文書分類は現場を動かす文書管理ルール

2023-6-9
文書管理ルールについて検討されているみなさま、それは、現場で使用できるところまで具体化する必要はありますか?そうであれば、ルールの中でも一番具体的となる文書分類表が必要なのかもしれません。今回は、俯瞰的な視点から文書分類表を考えてみます。

文書分類表は実践的なルール

今回文書分類表を取り上げたのは、文書管理のルールについて悩んでいる企業がとても多いからです。では、文書管理のルールなのに、なぜ分類表なのかというと、文書分類が具体的に個々の文書を動かしていく判断基準になるものだからです。

例えば、文書管理規程では「文書には保有年数を設定して保存する」と示されているとします。しかし、現場ではこの規程を理解したとしても目の前にある文書を動かすことができません。
目の前にある文書が分類のどこにあたるもので、その保存年がいつまでで、何年まではどこに保管すればいいのかを知る必要があります。文書を分類し、分類ごとにリテンションスケジュールが示されていれば現場では文書を動かすことができるのです。

分類ごとにリテンションスケジュールを示すようにしておくことがポイントになります。

リテンションスケジュールとは?

リテンションスケジュールは、どの文書をどれくらいの期間保持するか、また保存場所、廃棄するタイミングなどを示すものです。

例えば、毎年度発生する「年度事業計画書」は、永久保管とし2年まで執務室に保管し、その後は倉庫保管とすること等を示します。

このように「何の文書」をいつまでどうするかと示したものとなりますが、この「何の文書」のところは文書の固まりです。つまり、分類となります。
次は分類の方法を考えてみましょう。

「ワリツケ方式」と「ツミアゲ方式」

文書の分類方法でを現場で行う場合の方式には、ワリツケ方式とツミアゲ方式の2つがあります。

ツミアゲ方式は、現場で似たような文書を集め、まとまりを作って整理していく分類方法です。現場の日業務に即した分類ができるため、現場に使いやすい分類になるメリットがあります。

逆にワリツケ方式は、現場で文書を1つ1つ見ていくのではなく、業務の内容やプロセス等から分類を定めて、その定められた分類に現場が文書を収めていく方法です。

この方法では上から押し付けられる形になり、現場においては所有している文書とうまく適合しない現象が発生し、最後まで分類分けが完全実施に至らないケースが発生することもあるようです。

このように説明するとツミアゲ方式の方が優れているように聞こえるかもしれませんが、記録作成者である現場の意向が強くなり、組織内では利用しやすい分類にはなる反面、組織外から使用しづらかったり、組織全体で統一の取れない分類になってしまいます。また、部署間で保管する文書の種類や分類状況が異なることとなり、組織全体では整合性の取れない状況になってしまう場合もあります。

実際はこの2つを組み合わせたもので行うことが現実的であり。当社もこれをお勧めしています。
ワリツケ方式で大分類もしくは中分類まで決定しておく、そして中分類と小分類もしくは、小分類を現場でツミアゲで行うというやり方です。

ツミアゲは現場にお任せするとして、このワリツケをどんな基準で行なったらいいのか、その後の運用に控えているリテンションスケジュールを意識して考えてみましょう。

リテンションスケジュールを意識した分類

リテンションスケジュールを意識した分類をするには、組織の機能(業務とプロセス)に着目します。

■業務とそのプロセスを意識する

各部署は、組織の機能に基づいて分割されているので、まず各部署組織の業務とそのプロセスに着目します。

1.組織毎にそこで行われている業務を洗い出す

たとえば、人事だったら。。以下のように業務を洗い出します。

2.それら業務の関係性を明確にする

業務プロセスの視点から業務が漏れていないか検討してみましょう。また、そのプロセス順に並べ替えてみましょう。

下の図は書き出したプロセスを実行手順で並べ替えたものになります。

3.それぞれに代表的な文書を例を挙げて明記する

分析をより深く進めることができ、分類を行う現場で判断がしやすくなります。以下、部分的ですが該当する文書をそれぞれのプロセスに振り分けた例となります。

※当社では、この一連の作業を手順を追って行うために業務プロセス表を配布して分類を検討してもらっています。

■共通部門の分類モデルは事務局で検討

組織が大きな場合は、それぞれの組織に同じような業務が存在することがあります。例えば庶務係などが行う経費計算や購入申請などの業務です。

このような組織をまたがって共通化できる業務の分類は会社として予め用意しておくことをお勧めします。そうすれば、それぞれの部門で最初から考える必要は無くなり、部門を統合した場合は文書の統一もしやすくなります。

■法令に基づいて分類しておくことも忘れずに

原則、1つの分類に対して1つの保存期限を割り当てられるように分類を作成します。この時、企業独自で保存期限を決定できるものもありますが、法律によって定められたものもあります。

法律で定められた保存期限なのかどうか、適用されている法律はどれなのかも示しておくことをお勧めします。

法律で保存期間が定められている文書もあるため、その視点も分類時に考慮しておきましょう。

当社では、「法定保存文書の確認・見直し支援」サービスも行っています。↓

法定保存文書の確認・
見直し支援

法定保存年数が正しいかどうかを確認したい
電子での保存要件を確認したい

法定保存年数とその根拠法、法で定められた電子での保存要件などを確認してレポートします。

「最新の法定年数を確認したい」「電子での保存が可能かどうか」「電子で保存する際の要件はどのようになっているか」などを、文書の種類ごとにレポートします。

文書に分類を適用する

分類表ができたら、現場で文書を分類表に割り当てることになります。
紙文書の場合は、ファイル単位毎に管理台帳にまとめ、分類を付与します。
電子文書の場合は、共有フォルダの構成を分類と同期させて、ファイルをその中に移動させます。

と、簡単に書きましたが、文書にあたって分類していくことになり、文書のボリュームもありますので簡単にはいきません。このような作業は、プロジェクトとして管理実行することをお勧めします。

分類分けが完了したら、現場では文書をルール通りに動かすことができるようになります。

 以下の記事は、分類分けを含む整理削減実践についての方法をご案内しています。

■■ まとめ ■■

今回は、現場で必要な文書管理ルールとして分類表を取りあげ、さらに全社で矛盾がないようなものにするために、ワリツケ式に焦点を当てて、説明しました。
具体的なルールが必要であれば分類表に着目してみてください。

ご相談のある方はこちら ↓

文書コンサルティング/石川

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