共有フォルダによくある4つの問題点とその解決方法

2023-7-14
今回は、ファイルサーバーやクラウドドライブなどの共有フォルダについて、コンサルを通じてよくある問題を4つあげ、その解決策を考えてみます。

自由度が高いファイルサーバーやクラウドドライブなどの共有フォルダ

共有フォルダは、フォルダ作成やフォルダ名の付与の自由度が高く、個々のユーザーが制約に縛られず自由に使うことができる反面、情報共有という観点からすると、フォルダ構成がわかりづらくなったり、命名にも一貫したルールが見いだせなくなり、ファイルの探したり特定したりすることに支障が出てきます。

具体的にどんな問題があるのでしょうか。

個人名のフォルダがある

個人名のフォルダが置かれていると、そのフォルダ以下にあるものをその人しか整理したり削減したりできなくなります。

多くの組織でよくあるのは、部署を変わったり退職した方のファイルをその個人名フォルダに全て入れて保管するということです。フォルダを作成した当時は、バックアップとして重要だったものも、時を経るにつれて、廃棄してもOKとなりますが、個人名フォルダに入れられている限り、他の人が手を付けることがはばかられ、年度をまたがり整理されないまま残っていきます。そして、これが毎年繰り返されます。

その個人名を知らない人が、そのフォルダを受け継いだとしても先輩から受け継いだということで何も手を付けず、次の人に引き継き何年も残っていきます。

■解決策

個人フォルダは共有場所に置かないというルールにします。

個人の下書きやメモなど共有する必要がないものは、個人のPC等で管理するようにします。最近はローカルPCにファイルを作らせないルールにしているところも多いですが、そういう場合は、ファイルサーバーやクラウドドライブの個人ファイル専用の領域を設けるとよいでしょう。この領域にあるものは、原則その人が組織を去るときには削除されていいものします。

棲み分け例として最近よく見かけるのは、ファイルサーバーやBOXなどのクラウドドライブを共有として使用し、OneDriveを個人フォルダとして利用しているケースです。

その人が組織を去るときは個人フォルダを無くしてもよいくらいにしておくのは理想ですが、実際にはなかなかそうはいかず、しばらくその人の個人フォルダを残しておきたいということもあるでしょう。

そういう場合は、組織を去った人の個人フォルダを集める専用のフォルダに移動させて、期限を決め、期限が来たら削除するようなルールを設定することをお勧めします。

 

階層が深すぎる

フォルダ階層が深すぎるのも大きな問題です。これは、目的のものが探せない原因となります。あまりにも深すぎるとフォルダを作成した人も探せなくなります。

これまで当社が対応してきたファイルサーバーのフォルダ階層は、最高で10~15階層ありまそた。そこまで階層が深くなっているのは全体で数割ではありますが、こうなってくると目的のファイルを探すのはかなり難しくなります。ファイル名の検索等で探し当てたとしても、複数ヒットした場合などは特定する作業に時間がかかります。

また、階層が深すぎることによって、ファイル名を含めたパス名が長くなり、250文字の文字数制限を越えてしまうこともあるので要注意です。


■解決策

階層が深すぎる問題の解決策は、単純に階層を減らすことができないため、簡単にはできません。

業務分析などを行なって全体の階層構造から見直して行く必要があります。

どんどん深く作成してしまいがちなフォルダ階層ですが、3階層くらいまでに抑えることが推奨されています。

※フォルダ構成の改善はこちらの記事に詳しく掲載されています。

容量が果てしなく増加していく

使用開始から年月を経るにつれ、ファイルサーバーやクラウドドライブの使用容量は増加の一途をたどります。業務を実行していれば、それは当たり前のことです。

ファイルサーバーの容量拡大に合わせて、ストレージの購入も定期的に行なわなければなりません。また、クラウドでドライブを使用している場合は契約変更を行う必要も出てきます。

■解決策

紙文書と同様に共有フォルダで管理しているファイルについても、文書のライフサイクルを適用して、定期的な見直しが必要です。紙の文書と同様に期が終了してから年に一度見直すことをお勧めします。

廃棄の対象になるものは、保存期限が過ぎたものや保存期限は特にないがその役目を終えたものとなります。また、一時的に重複で保管しているものもあれば廃棄します。

また、廃棄するものの中から、業務的価値はないが歴史的価値のあるものは別途保存します。

文書の見直しにリソースを要することから、ストレージ購入費の方が安価と考えたり、クラウドドライブの使用量が無制限契約となっているので、廃棄は行なわなくてもいいのではと考える向きもあるようですが、探せないリスクや、情報漏洩のリスクにもなる点からも、文書の見直し廃棄をお勧めします。

共有フォルダのアクセス権限の問題

分類表ができたら、現場で文書を分類表に割り当てることになります。
紙文書の場合は、ファイル単位毎に管理台帳にまとめ、分類を付与します。
電子文書の場合は、共有フォルダの構成を分類と同期させて、ファイルをその中に移動させます。

と、簡単に書きましたが、文書にあたって分類していくことになり、文書のボリュームもありますので簡単にはいきません。このような作業は、プロジェクトとして管理実行することをお勧めします。

分類分けが完了したら、現場では文書をルール通りに動かすことができるようになります。

■解決策

アクセス権限の方針を大まかに取り決め、ルール化して実現していくことが必要になります。クラウドサービスなどの場合は、利用者レベルで使用できるサービスもあり、アクセス権付与権限もありますので、この点の取り決めやサービスの周知などが必要になります。

大まかな取り決めとして、多くの組織で行なわれているのは、部門ごとにフォルダを割り当て、アクセスはその部門のみに絞り込む、共有エリアを設けて部門間のファイルのやり取りに使用する。ただし、そのエリアのファイルは定期的に削除されるというものです。

■■ まとめ ■■

今回は、ファイルサーバーやクラウドドライブなどの共有フォルダについて、よくある4つの問題とその解決策について考えてみました。
簡単にできるものもあれば、根本的な解決が必要なものもあります。
根本的な解決には労力と時間を要しますが、やってみる価値はありますので検討してみてください。

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文書コンサルティング/石川

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