BCP対策に不可欠なバイタルレコードマネジメント

バイタルレコードは、「企業の存続に関わる文書や代替情報が他に求められない文書」のことです。予期せぬ災害が発生する昨今、バイタルレコードの管理について点検しましょう。

バイタルレコードとは?

バイタルレコードとは、「企業の存続に関わる文書や代替情報が他に求められない文書」のことです。

-- 経済産業省:企業における情報セキュリティガバナンスのあり方に関する研究会 報告書(参考資料)事業継続計画策定ガイドライン より

バイタルレコードが滅失するとどういうことが起こるか

バイタルレコードマネジメントは、今まで災害が発生する度に事業継続計画(BCP)策定とともに検討されてきました。
過去の災害では、復旧に時間を要してしまい経営問題になったケースが多く見られています。
平成7年の阪神淡路大震災、平成16年の新潟中越地震、平成19年の新潟中越沖地震、そして、平成23年の東日本大震災では、多くの事業所が災害に遭い事業継続の危機に瀕してきました。
では、バイタルレコードが滅失するとどんな問題が起こるのでしょうか。

■収益への影響


本業の機能不全による直接的な影響もありますが、請求書発行遅れなどによる間接的な影響も発生します。
施設や設備など復旧や復元に関するコストもかかります。例えば、その人件費や復旧のための資材の購入などがこれにあたります。
この時、必要な情報が手元にない状況では、復旧に時間を要し、その分のコストも増大します。

■法令順守・説明責任能力の喪失


法令文書や契約書のなどの喪失は、権利・義務、債権・債務が不明確になり、訴訟対応に支障が発生したり、権利や正当制を主張することが難しくなってしまいます。
また、記録が失われればステークホルダーへの説明が不能となり、説明責任が果たせなくなります。

どんなことが起こり、どんな文書が必要になるか、考えてみましょう

次に災害時にどんなことが起こるかを2つのシーンで考えてみましょう。

【シーン1】大災害になった時を考えてみる


大地震の発生を想定してみてください。建物も設備も大きく損傷しています。事業を再開するためには次のような情報が必要になるでしょう。

■設備の図面:
設備が損傷した場合、その設備を修理したり再発注するために使用します。

■事業場に必要なものを揃えるための手配用の情報:
建物が著しく損壊されていて復旧ができない場合、他の場所であるいは同じ場所で事業を再開するためには、設備調達のための情報が必要になります。

■仕様書:
代替生産をしたり、業務委託する場合に必要です。

【シーン2】ライフライン停止状態になったら


電気や水道、ガス、そして通信の停止があれば業務継続は困難です。また、道路損壊となれば物流停止も発生します。

・電気の供給がままならず、電源が入らなければ社内のコンピュータにあるデータにはアクセスできません。このため、すぐに利用しなければならない災害対策マニュアルなどは紙で保管しておく必要があります。

・もし、非常用電源があれば設備を利用することができます。しかし、非常用電源は限られた資源のため、重要な設備の順番に、データやシステムを含めて優先順位をつけていくことが必要となります。

・会社に赴くことが不可能であれば、社員は在宅を余儀なくされます。在宅テレワークとなった場合に必要な情報にはアクセスできるようになっていなければなりません。

現在、新型コロナウィルス(COVID-19)の蔓延でテレワークを余儀なくされている企業も多いことと思います。
必要な情報が紙文書だった、セキュリティが心配などの問題があり、日ごろから、以下のような文書管理の基本をしっかり押さえておくことが必要です。

・計画的電子化の推進
・電子文書を含めた文書管理ルールの見直し
・文書のライフサイクルに基づいた管理
 (廃棄までを責任を持って行う)

バイタルレコードマネジメントのポイント

では次にバイタルレコードマネジメントのポイントを押さえて行きましょう。
ポイントは以下の4つとなります。
    1.バイタルレコードの定義を決める
    2.バイタルレコードを選別する
    3.バイタルレコードを保管する
    4.マネジメント体制を作る


1.バイタルレコードの定義を決める

バイタルレコードはその用途によって種類が分かれます。一般的なものは以下のとおりです。

①不可欠情報記録
 会社を法的存在として存続させるために法律で必要とされている基本的な文書です。
 災害発生時には、直ちに用意できないと企業活動の再開が困難になるような情報です。
   例:定款、登記証、取締役会議事録、株主総会議事録

②重要記録情報
 資産やそれに関連する重要な文書です。
 訴訟対応や問題解決のための権利、正当性を裏付けるために必要な情報です。
   例:会計監査報告書、財務諸表、契約書

③有用記録情報
 日常の業務に必要な文書です。
 災害発生後、業務を測罪に再開するのには役立つが、
 企業活動の再開に不可欠というほどではない情報を指します。
   例:人事記録、顧客名簿、受発注書

④一般記録情報
 ①②③以外の文書で、業務レベルの情報を指します。
   例:連絡文書等
バイタルレコードなどについては、次の記事でも説明されています。

2.バイタルレコードを選別する

①~④までの分類でどこまでをバイタルレコードとするのか、また、個別の文書についてバイタルレコードの選別を行い、結果をリスト化します。
「JIIMA 危機管理を目的とした文書・記録管理ガイドライン」2011年10月12日 より

契約書の処理伝達プロセスについて、社内では契約書の承認(稟議処理)、社外では契約先との締結処理(発信、押印など)の効率化について説明しています。

3.バイタルレコードを保管する

選別されたバイタルレコードは、それぞれ必要なシーンに合うように保管する必要があります。

■保管場所


紙文書:火災や水害などから守ることのできるキャビネットの導入や、水害の恐れがある場合は、高さを考慮した保管場所を選択します。

電子文書:サーバー室の設備や場所を考慮します。東日本大震災の津波でオンプレミスのサーバーに水が入り多くのデータが失われました。それ以降、クラウド保管も注目されています。

■データの冗長性


・電源が利用できないことを考えて、紙で保管しておく必要のあるものを検討します。主に災害発生時にすぐに利用する文書です。「災害対策マニュアル」等が該当します。

・契約書の原本は紙文書でキャビネットにしっかりと保管されていますが、2重化することを検討します。多くの企業で原本は安全性の高い倉庫へ、その利用は電子化された契約書で行うことを実施あるいは検討しています。

・重要情報が入っているサーバーは2拠点以上で管理する必要があるかを検討します。

・電子情報は、データ喪失の許容範囲を鑑みて、目標復旧ポイントであるRPO(Recovery Point Objective)を設定し、計画的にバックアップを行います。

契約書の処理伝達プロセスについて、社内では契約書の承認(稟議処理)、社外では契約先との締結処理(発信、押印など)の効率化について説明しています。

4.マネジメント体制を作る

バイタルレコードマネジメントは、一度だけ構築すればよいものではありません。継続的に行うために体制を作っておきましょう。

文書選定の見直し


会社を取り巻く環境や、事業も変化しますので、バイタルレコードの見直しは、文書管理の毎年の見直しとともに行う必要があります。

実施体制


文書管理、キャビネットや倉庫契約、情報システム、BCPなど関係部署が横断的となりますので、体制を作っておきましょう。

■■ まとめ ■■

バイタルレコードマネジメントは、災害時に会社を助けます。
文書管理の中に組み込んで実践していきましょう。

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