文書管理とリスクマネジメント

「組織の知カラ」サイトからは、お客さまのご相談を多数いただいておりますが、文書、情報、記録に関するリスクを感じ、文書管理導入を真剣に検討するきっかけになっているようです。
高度成長期と比較して企業を取り巻く環境が厳しくなっていること、文書に関する問題が毎日のように報道されていることなどから関心が高まっているものと思われます。
今回は、リスクマネジメントの視点から文書管理を考えてみます。

文書管理の導入状況(当社への問い合わせから)

ますは、文書管理導入に関しての相談の傾向を紹介いたします。

■文書管理を導入したことがない
会社の創立が比較的新しい場合には、文書管理導入はこれからという企業も多く、企業をスタートしてとにかく走り続け、ある一定のところまで行くと社内の整備の必要性を検討し始めるケースがあります。

■過去に文書管理を導入したが継続されていない
ある程度の企業の歴史があり、文書管理の重要性は意識しており、過去に導入した経験のあるお客さまからは、導入しても継続ができなかったため、再度検討されていらっしゃるためご相談をいただくことが多いです。

具体的には、
  ・文書管理規程などのルールが残っているが、運用されていない。
  ・ファイリングシステムを導入したことがあるが、個人差のあるまま継続されている。
  ・文書管理システムを導入したが、活用されていない。

などということです。

思い当たるご担当者も多いのではないでしょうか。

企業を取り巻く環境が変化してきている

過去よりも現代の方が企業を取り巻く環境が厳しくなっています。

そのためのリスクマネジメントとして文書管理、情報管理が特に求められてきています。例えば、グローバル化によって海外でのビジネスを行う企業が増えてきました。インターネットの普及によってそのハードルは低くなり海外ビジネスは会社規模がそれほど大きくなくとも実行できるようになりました。しかし、その反面、そのリスクに備える必要が出ています。

また、以前のように企業の風土も変わり、終身雇用前提の採用体制から変化し、人材の流動も活発化し、企業への帰属意識も以前のように高くありません。企業は、外部からだけではなく、内部から情報を守る必要が出てきています。

さらに、特に東日本大震災後の日本では、災害リスクに対しても積極的に対処する企業が増え、BCP対策バイタルレコードの管理も関心が高くなってきています。

こういった社会環境の変化で高まっているリスクが多数ありますが、次はそれら各リスクと文書管理の関わりを見ていきましょう。

訴訟の観点から

■訴訟のリスクは増えている
海外での事業拡張など異なる文化圏での事業活動の機会が増えてきたり、トラブルを解決する手段としての訴訟が米国ほどではありませんが日本でも浸透し始めています。このため、企業の訴訟リスクは以前よりも増加していると考えられます。

■文書管理は証拠の収集を助ける
訴訟には立証活動が必然となります。この立証活動では証拠の収集を行うわけですが、これが文書管理が行われているかどうかに大きく関与してきます。簡単に言えば、文書管理がきちんと導入されていれば、証拠の収集にかかる時間が節約され、ひいては社内コストや弁護士費用も圧縮することができるということです。
証拠として利用されるのは、業務の記録や相手との交渉の記録(議事録など)などです。これらがすぐに取り出せるように正しく保管されていれば問題はありませんが、もし、なければ関係者にヒアリングをしていかなければなりません。
また、訴訟の場合には関係文書が廃棄されたり散逸するのを防ぐために留め置いておかなければなりません。文書管理体制ができていなければ、それらもうまく伝達されないことになります。

■記録を作成する、記録を管理する
このような記録に関するルールがなければ、記録があったりなかったりということも起こりえますし、記録はあっても探せなかったということにもなりかねません。属人化という言葉がありますが、「○○さんだったら持っているよね」とか「○○さんが辞めてしまったからわからない」とか、社内でよく話されることはないでしょうか。このような状態では訴訟などの差し迫った場合に適切な対応はできないのです。
文書管理の導入で、どの人が担当であっても必要な記録を残し、必要な記録を探し出すことができるようになります。

