文書管理を継続的に推進する方法

文書管理は、どんな業務にもどんな組織にも必要です。一時的な片付けにとどまらず、それは継続していかなければなりません。今回はその方法の1つとして「文書管理キャンペーン」 を取り上げてみたいと思います。

文書管理キャンペーンとは何か

文書管理キャンペーンとは何でしょうか。それが文書管理の維持継続とどのように関連するのでしょうか。
文書管理キャンペーンとは、ある一定期間内で組織が文書管理に取り組むイベントを指しています。集中的に削減や整理を行うことで、効率的効果的に結果を出すことができます。

文書管理キャンペーンは、PDCAの中では「Check(確認)」に該当します。

イベントですから、全員を巻き込んで一体感を持って行うことが成功させるコツと言えるでしょう。
キャンペーンは、日常業務に加えて行われますので各社員に負荷がかかります。このため、行う期間も検討しておかなければなりません。

キャンペーンはいつ行えばよいか

もし、御社の年度末が3月末であれば、9月から11月ぐらいが適切な時期と言えるでしょう。
年度末の3月はとても忙しく、年度始めの4月もその余波でなかなか、組織変更があれば引き継ぎも、5月はゴールデンウィークで営業日数が少ないし、6月は株主総会で文書主管課が忙しい。。。7月に計画を立てて、8月に準備をするということになると、9月開始が可能となるわけです。


スケジュールの例

文書管理キャンペーンの目的

文書管理キャンペーンの目的をここで押さえておきたいと思います。

■目的その1:年に1度の整理整頓
  ・文書の削減
   不要な文書を廃棄し、全体量を減らします。
  ・置き換えと移し替え
   執務室やファイルサーバーにある古い文書を倉庫やアーカイブサーバーに移動させます。
   具体的には、
     保管(執務室)から保存(倉庫)へ
     保管(サーバー)から保存(アーカイブ)へ
   ということになります。
  ・保存期間満了文書の処理
   保存期限が過ぎた文書について、廃棄します。歴史的価値のある文書については別途保存します。

■目的その2:社員の文書管理に対する知識や意識を確認する
  ・研修や点検シートを利用して、社員の知識の向上や意識を高めます。


維持管理キャンペーンの方法

では、維持管理キャンペーンをどのように行ったらいいのでしょう。
その方法は次のとおりとなります。

(1).キャンペーンの計画をする
キャンペーンを実施する側がまずは計画を作成しなくてはなりません。計画は実施要領にまとめて社員に配布できるものにします。
  ※実施要領のポイント
    ・体制
    ・スケジュール
    ・目的、目標など

(2).基本的な教育をする
社員のみなさんが同じ基盤に立って、削減や整理をするためには教育が必要です。その方法として、社員を対象とした研修を行います。研修内容としては、文書管理の目的やメリットの共有、あるべき姿の共有、削減の基準、文書分類の考え方、キャンペーンそのものの実行要領などになります。

(3).実施中のフォロー
実施要領を配布して、基本的な教育をして実行となるわけですが、現場は想定外の問題を抱えていることがあります。
そのため、困ったときの問い合わせ先などを決めておき対応できるようにしておくと実行がスムーズになります。
また、事務局が自ら現場に出向いて定期的に様子を確認すると、着手が遅れている部署に対して牽制が利き、スケジュールの遅れを防止することができます。

キャンペーンの評価

最後にキャンペーンを振り返ります。
この時は、数値的な指標を使い、客観的に評価できるようにします。

 ・文書管理の意識は高まったか。
 ・文書の減量はできたか。
 ・業務効率を上げることができたか。

などの目的に対する目標の達成具合を評価します。 

評価を行うためには、計測が必要です。また、事前の計測を行っておかないとその差を確認できません。予め計画の中に入れておきましょう。

コンサルタントを使ってみる

ここに述べたような手順で行っていくわけですが、文書主管課が自ら計画、教育、フォロー、評価を行うのはなかなか大変です。やり方を学ぶところから始めなくてはなりません。準備に時間がかかり過ぎることもあるでしょう。

そんなときは外部の力を取り入れてみることをお勧めします。

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