文書管理を成功させる取り組みの実行

2022-10-14
紙文書や電子文書ともに文書管理ルールを見直したり、文書管理システムを導入したり、DXの風も吹いている中、企業では多くの関連した取り組みがなされています。
事務局やプロジェクトチームだけで実行するルールの策定やシステム導入計画などはとても大変なことですが、それらを実践して初めて変革がもたらされます。今回は、実践に関わる障壁について見ていきましょう。


文書管理の取り組みが進まない

■実践にはチカラが必要

文書管理に限らず、取り組みを実践するのは大変です。実際手足を動かすという労働も必要ですし、時間を大量に使ったりしなければなりません。子供の時に習った仕事量の計算は、

仕事 = 重さ × 移動距離

でしたが、ともかくも物理的な動作や時間を要するということで、それが会社全体の取り組みとなれば、たくさんの工数が必要とされます。

■不発になる取り組み

計画は良かったが、その後の取り組みが進まず、結局何も変わらないというのは、日常業務に追われていると起こりがちです。自分の関わっている組織でこんなことはないでしょうか。

定期的に文書管理についての会議を開いて、会社全体の取り組みを協議しているが、各部ともリソースが削られるのを恐れるあまり牽制しあうことで実行案が決まらない。

文書管理ルールが決定されそれに沿って文書を見直しするように要求されているが、現場では日常業務の忙しさを理由に実行自体は先送りされており、実行自体が自動消滅する可能性がある。

情報共有データベースシステムを導入したが、移行するデータの精査がネックになり、各部からデータが提供されず、結局使われない。

進行を阻むチカラ

それではこれらの進行を阻んでいるのはどんなことなのでしょうか。変革後の状況が共有しきれておらず「実践」に自分のリソースを使うのは損であると感じてしまうことや変革が自分を追いやってしまうのではないかという恐怖感によることがあげられます。

■リソースを提供するのは損だという思い

リソースを提供するのは損だという思いには次に示すようなことがあります。

・自分の(もしくは自分の部署の)リソースを使いたくない。
・(たぶん)他の部署もやっていないのになんでやらなきゃいけないの?
・やってもあんまり自分にとってメリットがないと思う。
・こういう時にいつも自分に負担が集中してしまう。
・今、自分のリソースをいっぱいいっぱい使って仕事をしているのに、この上、何をさせようとするのだ。

■変革自体への抵抗感

変革自体に抵抗感は、自己の存在意義に根差しているようです。

・新しくルールが決まるとか新しいシステムが導入されるとか、じゃあ、自分のやってきたことは何だったのか。
・変わりたくない、自分を変えたくない、自分のポジションを冒されたくない。

文書管理を実践・成功させるにはどうしたらよいのか

では、次から実践・成功させるポイント見ていきましょう。

1.危機感を共有する
「いまここ」では日常業務で忙しいためどうしても、時間がない、やりたくないが優先されてしまいます。
文書管理が後回しにされるのは「いまここ」問題ではないためです。そこで将来的にどうなるかを問題意識を意識を共有しておくのが良いでしょう。具体的には、以下のようなことがあげられます。

・リモートワーク等で必要な文書を共有できない。
・DXの推進ができず、他社に遅れを取ってしまう。
・情報漏洩リスクがある。

2.プロジェクト支援体制を整える
体制をしっかりと整えておくことも必要です。各部門に責任者(部門長クラス)と具体的な仕事をする担当者を置き、事務局と連携を図るようにします。
外部に相談できる相手を持つと事務局担当者の負担も軽減できますし、無駄なくプロジェクトが進められます。(コンサルの導入など)

3.ビジョンの重要性
文書の整理や削減するのは日常業務の中で進めていかなければならないため大変です。

現場では、目の前のことを片づけるので精一杯。うまくいかなければなんでこんなことをさせるのだと恨み節に。。でもそもそも社内統一のルールの必要性を感じる人が多かったし、このプロジェクトに賛成だった。。

くじけがちな文書管理活動を支え、マインドを思い起こすために、ビジョンを文書化して目につくところに置くと効果的です。紙文書であれば整理するキャビネットの扉や、電子文書であれば毎日見るグループウェアのホーム画面などがお勧めです。

4.ビジョンの周知徹底
文書管理活動に関して説明会を行ったり、期間中に下火にならないように事務局は現場に声をかけましょう。繰り返すことが大事です。習慣になってしまえばこちらのもの。

そして、1から4までは、プロジェクトが始まる前にわかりやすくまとめて説明会を行うと良いでしょう。ただし、人は忘れやすいものです。1度や2度では決して伝わりません。
説明会で説明したくらいでは変化を受け止められないのです。
伝えたければあらゆる機会で定着するまで繰り返しましょう。

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お客様から生じている問題などをヒアリングした上で、最適な研修メニューをご提供します。

またご要望の内容以外にも文書管理の基本的な知識やルール、紙文書や電子ファイルを整理するためのグループワークなどもご用意し、文書管理に関するメリットを伝え、社員の意識を高めます。

5.小さな成功を積み重ねる仕組みを作りましょう
整理削減の場合は、部分的な実行とその完了をわかりやすく提示することにより、完了感を部門内に共有できます。
具体的には、進捗表などを使って進行度を明確にして、関係者に共有します。

例:達成しやすいセグメントに区切って進捗管理理する。
  全社的に進捗確認をする時期を決めて結果を公表する。

紙文書の場合の例

整理対象キャビネットに個票を貼って状況を見える化した例となります。
個票に担当者や完了しているかどうかの情報を書き込みます。キャビネットを開けなくてもわかるように、このような個票は外側に貼りましょう。

電子文書の場合の例

フォルダ毎に担当者を決めて整理します。
左はファイルサーバーなどのフォルダイメージですが、これらのフォルダに対して担当者を一覧表にしたものを作成して、容量などの情報を書き込んで進捗を管理します。

文書管理を実践・成功後はPDCAサイクルへ

ここまでが整理削減期間で行うことです。

この後はせっかく行った活動を将来的に続けて行けるようにしていきましょう。
PDCAの仕組みを作り、改善を積み重ねるようにします。
下記の記事は、文書管理の維持管理について書かれています。

■■ まとめ ■■

文書管理を実践・成功させるポイントは以下のとおりとなります。

  ・危機感の共有
  ・プロジェクト支援体制を整備
  ・ビジョンの共有と周知徹底
  ・小さな成功を積み重ねる

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文書コンサルティング/石川

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