あなたがもし共有フォルダの整理推進担当になったら(後編)

2023-5-12
社内の共有フォルダ(ファイルサーバーやクラウドドライブなど)の整理について、前回はその「前編」として調査やルール作りについて説明しました。今回は、「後編」としてその実践について説明したいと思います。推進役としてどう実践を進めて行ったらよいでしょうか。

共有フォルダの整理削減推進担当として、ここまで進めてきたこと

前回は、前編として実行前の調査やルール作りについて説明をしました。これは、設計図を描き計画を立てる準備作業となります。

前回のおさらいとなりますが、ここまで進めてきたことは、

・ファイルの容量や数量、整理の実態などの現状を知ること
・共有フォルダ整理削減実行プロジェクトの目的や動機を明らかにし文書化すること
・共有フォルダの管理ルールを定めて文書化すること


でした。

※前回の記事はこちら↓
これから「実行」するにあたり、計画はとても重要です。しかし、ここまででは実際には何も変わっていません。

実行あっての目的達成です。

そして、ここからはプロジェクトに関わる人たちが、事務局メンバーだけから対象の組織へと拡がっていきます。つまり、影響の出る人が大人数になるのでプロジェクトを進めるにはそれなりの覚悟が必要です。

プロジェクト推進のポイント

それでは、プロジェクト推進のポイントを見ていきましょう。
ここでは、ポイントを2つあげています。一つは関わる人に情報共有すること、もう一つは進捗管理を含めたスケジュール管理をするということになります。

■説明会を開催する

関わる人全てのスタート位置を同じにすることがとても重要です。そのために説明会を開催して情報共有をします。

この時までに進めてきた、現状調査の結果を報告し、その上で動機付けを行い、今後の管理ルールを説明します。また、実行手順や注意点などについても説明を行います。

弊社では、これらを同じ資料にまとめて配布した上で説明会を実施しています。資料での共有と口頭での説明でメンバーの頭に入れてもらえるようにします。

研修資料のサンプルは、こちらからダウンロードすることができます!!

■スケジュールを明確にする

関わるメンバーに整理削減実行期間や最終的な締め切り、中間報告の日程などを説明しておきましょう。

また、実行期間の設定ですが、数か月を設定するような長い期間は経験上お奨めいたしません。共有フォルダの整理削減自体は、毎日終日行なったとして数週間、数か月かかるようなものではありません。個人で判断できる範囲であれば1週間集中して行なえばよいでしょう。個人で判断できないものに関しては部署内でスケジュール調整をして一緒に取り組む必要があるため、ある程度の期間を要することになるでしょう。

1か月から1か月半を目安に設定することをお勧めいたします。

その間に中間報告として進捗を報告することを2回程度計画します。業務外の取り組みとなるため、とかく後回しになりがちで、手を付けていないまま時間が過ぎてしまうこともあります。中間報告を設けることによって、実行を促進することができます。

また、締め切りを厳格化することも重要です。締め切りの先延ばしを要求する部署も必ず表れますが、要求を鵜呑みにせずスケジュール管理を行っていきます。

整理削減の実行手順

それでは、実行はどのような手順で行ったらいいのでしょうか。このサイトでも何度か案内していますが、整理削減の手順は大まかに言って次の3ステップです。

1.明らかに不要なファイルを削除する
削減基準に従って明らかに不要なファイルを削除します。選別判断をするファイルを少なくすることで余計な仕事をせずにすみます。
具体的には、ある時期にとっておいたバックアップ、正式な文書は既に出来上がっているけれど残しておいた下書き、インストールするために一時的にコピーしたおいたソフトウェアなどとなります。

2.新しいフォルダ構成を構築する
次に新しいフォルダ構成を全体のルールに則って構築します。今、存在しているものを動かして新しく構築するのではなく、新しいフォルダ構成を別のエリアに作成します。

3.ファイルを移動させる
旧エリアから新しいフォルダ構成のエリアへファイルを移動させます。

ファイルの取扱い事故に備えて

新しいフォルダ構成に移行するにあたって、気を付けなければならないことがあります。それは、ファイルの紛失事故です。間違えて消してしまった、移動させているうちにどこかに行ってしまったなどの事故が起きても復旧できるようにバックアップをとっておきましょう。

1.全体のバックアップをとる
共有フォルダの整理削減実行前の状態をまるごとバックアップしておきましょう。
これは、事務局側で計画して実行するものです。実行前に戻れる保険のようなものとなります。

2.作業時のバックアップの推奨
ファイルの削除や複雑に移動をさせる場合は作業時にその担当者に個別にバックアップをしてから実行することを勧めます。実行マニュアルなどに書いておくとよいでしょう。

3.作業方法の工夫

・迷いフォルダ

削除するかしないか迷った時に紛失事項を恐れて「削除しない」では、なかなか整理削減は実行できません。そんなときのために迷いフォルダを作成して、迷ったらそこに入れて後で見直すようにします。

・作業手順
「整理削減の実行」のところでも手順を示しましたが、現在のフォルダとは別に新しいフォルダ構造を別のところに構築してファイルを移動させるようにします。残ったものは削除すべきものとなります。

結果をまとめて分析する

整理削減実行が終了したら、終了した時点での調査を行い、実行前のデータと比較してファイルの削減率などを確認します。削減目標が達成できたかを評価します。

合わせて、プロジェクト実行における問題点もまとめて課題を整理します。

これらの結果を報告会などで必ず関係者に共有しましょう。

■■ まとめ ■■

今回の実践編では、実際に行う場合の手順をみてきました。

いわゆるプロジェクトマネジメントのセオリーに沿って、体制づくり、情報共有、スケジュール管理などがポイントになります。

当社では、共有フォルダの整理削減実行について、現状調査、ルール策定支援、整理削減実行支援、維持管理支援のサービスを用意しています。ご不安のあるかたは是非お問合せください。


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文書コンサルティング/石川

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