
文書管理で取り扱う文書は、「業務上作成または取得した文書」が全てカバー範囲となりますが、その中で契約書は全ての会社で重要な文書と位置づけられています。また、その取扱い量も多く保管期間も比較的長いことが特徴です。また、定期的に閲覧が必要なことも多く検索性も求めらます。
このように、重要である一定の件数があり、さらには利用頻度が高い契約書ですが、その管理や保管につい課題があります。
以下、弊社がよくお客様から相談される課題を見てみましょう。




これらの課題は、全社的な効率の悪さに直結しています。
この記事では、これらの課題に対して、リスク回避、検索性向上、そして業務効率化を実現するための方法を解説します。
契約書の管理は多くの企業では総務部で行われていることが一般的ですが、その利用は全社的な範囲に及びます。本記事は、以下のような部署の契約書に関わるすべての方に役立つ内容となっています。
まず、契約書管理で特に重要視される3つのポイント(法令遵守、ビジネス機会の保護、リスク低減)について説明します。
特に法定保存期間については、最低限知っておくべきルールとなります。
税法では、契約書の保存期間は7年と定められていますが、その契約書が関わる法律によって期間が異なることがあるため注意が必要です。業務に関連する法律で定められた年数の最大年数を保存期限と設定するのも一案です。
契約書管理の第一歩は、原本(紙またはデータ)の形状に関わらず、契約情報を集約・可視化するために台帳を作成することです。
台帳にはその契約書からピックアップした項目を入れて作成します。以下は、その1例になりますが、おおよそどの企業でも使用される項目となっています。
項目 | 説明 |
契約書ID | 契約書1件ごとにIDを付与する |
書類名 | 契約書・覚書・同意書・協定書・確認書など |
部署名 | 当該契約書を取り扱う部署やその拠点 |
取引先名称 | 当該契約の相手先の名称 |
契約書件名 | 契約書に書かれている件名 |
締結日 | 当該契約書を締結した日付 |
契約開始日 | 契約が開始される日 |
契約終了日 | 契約が終了する日 |
このような台帳を作成することで、契約書に関する情報が見える化し、属人的な管理から脱することができます。
次に紙の契約書と電子の契約書の違いを見ていきましょう。
紙の契約書は法的効力が明確である一方、運用には以下のような多くのコストと手間が伴います。
紙の契約書の運用には、以下のような目に見えない隠れたコストが存在します。
電子化をすることで、たとえそれが単なるExcelなどのスプレッドシートとPDFファイルの組み合わせであったとしても、契約書を運用するに当たってはおおきなメリットがあります。以下にそのメリットと留意点を示します。
このように隠れたコストや電子契約の有効性が認識されていることもあり、昨今では電子契約に切り替える企業が増えています。しかし、既に契約が完了してる契約やまだ紙の契約書で運用している組織もあるため、契約書の管理は紙と電子の両方にならざるを得ません。
つまり、多くの企業は紙と電子のハイブリッド管理、つまりは一元管理となります。
紙の契約書と電子の契約書を一元管理をすることで、得られるメリットには以下のようなものがあります。

更新期限や法定保存期間が明確になります。物理的な集中保管により、第三者による不正な改ざんや紛失のリスクを下げることができます。

部署を横断した検索が可能になります。リスト化によって必要項目が引き出されているため項目検索によって検索精度を上げることができるようになります。

無駄なコストを削減し、経営資源を有効に活用できます。紙の契約書をまとめて保管することでスペースの圧縮が可能です。
上記のように、台帳の整備や紙の契約書のPDF化でも様々なメリットが享受できますが、専門システム導入はさらに以下のような効率アップにつながります。
このように契約書管理システムはとても強力なツールですが、導入する前に「管理の仕組み」を整備することをお勧めします。
ITツールを導入しても、ルールがなければ結局は属人化します。そうならないように、契約書管理ルールを構築し周知し徹底させるようにしましょう。

「誰が(Who)」「何を(What)」「どこまで(Where)」管理するかを明確にする。
例:原本の最終保管:総務部、契約内容の登録:締結部署、期限管理の確認:法務部などと役割分担を決める。

まずは各部門で契約書がどう管理されているか現状を把握し、整理(紙の電子化、紙・電子に関わらず台帳への登録)を行うことが重要です。

検索ルール、保管手順、廃棄手順(データ抹消を含む)を明文化し、全従業員に周知する。
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契約書管理の改善は、一足飛びにはいきません。以下のステップで着実に進めましょう。
Step1
各部門で紙の契約書がどう管理されているか、契約台帳がどこまで機能しているかを調査し、散在する紙の整理・電子化(スキャン)を進める。
Step2
電子署名サービスやクラウドストレージで電子契約書が各部門でどう管理されているかを調査し、管理場所とプロセスを洗い出す。
Step3
ステップ1と2の結果に基づき、紙と電子を一元管理するための新しいルール(ハイブリッドルール)を策定する。このルールに基づき、必要な機能を備えた契約書管理システムを選定し、全社展開を目指しましょう。
文書管理コンサルティング/石川
組織の知カラとは?
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もし文書管理ルールを見直すのであれば、是非この資料を見てみましょう。文書管理の必要性、課題、解決策などにについて解説した資料となっています。

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