紙と電子のハイブリッドな契約書管理

2023-8-10
現在急速に増えつつある電子契約ですが、現役の紙の契約書の保管も必要です。
今回は、紙と電子契約両方の管理を考えてみたいと思います。

契約書は電子契約が主流になりつつある

DX化が進むなか、紙から電子への移行が進んでいます。特に契約書に関しては、ここ数年で大きく電子化へシフトしてきています。
新しく契約を行う場合は、電子契約を使用するという企業が増えてきています。特に出社がままならなかったコロナ禍によるリモートワークが拍車をかけたこともあるでしょう。
また、それだけではなく電子契約にメリットがあることも、それが急増した理由と言えると考えられます。

電子契約のメリットを確認してみましょう。

■電子契約のメリット

・コストの削減
紙の契約書に必要な収入印紙代や郵送費用などが必要なくなりコスト削減することができます。

・業務効率化につながる
上記に関連しますが、収入印紙を貼ったり、郵送を行なったりすることがないので事務作業が無くなり業務効率化に寄与します。

・コンプライアンス強化につながる
契約のプロセスがシステム上できること、システムアカウントに対するアクセス権のコントロールにより、細かく閲覧権限を設定できること、電子署名やタイムスタンプによる改ざん防止などができることなど、電子化することによってコンプライアンスが強化が果たされます。

このようなメリットを享受できることから、電子契約の導入に踏み切る企業が増加しているものと考えられます。

ストックの残る紙の契約書

さて、電子契約を導入しても、紙で契約が交わされた時代の契約書は契約中であるかぎり保管が必要になります。

■紙の契約書の課題

紙契約書の管理については多くの企業が同じような課題を抱えていますが、そのほとんどが紙契約書ならではの物理的な問題に係ることとなります。

・紙契約書のファイリングに工数を要する

管理・閲覧することを考慮して、契約書を指定された順番でファイリングする必要があります。

・紙契約書を確認するために、別の場所まで行かなくてはならない

契約書の内容を確認したい場合は、その保管場所まで出向いて内容を確認しなくてはなりません。参照しやすい業務スペースに近い場所にあるものもあれば、文書庫などもあり、また、社内スペースの関係で倉庫に保管されているものなどは即座に確認ができない場合も生じます。

・紙契約書の保管スペースが足りない

契約書は契約が満了するまでは廃棄することはできません。また、契約書によっては満了後保管するケースもあるため、保管に必要なスペースは増加する傾向にあります。物理的スペースを確保しなければなりません。

・持ち出しや紛失などの管理がしづらい

契約書は重要文書となるため、紙の契約書の場合は保管場所を施錠したりすることでセキュリティを担保することになりますので、この点は電子的に行うよりも手間も費用も掛かります。

・管理台帳情報の管理漏れが生じやすい

紙の契約書の場合は、その管理台帳を作成し、相手先、件名、更新期限、保管場所などを記入して管理するのが一般的ですが、管理台帳と現物が別になっているため、更新が漏れていたりするケースが生じやすいという問題があります。

 

■解決策:紙の契約書をデジタル化しデータベース化する

これらの課題を解決する方法として、契約書のデジタル化とデータベース化をお勧めしています。

ただし、弊社では全ての文書に関してデジタル化をすることはお勧めしてません。闇雲にデジタル化をしても、スキャンコストがあがるだけで業務効率化にはならないからです。

※文書の電子化については、こちらの記事に詳しく掲載されています。

ただし、契約書については以下の観点から、デジタル化やデータベース化が推奨されるものであるがいえます。

■紙の契約書はデジタル化するべきか?

