ペーパーレスを進めるべき理由と進め方

2022-2-10
2020年のコロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言の折には、オフィス街には人がいなくなり、電車内には人がまばらとなり、テレワークが盛んに行われました。2022年の今、引き続きコロナ禍ではありますが、人々がオフィス街に戻り始めました。では、ペーパ-レスやテレワークは必要ないのでしょうか。
やはりそれらは長い目で見ても、進めるべきミッションであることは間違いありません。
今回は、その進めるべき理由と進め方について説明します。

ペーパーレスはスタンダード化する

ペーパーレスは必ずスタンダード化すると予測されます。遅かれ早かれどの企業も紙のなくなる時が来ることでしょう。

もちろんメモや付箋の利用や、図面を印刷してみたりというような、「紙の方が使い勝手がよい」という紙の良さを生かした部分は残ります。しかし、紙文書を保管していくことや紙で稟議を回すといったことは無くなっていくのではないでしょうか。

ペーパーレスを進めるべき理由とは

それではペーパーレスを進めるべき理由を見ていきましょう

■業務の効率化

まずは業務の圧倒的効率化が図れます。

その手法の一つにテレワークがあります。
テレワークとは、コロナ禍では圧倒的に多かった在宅勤務のことだけではなく、

  ・外出先のカフェから新幹線などの交通機関からのモバイルワーク
  ・サテライトやコワーキングオフィスでの勤務
  ・最近ではワーケーション


などのことも指し、いつでもどこでも仕事のできる体制を整えます。むしろコロナ禍ではない平常時にこのような「いつでもどこでも仕事」ができることが競争力に関係してくるのではないでしょうか。

ここに総務省が発表したテレワークの導入と労働生産性の関係を示した統計があります。

このグラフからは、テレワークの導入が労働生産性に関連しているのがわかると思います。テレワーク導入済みの方が労働生産性は高くなっています。

テレワークの導入と労働生産性の関係(推移)
出典:「令和3年版情報通信白書」(総務省)

今度は、クラウドサービスを利用しているかどうかで見てみましょう。こちらは、クラウドサービスを利用している企業の方が労働生産性が高くなっています。

クラウドサービスの利用と労働生産性の関係(推移)
出典:「令和3年版情報通信白書」(総務省)

このコロナ禍でアメリカ在住の友人が、日本とは比較にならないくらいにテレワークで仕事を完結できていたのですが、その友人はアメリカと日本ではIT環境が違いすぎると指摘していました。その中に電子文書の取扱いの当たり前さも存在しています。

下の統計結果は、アメリカでの在宅勤務の生産性が職場と同じかそれを超えると考えている割合の多さを示しており、このことを裏付けています。
米国の在宅勤務の生産性
出典:コロナ禍の経済への影響に関する基礎データ(令和3年2月)成長戦略会議

■社会のベースラインが変わってきている

生産性を中心にペーパーレスがもたらす企業へのメリットについて、説明いたしましたが、個別の企業がメリットを感じる感じないに関わらず、社会全体もペーパーレス化へ動いています。

日本政府の政策も、デジタル庁を起ち上げ、「行政手続きのオンライン化」などペーパーレス化を伴う方向に動いています。また、環境問題の配慮からも紙をなるべく使用しないペーパーレス会議などが推奨されています。

そして、企業でも個人でも1人1台のスマホを携帯する時代となり、地図を印刷して持ち歩くことや、メールやPDFファイルを印刷して外出することもかなり少なくなりました。

つまり、ペーパーレスにできる環境が整えられてきていること、社会全体がそれに向かっている状況にあるということになります。

ペーパーレス化を阻む壁とその乗り越え方

これまでペーパーレスを進めるべき理由を説明してきました。
では、ペーパーレスはどのように行っていけばいいのでしょうか。多くの企業は、ペーパーレスを進めたくても壁があるがゆえに踏み出せていないというのが通例です。

