文書の削減・整理活動の成功事例

3月期の年度末が近づいてきました。紙文書・電子文書を問わず、文書の整理を年度末から年度始めに行う組織も多いと思います。文書削減・整理の社内活動をする中で、うまく行く組織とそうでない組織はどこが違うのでしょうか。

緊急性はないけれど重要な文書の削減・整理

文書のあるなしでニュースを賑わせている昨今、毎日の仕事の中で発生する文書の保管や保存が重要であることは、多くの人が認識しています。
一方で、限られた時間の中で多くの業務をこなしていると、緊急性の高いものからどうしても処理することになってしまいます。
そこで、文書の削減・整理というものは、重要だけれども緊急性のないことにに分類されます。

文書管理を緊急度と重要度で見ると。。
重要わかっているのだけどなかなかできないという領域が文書管理が入ってしまっています。
どうしてもこの領域は成り行きに任せていると、先送りにされてしまいます。どこかで「えいや!」と頑張らないと実行できません。
その頑張って成功させた事例を見ていきましょう。

成功した事例

文書の削減・整理の社内活動を成功させた組織の事例です。
この部門は10名ほどで主な業務は社内企画やその実行などとなります。文書管理の推進役として榛名うさ美(仮名)さんが選ばれました。
うさ美さんは、一見大人しそうですが、先輩であっても言うべきことは言う性格で、芯の強いしっかり者です。また、同じ職場の先輩・後輩・同僚とコミュニケーションも円滑です。
実は、うさ美さんが文書管理担当者に選ばれたのはその上司が彼女のそんなパーソナリティを買ったからでした。

※文書管理担当者に適している人とは?


①自部門の業務に精通している。
②コミュニケーション能力がある。
③何かしらのリーダー経験がある。
 (部活、学生時代のサークル活動、組合など)
④他の人に対して気が回り、何事にも気がつく。
⑤口だけではなく、手を動かすことができる。
成功のための体制づくりはこちらの記事で説明しています。
振り返ってどうだったのかうさ美さんに聞いてみました。

--- 文書管理担当者に指名されたときはどうでしたか?


えー、私?忙しいのにと思いました。でも、部長から「君自身の成長になるよ」と言われやってみようと考えを変えました。

--- 何が一番大変でしたか?


まず「始めるところ」でしょうか。
急に指名されたので、最初は何からやっていいか本当にわかりませんでした。でも、会社全体のプロジェクトで総務部作成の全体の計画がありました。計画の説明や文書管理の考え方、廃棄や保存の基準などの研修があったので、そこで理解を深めることができ、自部門で何をやらなければならないかということが理解できました。
その後、自部門の計画を立てました。スケジュール表や文書分類のひな形は、総務部で用意しているものを使い、不明点は総務部に相談しました。

--- 計画するまでが大変だったのですね。実際の削減・整理活動はどうでしたか?


始まってしまえば、やらなければならないこと明確に示せて、締め切りもありますし、自動的に動いて行くというかそんな感じに思えました。
実は、計画を実行する前に部長(文書管理責任者)に相談をして決めたことがあります。

・分担を全員に明確に振り分ける。
・活動は、日時を決めて全員で行う。


自分の文書を整理するという考え方を排除して、みんなの文書を管理するという意識のもと、分け隔てなく分担しました。紙文書はキャビネットの段、ファイルサーバーはフォルダごとという形で分担表を作成しました。
また、一人では判断できないことが多々あり、そこで活動が保留になってしまうため、日時を決めて、部長や課長も含めて全員に集中的に参加してもらいました。
みんなで一緒にやると燃え上がるというか、がんばるという気持ちが高まって、意外と楽しいななんて思いました。

--- これから、整理・削減活動を文書管理担当者に向けて何かありますか?


味方を作ってください!
実は、文書管理責任者である部長のフォローも大きかったです。
私だけでは難しい部門間の調整などを積極的にフォローしていただきました。文書管理責任者と文書管理担当者の役割分担ができてスムーズに動けることが根底にあったからこと実践できたのだと思います。

この部門は目標を大幅に上余削減率、指摘事項の全クリアを果たしたのでした。
みんなをやる気にさせる方法について書かれています。

うまくいかなかった事例

反対に同じ企業で比較的うまくいかなかった部門もありました。この部門は、20名程で比較的規模の大きい部門です。この企業は管理運営しているイベントの運営を行っています。部門内は、イベントの種類ごとにチームに分かれています。
文書管理担当者は、そのイベントごとに分かれたチームリーダーの一人で、佐藤トラオ(仮名)さんです。
トラオさんは積極的で行動派です。文書管理担当者に選ばれたのは、他のチームリーダーよりITの知識があることからでした。
しかし、この部門の整理・削減活動の結果は、期限までに全体が終わらず、結果目標の削減率を果たすことができませんでした。

失敗は成功の元!
ということでトラオさんにうまくいかなかった原因を聞いてみました。

--- 削減率が目標に届きませんでしたが、原因と考えられることはなんですか?


期限までに終わらなかったチームが半数以上あったことです。
みんな忙しくてなかなか手が回らなかったと思います。
私もチームリーダーなので、その点はとてもよくわかります。うちの部署は人数が多いので、チームごとの自主性に任せることにしたんです。そうしたら、チームよってムラができてしまいました。
あー、まずいなーと思ってチームリーダーに掛け合ってみたのですが、職位が同じだとなかなか言うことを聞いてはくれません。ま、気持ちわかりますけど。
文書管理責任者?部長ですよね。部長から言ってもらえるとよかったかなあ。でも、出張が多いのでそんな感じにはならなかったです。

--- 反省点であげられることはありますか?


チームごとの自主性に任せる場合は、そのチームリーダーへの教育が必要だと思いました。この活動の意義が伝わっていなくて、優先順位が下げられてしまいました。
また、活動開始際に部のキックオフを行って、部長からも説明をもらうすればよかったのかな。とにかく、上長の後押しがあるといいと思います。

文書管理の失敗事例の記事はこちら。( ;∀;)

錦の御旗を掲げるといいますが、会社の活動としてしっかりと旗を掲げてもらうと、担当者としてはやりやすいですね。
文書管理活動を支援する中で、成功するしないの傾向があるようです。
当社も事前の研修では、成功するポイントを織り交ぜて説明しています。ご紹介した成功例やうまくいかなかった例が参考になれば幸いです。

■■ まとめ ■■

文書削減・整理活動の成功のポイントは、
  ・分担を全員に明確に振り分ける。
  ・活動は、日時を決めて全員で行う。
  ・錦の御旗を掲げる。
です。是非、実行時に思い出してください。

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