・共有化して活用する価値があるか

契約書は、営業や業務担当者、法務担当者など複数部署の社員たちがアクセスする可能性があります。

・検索スピードが求められるか

契約内容を確認して、次のステップの次回契約や顧客への対応を行うことが多いため、検索スピードが要求されます。

・デジタル化すれば倉庫に保存できるか

日常業務においては、内容さえ確認ができれば、現物を確認しなくてもよいので、デジタル化後は、現物にアクセスする必要がほぼ無くなります。社屋のスペースに置く必要もなく、倉庫保管へ移動ができます。

これら以外には、「デジタル化すれば廃棄できる」「 デジタル化して原本性が確保できる」などのチェックポイントがありますが、これらは紙契約書には該当しません。しかし、先の3点について該当するため、総合的に見て契約書はデジタル化やデータベース化する価値のある文書であるといえると考えられるでしょう。

紙の契約書をデジタル化する、管理台帳と一緒に管理できるようにデータベース化することで、前述した契約書に関する業務の課題の解決になります。

以下、順番に課題をチェックしてみましょう。

■紙契約書の課題は解決されたか?

・紙契約書のファイリングに工数を要する

物理的なファイリングは必要なくなります。(ただし、倉庫に預ける際の箱詰めは必要)

・紙契約書を確認するために、別の場所まで行かなくてはならない

自分の端末から、検索をして、該当契約書の内容まで確認することができます。

・紙契約書の保管スペースが足りない

契約書は契約が満了するまでは廃棄できませんが、執務室などに保管する必要がなく、外部倉庫などに預けることができるようになります。

・持ち出しや紛失などの管理がしづらい

現物には原則アクセスしなくなるため、その持ち出しが不可能となります。また、アクセス履歴にて誰が閲覧をしたかなどをトレースすることができます。

このように紙の契約書の課題が解決することから、ストックされた紙の契約書はデジタル化、データベース化することをお勧めします。

紙契約書と電子契約書を一緒に管理できる?

電子契約が普及する中、電子契約に切り替える企業もどんどん増えてきています。電子契約は、相手先との契約の締結業務を電子的に行いますが、契約締結後の契約書の保管をどうするかも検討しておかなくてはなりません。

お勧めするのは、紙の契約書のデータベースと一緒に管理することです。

形態が異なるため、別々に管理しがちとなりますが、異なるデータベースや共有フォルダに入れられてしまうと、別々に探したり管理したりしなくてはなりません。

文書管理システムの中には、電子契約システムと連携して自動的に締結後の契約書を取り込むことができるものがありますので、そういったもので管理することにより一元的な管理を可能とし、管理コストの削減や検索時間の短縮ができ、業務効率に寄与します。


文書管理コンサルでは

当社では文書管理コンサルティングサービスによって、文書のライフサイクルを改善し、紙文書や電子文書の適正な管理へ導きます。

また、全ての文書をデジタル化することを推奨してはおらず、お客様にとって最適な管理体制となるようにコンサルティングを行なっています。

■■ まとめ ■■

契約業務は電子契約になりつつあり、その割合は増えていくものと考えられます。
過去分の紙契約書については、その文書の特性からデジタル化・データベース化がおすすめです。
文書管理システムを選択するのであれば、電子契約と連携しているものがおすすめです。


ご相談のある方はこちら ↓

文書コンサルティング/石川

※関連記事

アルパカアイコン
CONTACT

文書管理でお悩みの方は、お気軽にご相談ください

ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください
文書管理のお役立ち資料は
こちらから
お電話でのお問い合わせはこちら
平日10:00~17:00

組織の知カラとは?

文書管理の専門家が長年培ってきたノウハウを企業担当者に向けて配信するサイトです。


文書管理サービスページから6つの資料がダウンロードできます。

このページでは以下の説明と資料のご案内をしています。

文書管理ルール
ファイルサーバー共有フォルダ
ペーパーレス化支援
法定保存文書
文書管理研修サービス
維持管理支援



「文書管理の教科書」を 見てみましょう

問題はあるのだけど何から始めていいかわからない、文書管理の手順を確認したい、そんな方はこの資料を見てみましょう。


記事カテゴリ一覧

会社情報