しい」 「今のままでいい」 などを理由に、文書管理に対して消極的なケースが多くあります。

そうした中、文書管理における役割と権限、責任を明確にし、組織として取り組むことで、
文書管理が習慣化して根付いていきます。

体制とそれぞれの役割

文書管理を推進し、維持・管理する場合、
次のような体制と役割が考えられます。

・統括文書管理責任者

こちらは総務部長が担うケースが大半です。
俯瞰した立場から、組織における文書管理事務に問題がないかをチェックし、
あるいは改善点などがあった場合は指導や助言などを行います。
指導や助言などは、この後に紹介する事務局を通じて、各部門に配置されている文書管理責任者に伝達します。
また文書管理規程などの改訂などがあった場合の承認行為も担います。

・文書管理責任者

各部門に配置される責任者で、多くは部門長が担います。
自部門で発生した文書の保管から廃棄に至るまでの管理や、正式文書としての承認、
そして文書管理ルールの所属部員への周知徹底などが役割となります。
また統括文書管理責任者から是正などの指示があった場合も、対応しなければなりません。
具体的な指示は次に示す文書管理担当者を通じて行い、自部門の改善を図ります。

・文書管理担当者

各部門の文書管理責任者の直下に配置され、
組織規模によって異なりますが、課単位や係単位で配置されることがあります。
キャリアが5年前後の社員が適任の目安になります。
文書管理責任者の指示を受けて対応するほか、
文書管理担当者自らも部門内の文書管理事務改善を進めます。
また、紙文書や電子フィルの定期的な棚卸やファイリング、
フォルダ構成の見直しなどを励行します。

権限と責任を明確にする

先に示した体制においては、権限と責任を明確にしないとメンバーの協力は得にくくなります。

そしてその権限は、日常業務と切り離して与えなくてはなりません。
業務上の上司の顔色を見ながら進めるとなると、迅速性や機動力が低下するためです。

通常の企業組織においても「権限・責任一致の原則」「命令一元化の原則」などというものがあるのと同様、
文書管理においても責任を負うからには相応の権限を与えることで、
迅速な対応が可能となります。

逆に日常業務の上下関係を引きずり権限移譲が十分になされない場合、
無用な干渉があちこちから入り、対応速度が低下します。

大切なのはコミュニケーション

文書管理の責任者や担当者は各部門から選出されるため、
問題点や課題などを共有するうえで、部門横断的な連携が求められます。

半年に一回程度、定期的にレビューをするための定例会を実施するなど、
情報共有を図る場があるとよいと思います。

またこうした定例会や、見直しを図るためのチェック、教育の機会などについても、
文書管理規程等に示しておくとよいでしょう。
今回は文書管理体制についてご紹介しました。
何事おいても体制を構築して組織的に取り組むことは重要です。
文書管理体制を構築し、ルールを見直したいという方はこちらまでご相談ください。

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