BCPの観点から

■災害に備える重要性を認識
東日本大震災が発生する前は、災害は極めて起こりにくいという風潮がありました。た問えば、あと100年以内に大地震が来るというニュースを聞いてもその確率は個々人においては低く感じられていたのではないでしょうか。しかし、あの震災後同じニュースを聞いても真に迫る感覚は変わってきているのではないでしょうか。
また、自然災害以外に他国(米国など同盟国)でのテロの発生などを見ても、政治的社会的な要因で事業活動の継続が阻まれることあることを認識していくことが求められています。
これらは、備えがあればある程度被害を小さくできることは、震災後の振り返りで証明されています。

■事業を継続するための情報アクセスができない
もし、災害で文書・情報が全て失われたら、事業は継続できなくなるでしょう。全てではなくとも重要な情報が失われたら同じ結果になります。では、事業継続を可能とする重要な情報とはそれぞれの企業にとって何でしょうか。

事業を継続する上で必要不可欠な記録や文書をバイタルレコードといいます。
経済産業省の「事業継続ガイドライン」には、下記のように書かれています。
------
特に、企業の存続に係る文書や代替情報が他にも取られない文書(バイタル・レコードと呼ばれる)が失われると、事業に支障を来すことから、そうした文書の特定、複製化や分散管理などの管理方法の検討、緊急時の利用・活用手順の検討などを望まれる。
------
業種によって異なりますが、取引先や顧客の名簿、その企業独自のノウハウや技術の情報などが該当します。

■重要情報を管理する仕組みをつくる
企業内でのバイタル・レコードの定義、指定、管理の徹底は、災害が発生してからでは間に合いません。常日ごろからこれらの取扱いについて意識し、メンテナンスを行っていくことが必要です。
文書管理は、この管理の仕組みを支えます。

内部統制・コンプライアンス・説明責任の観点から

■記録は変更できない
ジョージ・オーウェルというイギリスの作家が書いた小説「1984」をご存知でしょうか。この小説は1949年に出版され、その未来である1984年にどのような社会になっているかが描かれています。ディストピア小説の代表的なものとして位置づけられ、とても絶望的な気持ちになってしまう小説です。
中でも一番絶望的であると私が感じたのは、歴史の改ざんでした。真理省というの公務員の仕事の一つに歴史を修正する仕事があり、どういうものかというと、国が法律などの制度を変更するのですが、それは初めからそうであるということにするために過去の歴史を改ざんするのです。そうすれば、法律などの変更は最初からそうだったことになり議論の余地もなくなります。そして、国民はそれを受け入れるように強制され、自分でメモを残してはいけないのです。
■記録は変更できない
ジョージ・オーウェルというイギリスの作家が書いた小説「1984」をご存知でしょうか。この小説は1949年に出版され、その未来である1984年にどのような社会になっているかが描かれています。ディストピア小説の代表的なものとして位置づけられ、とても絶望的な気持ちになってしまう小説です。
中でも一番絶望的であると私が感じたのは、歴史の改ざんでした。真理省というの公務員の仕事の一つに歴史を修正する仕事があり、どういうものかというと、国が法律などの制度を変更するのですが、それは初めからそうであるということにするために過去の歴史を改ざんするのです。そうすれば、法律などの変更は最初からそうだったことになり議論の余地もなくなります。そして、国民はそれを受け入れるように強制され、自分でメモを残してはいけないのです。

ありがたいことに、1984年は過ぎましたが、現代においては、健全な企業経営の基本として、自ら課した命題や規範を設定して守り、自己点検を行い改善していくことが求められる社会となりました。記録とその管理が重要であるのは言うまでもありません。
また、企業には説明責任があります。ステークホルダーに対して、企業活動の合理性を説明するために記録とその適切な管理が必要になります。

■文書管理導入で防ぐことができるリスク
企業の健全な活動を促すためにも、文書管理という文書の発生、保管・保存の仕組み構築することは経営基盤を確固とすることができるでしょう。



このように文書管理、情報管理はその企業の業種や規模を問わず、会社を守るためには必然なものと言えます。導入を検討してみませんか。

コンサルティング事業部/石川

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