文書の分類が大切なわけ

2021-08-13
御社には文書分類がありますか?そして、それは定期的に更新されていますか。文書分類表は文書の検索やライフサイクル管理のために必要な具体的なルールです。今回は、文書の分類が大切なわけを見ていきましょう。

文書を探すことができますか?

「文書を探すことができますか?」と聞かれ、あなたは「探せる」と回答できるでしょうか。もちろん、現在関わっている案件であったり、自分が担当している文書は問題なくサクっと探せるのではないかと思います。

この質問を「他の人が作成した文書を探せますか?」に変えると、「探せない」「自信がない」と答える人が増えていきます。

他の人の仕事には関わらないし、その人に聞けばいいからという意見もありますが、仕事の属人化を防ぐため、また、リモートワークなどで常に同僚が側にいることがなくなっていることを考えると、「組織の文書がしっかりと探せること」は重要です。

文書分類表があれば、組織がどんな文書を管理しているかが一望できます。
紙文書であれば分類を置き場所や背表紙に紐つけておけば、文書にすぐにアクセスできるようになります。
電子文書においても、フォルダ構造に紐つけておけば同様に文書へのアクセスが容易になります。

分類基準表と保管場所を紐つけ

文書の保有状況を把握していますか?

文書分類表には文書を容易に探せるようになるいうメリットの他に、組織の文書の保有状況を社内外に示すことができるというメリットがあります。

組織で何か問題が発生したときに、情報の開示が求められます。その際にその文書の保有状況を素早く請求先に開示や説明できます。また、その問題の原因究明や対策に取りかかることが容易になります。

文書の運命を示す分類表

文書分類表は文書の運命を示します。それはどういうことかと言うと、文書の生まれてから死ぬまでを示すライフサイクル管理のためのものだからです。

・生まれる 文書の発生
・何年生きる 保存年限
・どこにいる リテンションパターン

などを示しています。

文書分類基準表の例
分類毎に上記のような項目を決めておけば、文書を分類に当てはめることにより、自ずと運命が決まっています。

逆に分類を決めていなければ、「そもそもとっておくべきかどうかわからない」とか「ずっとあるけどいつ捨てていいの?」ということになってしまいます。
保存スペース確保のために捨てることや、倉庫に保管するものの把握など、文書分類表が整っていれば、後は運命に従うだけです。

文書管理台帳とは?

いままで文書分類基準表について見ていきましたが、ここでその下位となる文書管理台帳について、分類表との関連性や特徴について説明したいと思います。

■文書ルールの構造

ここで文書ルールの構造についておさらいしてみましょう。

この図にもありますように、文書管理のルールは上位「文書管理規程」から順番に下位に流れていきます。上位はより抽象的、下位は具体的になっていきます。

例えば文書管理規程では文書の廃棄について「保存期間が満了した文書については、速やかに当該文書を廃棄する。」などと書かれているのが一般的でしょう。これに対して誰もが理解し、そのようにしようと思います。しかし、自分の今手元にある文書を判断したい時に「保存期間が満了した文書」なのかは規程を見てもわかりません。

ここで分類表を参照し、手元の文書の該当分類を見つけて、保存期限が過ぎているかどうかを確認するわけです。
分類基準表の保存年限を確認
この時、分類表では文書の固まりを1つのレコードとして扱っているため、その分類の場合は何年保存するという形で書かれています。例えばそれは7年だったとしましょう。
今がその7年目過ぎた年なのかを確認して廃棄することになります。

文書管理台帳の場合は、この文書分類をさらに文書毎に展開したものになります。その文書そのものが1レコードとして登録されていることになります。ですので、その文書を台帳から探して、保存年月日を見ればいいのです。

下が文書管理台帳の例(一部)
文書管理台帳の方がさらに具体的であるということがイメージできたでしょうか。

文書を探したり、ライフサイクル管理をしたり、最後に保存年限を確認して廃棄したりすることを考えれば文書管理台帳があった方がいいですね。

ただし、文書管理台帳は文書毎(紙文書の場合はファイルやフォルダ毎)のレコード作成になるため、作成するとしたらかなりのリソースが必要になります。
こういったこともあり、第1に文書分類表を作成することを優先し、次に業務の性格に応じて台帳まで作成することを弊社ではお勧めしています。

文書管理台帳については、こちらの記事も合わせてご覧ください。

文書分類作成支援

文書分類作成について説明してきましたが、どうやって作成していったらいいかわからない、社内で実行するのでファシリテートしてほしいなどという組織のために弊社では「文書分類作成支援サービス」も展開しています。
分類作成のための研修や、作成のための個別相談を行います。
興味のあるお客さまはどうぞご相談ください。

■■ まとめ ■■

今回は文書管理ルールのなかでも具体的なルールである「文書分類基準表」について説明してきました。まだ、作成していない、あるいは、作成したけれど形骸化しているという企業さまは是非一度作成や見直しをされるとよろしいのではないでしょうか。

アルパカアイコン
CONTACT

文書管理でお悩みの方は、お気軽にご相談ください

ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください
文書管理のお役立ち資料は
こちらから
お電話でのお問い合わせはこちら
平日10:00~17:00

組織の知カラとは?

文書管理の専門家が長年培ってきたノウハウを企業担当者に向けて配信するサイトです。


文書管理サービスページから6つの資料がダウンロードできます。

このページでは以下の説明と資料のご案内をしています。

文書管理ルール
ファイルサーバー共有フォルダ
ペーパーレス化支援
法定保存文書
文書管理研修サービス
維持管理支援



「文書管理の教科書」を 見てみましょう

問題はあるのだけど何から始めていいかわからない、文書管理の手順を確認したい、そんな方はこの資料を見てみましょう。


記事カテゴリ一覧

会社情報