文書管理台帳作成で文書のライフサイクルを見える化しよう

必要な文書が必要な時にすぐに取り出せ、かつ、文書の廃棄のタイミングのコントロールは、どうしたら可能になると思いますか?それは、文書管理台帳整備することで解決ができます。今回は、文書管理台帳の作り方を説明します。

文書管理台帳とは?

文書管理台帳(以下、管理台帳)は、ライフサイクルリストとかファイル基準表など別の名称でも呼ばれています。今、挙げた名称で示されれば、ああそうかとイメージできる方も多いかもしれません。
それらは、組織がどんな文書を持っているかを示す一覧表です。

  ・何を
  ・いつまで
  ・だれが
  ・どのように

管理するかを示します。
管理台帳があれば、そこに一覧で示された文書をどう取り扱ったらいいのか誰でもわかります。

文書管理の目的に照らし合わせると

管理台帳があれば文書管理の目的もなんなくクリアできます。

■法令順守


管理台帳にいつまで管理するかが示されていますから、法定保存年限にしたがって保存することができます。
訴訟の際も関連文書を探し出しすぐに見つけることができます。

■内部統制の実効性


文書が必要な時にすぐに取り出せるので、要求があった時にはすぐに開示できます。
秘密文書や重要文書であることを項目として入力することで取り扱いを明確に別にすることができます。

■業務効率


文書の組織的な共有が行われるので、必要な情報が埋もれることはありません。他の人に聞いて文書を出してもらったり、自分のフォルダしか探せないため、みんなが必要なコピーを保管してしまうようなムダがなくなります。

管理台帳にはどんな項目が必要?

では、具体的に管理台帳には何を記載するべきでしょうか。
まずは管理台帳のイメージを見てみます。

文書管理台帳イメージ
それでは次に記載するべき項目を見てみましょう。

■何を


どんな文書かを示します。文書のタイトルや分類などが該当します。分類は2階層から3階層とすることが一般的です。
  ・業務
  ・大分類
  ・中分類
  ・簿冊やフォルダのタイトル

■いつまで


その文書をいつまで保管・保存するかを示します。法律で保存年限が決定していてそれに従う場合、社内でそれ以上に設定する場合、法律で特に保存年限は示されていないが社内で保存年限を設定する場合があります。
また、保存年限を1年、3年、5年・・と年数で示すとともに、文書の管理起算日から計算した日付も示しておくことによって廃棄文書のピックアップが実行しやすくなります。
  ・保存年限
  ・保存満了日

■だれが


その文書を管理する部署や係などを示します。文書のオーナーが示され、そこに示されたオーナーは責任をもって文書の保管・保存、廃棄を実行します。
  ・部署名

■どのように


文書の重要度や機密度などに従い、文書の取扱は変わります。
  ・秘密区分や個人情報の区分
  (秘密文書や個人情報の入った文書は、
   鍵のかかるキャビネットに置く必要があります。)
  ・紙or電子の区分(媒体区分)
  ・ファイル単位
  (累積でファイリングするのか、
   年ごとに分けてファイリングするのか)
  ・ロケーション番号(どこの場所に置くか)

管理台帳の対象とするべき文書は?

先ほどは、管理台帳に記載するべきことを説明しました。
それらは、必要な項目ですが、文書は山のようにあります、作成している文書を全て台帳に起こすのは難しいと思います。
個人のメモや寿命の短い文書、簡易な内容は除き、必要な文書を絞り込んで台帳を作成します。

では、具体的にどんな文書となるのでしょうか。

  ・起算日以降の文書に対して作成するのが一般的(現年度の文書は除く)
  ・共有文書に対して行う。(個人のメモなどは除く)
  ・完了文書に対して行う。(仕掛かり中文書は除く)

■特殊な文書・情報は特殊な管理で
管理台帳は1つのDBです。特殊な文書で数量が多い物は別のDBを構築した方が使いやすい場合もあります。例えば契約書が一つの例としてあげられます。

■契約書


契約書は、期限を管理して契約切れを予め防いだり、相手先の以前の契約を調べたりすることがあります。
それを考えると管理台帳の項目も変わってくるため、別に管理台帳を作成するケースが多いです。

契約書の台帳作成ついて説明しています。

管理台帳の形式は?

作成という観点で考えれば、一番作成しやすいのはExcelなどのスプレッドシート形式です。これらは、担当者別に作成してもらうには最適です。項目が足りなければ自由に追加することさえできてしまいます。
個別のスプレッドシートは取扱はしやすい反面、検索やメンテナンスには少し難点があります。

  ・項目値の表記揺れが発生しやすい。
  ・項目がシート毎に変更されマージできない。
  ・横断的検索がやりづらい。

DBシステムにすればそれらを回避することができますが、担当レベルで構築するのは難しいため、最終的には文書管理システムを検討し、導入することで作成したデータをフル活用することができるでしょう。

管理台帳のメンテナンス

毎年新しい文書が追加され、保存年限が来たら廃棄され、置き場所も執務室から文書庫あるいは外部倉庫に変更されたりと組織の活動に合わせて変化していきます。管理台帳もそれに合わせて同期をとる必要があります。
毎年度末の文書の整理時に必ず実行しておきましょう。

■■ まとめ ■■

管理台帳は、文書管理にとって重要なアイテムです。これなくしては文書の全体把握やライフサイクル管理はうまくいきません。
作成とメンテナンスを実行していきましょう。

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