電子文書の管理のためのマニュアルの作り方

2022-6-10
日を追うごとに増加する電子文書(ファイル)の取扱いに悩み、そのルール化や取扱いマニュアルの作成を検討する企業が、毎年増えてきています。今回は、電子文書の管理のためのマニュアル作成について取り上げます。

ファイルサーバーやクラウドドライブなど共有フォルダにある文書についての課題

■紙文書よりも電子文書の比重が毎年上がっている

文書の原本と言えば、以前は紙文書でした。パソコンで作成した文書を紙に印刷して、それに印鑑を押したものが原本であり、それを期限まで保管する。。。契約書などはまだ紙文書運用されている場合もあります。しかし、その契約書に関しても電子契約を採用するところが多くなり、新規で紙の契約書を作成することは大分減少してきているようです。

また、文書の閲覧に際しても、コロナウィルス感染拡大を受けて、リモートワークが増えいつでもどこでも閲覧できるよう、紙文書をデジタル化して電子化文書とした例も多くあります。

さらに、電子帳簿保存法をきっかけとして、文書を電子のまま保存することが当たり前となり、環境問題の観点からも紙に出力することはエコに反するとみなされるされるようになりました。

■電子文書の管理が課題に

そうすると、今度は電子文書が増えていきます。
電子文書そのものが原本となることもあり、必要な人がアクセスできるようなストレージにないと探せませんし、ライフサイクル管理もしっかり行っていかないとファイルばかりが増加してストレージコストがかさみます。
多くの企業が抱えている主な問題は以下のとおりです。

・無法地帯
ストレージを部署毎に割り当て、管理を任せてきたため、管理のルールがまちまちである。

・探せない
フォルダ構成に統一したルールがないため、目的のファイルを探すことができない。

・ディスク容量が足りない
いつも、ストレージ容量が足りない。退職した人のファイルなどなかなか削減できない。コスト面から、申請のとおりストレージ容量を増加させていくことはできない。

これら電子文書の問題の解決には、ルールを整えることやそれを実践することが必要となります。

電子文書の管理の全体像から見たマニュアルの位置づけ

弊社へのお問合せで「文書管理マニュアルを作成したい」ということをよく伺います。マニュアルを語る前に、文書管理のルールとマネジメントの関係を確認してみましょう。


■電子文書のルールとマネジメントの関係性

下の図は、電子文書のルールとマネジメントの関係性を表しています。

電子文書のルールとマネジメントの関係性

この図の左側がルール、右側がマネジメントとなっています。
ルールは、主に会社全体で考え、会社や事業の在り方などビジネスの視点で検討します。ここには文書管理規程を頂点として、その下位ルールであるガイドラインと続きます。

規程はわかるけれど、ガイドラインって何?と思った方、こちらに詳しく解説しています。
現場での実践はマネジメントになります。ルールに沿った形で現場で日常業務の視点で実践していきます。

マニュアルは、ローカルルールも含めて示したものとなり、ここでは左のルール側においていますが、かなり実践に近いものです。ルールと実践をつなぐものと考えてよいでしょう。

■目的別にマニュアルを準備する

また弊社では、より具体的で実践的なものが求められることから、マニュアルはその目的に合わせたものを個別に作成することを推奨しています。

その一つは「部署別マニュアル」です。各部署で業務に合わせてガイドラインに沿ってマニュアルを作成していきます。

次に、「イベント別マニュアル」があります。これは平時で使用するのではなく、移転するためにペーパーレス化するとか、管理体制構築のために全員参加で削減活動をするとか、特定の目的達成のためのマニュアルです。

■課題解決の事例

ここで課題解決の事例を紹介します。

■全社的なルールを策定

文書管理のための全社的なルールを総務部、法務部、情報システム部門で検討し、文書取扱規程の改変と文書管理ガイドラインの策定を行いました。全社的に行うものはここまでとして、ガイドラインを各部門に配布し、マニュアル作成を働きかけています。

■研究開発現場での電子文書管理を実践

こちらは全社的なものではなく、研究開発部門という範囲でのローカルルールの策定とそれに沿った整理削減を実践しました。成果物はローカルなガイドラインですぐに実践に使用できるものとしました。上記の図でいうとガイドラインとマニュアルの中間であるようなものとなりました。

このガイドラインに沿って管理しているストレージのフォルダ構成の見直しや整理削減活動を実践しました。また、維持管理のために監査を半年に一度入れてPDCAを回しています。

電子文書管理マニュアルへの記載事項

ここからは、電子文書管理マニュアルに記載するべきことを解説していきたいと思います。

①目的

なぜ電子文書の管理を行うのかということをマニュアルを読んでいる人と共有します。マニュアルがなかった時代を知っている世代ばかりではなくなってくるため必ず入れましょう。

②体制

ルールとともにそれを実践する体制も必要です。体制図とその役割を示しましょう。

体制図の例

③ライフサイクル管理

文書の発生、処理、保管・保存、廃棄について記載します。

・保管先を明確に示す
社内には様々なシステムがあり、保管先も多数あります。どこに何を保管するべきかをマニュアルでは具体的に示しましょう。

・廃棄基準を明確に示す
廃棄基準がないと捨てることができず、ファイルはどんどん増えていきます。また、逆に大事なものがご廃棄される可能性もあります。表やフローチャートにするとわかりやすいです。

廃棄基準を示した例

また、電子文書は複製することが容易ですが、保管・保存の段階では必要以上に複製を増やさないようにすることがポイントです。

・廃棄の方法を明確に示す
メディアなどに保存されたデータは物理的破壊が必要です。その場合の手順なども示しておきましょう。

④ネーミングルール

フォルダ名やファイル名のネーミングルールと、その具体例を示しましょう。

⑤イベント別マニュアルの注意点

文書削減活動や電子化などイベントの目的によって作成されるマニュアルの場合は、人によって活動内容がぶれないように、また、期限も決められています。そのため、プロジェクト推進に必要な要素を含むようにしましょう。

・プロジェクトのゴールは何か
例えば、文書削減活動の場合、「電子文書50%の削減」などと削減率などを示します。

・実施体制
通常の文書管理体制をそのまま実施体制とする場合もあります。事務局をどの部門で行うか誰がやるかなども名前まで明確にしておきましょう。また、コンサルタントや他の企業の協力を得る場合には、その位置づけと窓口となる人もわかるようにしておきましょう。

・スケジュール
イベントには期限がありますので、そのスケジュールも示します。例えば、いつまでに文書を選別するか、いつまでに廃棄メディアは回収先に持ち込み可能かなどを示します。

・その他イベントの特記事項
ここはイベントによりますが以下に例を示します。
電子化であれば、社員自ら電子化をする場合の電子化仕様(解像度、ファイル形式)、外注する場合の依頼方法など示します。
ストレージ移転による削減であれば、ファイル移動手順などを示します。


このようにマニュアルは、読み手がアクションを起こせるように具体的に記載します。もう少し、普遍的なルールを検討したい方は、マニュアルの上位のガイドラインと検討するとよいでしょう。


■■ まとめ ■■

増え続ける電子文書(ファイル)は、適切なルール設定とそれを継続的に実行するマネジメントが必要です。
マニュアルを作成する場合は、すぐにアクションを起こせるような実践的なマニュアル心がけましょう。

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文書コンサルティング/石川

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