契約書ファイリングの効果的な方法とは?

契約書は外部監査などで閲覧を要求されて提示することが多い文書の1つです。なかなか探し出せなくて、監査人を待たせてしまったりすることはないでしょうか。こんな時にすぐに取り出せたら。。と考える方が多いようです。

契約書の効果的なファイリング

契約書に限らずファイリングはその組織のメンバーが合意しているルールに基づいて運用します。多くの組織で合意が得られるのは仕事の流れに沿った分類ですが、さまざまな「まとめ方」がありますのでまずはこれらを見ていきましょう。

①名前別整理 契約相手先の名前や、担当地区、対象となる商品名などでまとめます。   例:契約相手先の名前で分類した場合

②主題別整理 その文書に何が書かれているかでまとめます。テーマ毎にのまとめ方になります。契約書の場合は、契約書の内容の種類によって分類するのが該当します。   例:業務毎に契約書を分類     施設設備、情報システム、電話・通信。。。

③形式別整理 その文書の形式でまとめます。契約書は、それで一つの形式と言えますが、さらにその中でも形式によってまとめる方法があります。 例えば、あるBtoCサービスを行っているお客様は、個人毎にそのサービスの契約書を管理していいますが、それ以外の契約の場合は分けて管理しています。   例:水泳教室をサービスしている場合に管理している契約書     (水泳教室の契約書は、用紙自体が定型となっている。)

④標題別整理 文書に書いてある標題をそのまま分類のタイトルにする例です。 契約書の場合は、件名順に並べることになりますが、件名は長いし、件名の最初の文字列が必ずしも検索したい言葉でない場合が多いため、一般的には契約書には不向きな整理方法かもしれません。 ただし、件名は契約書を特定するためにインデックスとして重要な項目です。

⑤一件別整理 案件毎にその案件の始めから終わりまでをまとめます。大きなプロジェクトなどの場合はこの方法でまとめると便利です。   例:

⑥数字別整理 年や月、期などで分類する方法です。毎年発生する契約書などは、年度毎にまとめると便利です。   例:平成27年度、平成28年度、・・・・

ここまで見てきたように、利用する人たちがどう契約書にアプローチするかが、整理の方法につながります。どう考えてアクセスするのかということです。

各整理方法の比較をしてみると

各整理方法の契約書管理でのメリット・デメリットをまとめました。

実際どんな風に管理している?管理方法の事例を見てみよう。

今まで見てきたように、それぞれの整理方法にはメリットとデメリットがあります。実際は複数の整理方法を組み合わせて目的の契約書にたどり着けるようにしています。

※継続的な得意先があるような業種の場合 ある程度得意先が決まっていて継続的に契約を行っている場合は、契約先名でまとめ、その契約先でまとめたものをさらに年度で分ける例

①名前別整理→⑥数字別整理を組み合わせる。

※プロジェクト案件で事業を進めていくような場合 プロジェクトを起ち上げそれに関わる人員などをがその都度構成されるような場合、社内でプロジェクト単位でものを考える場合が多いため、

⑤一件別整理→①名前別整理

メンバーの合意はどう得るの? ワリツケ式とツミアゲ式

分類方式を決める方法として、ワリツケ式とツミアゲ式があります。 ワリツケ式は、管理者が上位分類から決めていく方式です。一方、ツミアゲ式は、利用を行う立場で意見を出し合ってもらい、下位分類から決めていきます。

これらの方式はそれぞれメリットとデメリットがあります。

メリット デメリット ワリツケ式 理論的に決定できる。 硬直的になり、可変性がない。 上から押しつけられた印象になってしまう。 ツミアゲ式  利用する人が納得のいった分類になる。 多くの人のアイディアの収集と合意が必要なためまとまりにくい。

弊社では、大分類はワリツケ、小分類はツミアゲといった、この2つをミックスした方法をお勧めしております。

どう分類してもやっぱり問題が発生する

ファイリングは紙文書の置き場所を決定します。紙文書は1つなので置き場所も1つです。なので、なるべく組織内で合意を得て、その場所決めを行うことは重要なのは前述のとおりです。 でも、主流でない業務や新しく始まった業務の部署は使いづらいかもしれませんし、いつも快適に使っているひとも場合によっては別の探し方をする場合もあるかもしれません。

データベース化するとあらゆる視点から探すことができる

様々な視点で契約書を探せるようにするためには、インデックス(データ項目)をデータベース化することです。一番簡単な方法はExcelなどを使用してスプレッドシートにまとめるという方法です。 データベース化を行うとあらゆる方面から多角的に契約書にアプローチできます。 また、こんな問題にも対応できます。

・関連契約書が探し出せない。   →グループIDを付与して、関連する契約書をグループ化する。 ・契約書に関する文書を閲覧する必要がある。   →参照文書IDを付与して、関連づける。

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文書管理システムを導入すれば更に便利に!

今まで説明で紙ベースの契約書についてそのファイリングとインデックス項目のデータベース化について説明してきました。 文書管理システムを導入すれば、ファイルを共有化したり、項目を階層づけてわかりやすく表示するなどの機能が使えます。

電子化

紙ベースの契約書を電子化して文書管理システムのインデックスから参照できればさらに利源性は高まります。 電子化については、この記事をご覧ください。

ワークフロー

契約書のワークフローについては、こちらをご覧ください。

コンサルティング事業部/石川

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