それでは、どんな壁があるのでしょうか。よくある企業のペーパーレス化の壁としてこの2点があげられます。

・紙文書の削減に不安を感じる
・電子文書や電子化文書が探せない


これら2つについて説明をいたします。

■紙文書の削減に不安を感じる

紙文書の廃棄には方法が3つあります。それは「廃棄する」、「電子化する」、「倉庫に保管する」という方法です。

まず「廃棄」ですが、単純に紙文書を削減せよと言われても、無作為に捨てられるものではありません。保存するべきであった文書を廃棄してしまう誤廃棄は絶対避けなければなりません。
誤廃棄事故には、「保存年限を意識しておらず廃棄してしまった」ことや「保存年限の解釈を間違えて廃棄してしまった」ことがあります。

次に「電子化」ですが、電子化して廃棄できるものと電子化しても紙文書を保管しておかなければならないものがあります。予め明らかにしておく必要があります。法定保存年限は各省庁によって定められていますが、電子文書の原本性の要件も提示されており、その要件に従って電子化を進めなければなりません。

以下の記事では、電子文書の原本性を確保するための各要件について解説しています。
最後に「倉庫での保管」ですが、一番リスクの少ない選択となりますが、対象となる文書が多いとコストがかさみます。また、文書が手元にないため、閲覧する機会が多いものは倉庫保管には向きません。従って倉庫保管するものも選別し最小限に抑える必要があります。

これらのことから紙文書を削減するには、
・予め「選別ルール」を決めておき周知すること
・分類別(または文書別)法定保存年限と電子化要件を明らかにすること

が必要です。

■電子文書や電子化文書が探せない

紙を無くして、電子文書や電子化文書を保管・共有する場合、共有フォルダのあるファイルサーバーやクラウドドライブから探せないという相談がよく寄せられます。せっかく、電子的な管理を進めているのに探せなければ、信頼性がなくなってしまいます。

よって、「やっぱり紙だよね」というペーパーレス化をしない言い訳に使われたり、個人個人が勝手に別のフォルダを作って同じようなファイルが乱立し、どれが原本だかわからない状況が発生します。
※電子文書と電子化文書の違い(JIS Z 6015の記述による)
・電子文書・・・・ワードプロセッサ、PC(パーソナルコンピュータ)上のソフトなどで作成されたコードデータで構成された文書。
・電子化文書・・・紙文書又はマイクロフィルム文書を電子画像(ビットマップ)化した文書。

ファイルサーバーやクラウドドライブは、定型化された業務のファイルの保管先というよりも非定型の文書の格納先となります。それ故に、様々な文書が入ってきますので、取り込み時に然るべき場所に格納すること、適切な名称を付与することがあとあと大きく影響するのです。

この壁を乗り越えるには、
・分類を決めること
・ファイルの命名規則を決める

といった共有フォルダ管理のルール策定が必要となります。

以下の記事では電子文書ルールの作り方を解説しています。
電子文書のルールが浸透し、探せないという問題が解消されるとファイルサーバーやクラウドドライブといった共有フォルダの社内での信頼性が高まります。
信頼できると、みんなが使うようになります。そして電子文書を集めるところ、そこにアクセスすれば情報が得られるので、利用や保管は定着していきます。

計画的に進める

ペーパーレス化は、取組みの対象の量が多いことや文書を選別の判断を要することなどがあるため、プロジェクトとして起ち上げ全員参加で行う必要があります。

そのため、現状調査やツール策定や計画策定に十分な時間をかけて、計画的に実行していってください。
また、ペーパーレス化後の運用も見据えて計画を立てることも有効です。

今後、ますますICTによる生産性向上が求められる中、紙に縛られることのないペーパーレス化はその基礎をつくるものとなっていきます。

■■ まとめ ■■

業務の効率化にもたらすメリットと社会情勢の中、ペーパーレス化はますます必須事項になります。

障壁となる紙文書の削減の不安には選別ルールや法律上の電子化要件の確認を、次に電子文書の運用については、電子文書のルールの策定を検討しましょう。
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文書コンサルティング/石川

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