文書管理を行う上でファイリングシステムは、とても適切な管理方法です。
港区役所様では、約30年前の平成元年にファイリングシステムを導入し、以降、運用されてきました。しかし、ファイリングは一度導入したからといって、そのまま永続的に続くものではありません。港区様では文書管理を継続的に適正化するため、ファイリングシステムの点検と改善に取り組んでいます。
港区役所 芝地区総合支所
■文書を必要なときに取り出せるよう保管する 現在の庁舎が建設され、そこでの業務が開始された平成元年、港区役所様は情報公開制度と共にファイリングシステムを導入されました。当時は、文書管理やファイリングなどについては、現在と比較して理解を示す方が少なかったため、その意義についての啓蒙活動を行い、導入を進められました。
約30年前にファイリングシステムを導入したとは言え、経年とともに行政サービスの要求や新たなリスクへの対応など常に新しい課題に対応していかなければなりません。
文書管理を通じて、行政サービスの更なる向上を図るべく、右の課題をあげました。
この課題への対応策として、文書管理コンサルティング業務を弊社が受注し、支援させていただきしました。組織内での問題意識を高め、個々の取組の動機づけを行う目的での「研修の実施①」、キャンペーンの効果測定と意識付けを測る「キャンペ-ン実施前点検②」、お客様が「文書削減や職場環境の改善を図るキャンペーン③」の実施後の成果確認のための「実施後点検④」を行い、結果の集計から効果測定と現場へのヒアリングを含めた「事後調査⑤」行いました。
①研修の実施 主に各課のファイリングリーダーを対象として、文書管理に対する職員の意識改善、部門単位での改善活動への取組を推進し、執務室内の紙文書の削減・整理を進めることを目的で文書管理適正化研修を実施しました。約80人の職員の方がこの研修を受講しました。実施内容は、**(1).文書管理の基礎知識 (2).整理整頓の具体的手順 (3).文書の分類方法**などです。③の文書分類については、手順や手法を習得するためグループディスカッション形式による体験型講座を実施しました。この体験型講座では、文書分類の際に必要とされる各課メンバー間のコミュニケーションの重要性を体感いただけたようでした。
取組のスケジュール
②キャンペーン実施前点検 キャンペーンの実施前に各課の全職員に点検項目について「できている」「できていない」を確認しました。各課ごとにそれらを集計し、特に出来ていない項目に対して改善をすべく目標を定められました。
点検項目の例(一部)
文書管理適正化キャンペーン
実施計画書兼報告書(用紙)
③文書削減や職場環境の改善を図るキャンペーンの実施 研修内容と実施前に立てた目標を踏まえて、全員参加でキャンペーン週間中に改善に臨み、紙文書とファイルサーバー双方について整理を実施されました。
整理のポイント
④キャンペーン実施後点検 キャンペーン実施後に再度、同じ点検項目で確認を行い集計をしました。
⑤事後調査 キャンペーン前と比較することで効果測定を行いました。さらに、この測定結果もとに現場でのヒアリングを行い、結果を報告書にてまとめました。
個人の机回りの状態
■取組の結果 取組の結果、不要文書の削減、個人机回り・共有スペースともに整理整頓がなされ、検索時間の短縮、職場環境の改善、情報公開・リスク管理の徹底という効果につながりました。
■更なる改善に向けて H28年についても文書管理適正化の必要性から、継続的に研修、点検、キャンペーンなど実施し、更なる改善を目指されています。
港区は、昭和22年3月15日に、それまでの芝区・麻布区・赤坂区の旧3区が統合して誕生しました。日本のビジネスの中心である虎ノ門・新橋・芝などの地区、大使館や外資系企業が集まる麻布・六本木などの地区、おしゃれなショップが立ち並ぶ青山・赤坂などの地区、高級住宅街の高輪・白金台などの地区、芝浦・港南・台場などの大規模開発地区に分けられます。また、東宮御所・迎賓館(赤坂離宮)、芝公園・白金台の自然教育園など緑豊かな地域もあります。
港区役所は、平成18年に区民に信頼され、身近で便利な区役所・支所の実現をめざし、総合支所を中心とした区政運営に転換し、芝・麻布・赤坂・高輪・芝浦港南の5地区に総合支所が設置されています。
整理整頓は個人のレベルでも出来ますが、文書管理は、全員参加で行うことでその効果が表れます。港区役所ではキャンペーンを企画することで職員全員を巻き込んだ形での文書の整理、削減を行っています。そして、キャンペーンの前には、職員の意識を高める研修、キャンペーン前後の点検を行うことで効果測定も行います。
研修では、文書管理の意義(誤廃棄、情報漏洩などのリスクや職場環境の改善)と整理の実践方法をお話してもらい、参加者の文書管理への認識が深まりました。
研修後に、いつも散らかった状態で仕事をしていた職員が、「デスクの状態と仕事のパフォーマンスは連動するから。」といって、突然片付けを始めたのには大変驚きました。
また、研修では文書の分類作成について、グループディスカッションを行いましたが、参加者からは、「文書管理にとても苦戦しているので、ディスカッション等を通じていろいろな考え方を知ることができた」、[グループディスカッションで分類することの難しさや面白さがわかった」などという感想が聞かれましたので効果的であったと思います。やはり、研修では事例を多く持つ外部講師を入れる意味があると考えています。
1年間のコンサルティングを通して、最後には現状と改善点を報告書として提出していただき、次年度以降の計画策定の参考資料としています。 (港区役所様)
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