失敗しない電子文書管理の基本と最新トレンド

2025-11-14
電子化が進められるにつれて、増え続ける電子文書の「探せない」「管理できない」課題を解決する方法を基本対策からAI・OCR活用まで解説します。

電子文書管理に関する悩み

電子帳簿保存法の影響で電子化が一部義務化されたこと、また、もともと利活用には電子文書の方が向いていることもあり、紙文書の運用から電子文書の運用への移行が企業や組織で推進されています。

ただし、急激に増えた電子文書の管理や運用の問題が、現場では発生しているのではないでしょうか。

■電子文書に関する問題

①探せない(利活用面の問題)

電子化によって、電子文書が一気に増加しそれらをファイルサーバーやクラウドドライブなどの共有フォルダに「とりあえず格納」している場合が多く、整理が追いついていないことがあります。

また、以前より個人管理・部署管理に任せていたため、「ファイル名が統一されていない」、「フォルダ階層のルールが無い」など、未だ共有フォルダの全社共通の管理ルールが無いことも多いでしょう。

②管理状況が見えにくい(管理面の問題)

分類基準表や文書管理台帳が無いと、重要文書や秘密文書がどう管理されているのか(正しく管理されているのか)、管理側に見えにくいこともあります。

分類基準表や文書管理台帳がなければ、全体を掴むことはできません。

以上のように利活用面でも管理面でも問題が散見されています。

なぜ今、電子文書管理での問題が発生しているのか

このような問題は多くの企業や組織で発生しており、共感を得る方も多数おられることでしょう。

なぜ今、電子文書管理での問題が発生し、その入れものである共有フォルダ(ファイルサーバーやクラウドドライブなど)の整理に関することが課題となっているのでしょうか。

当社が文書管理コンサルで様々なお客様の案件を行う中で、その原因の一つに考えられるのは、共有フォルダの役割が変わってきたことにあります。それでは、その役割はどのように変わってきたのでしょうか。

■紙文書が原本であった時代

紙文書が原本であった時代では、ファイルサーバーやクラウドドライブはその原本を作成する個人の中間ファイルなどを管理していることが多く、管理はほぼ個人に任されていました。

■電子文書を原本でとして保管

電子文書が原本として保管されることになると、作成からその文書の完了までを電子文書で行うことになり、ファイルサーバーやクラウドドライブは完了文書を保管する場所ともなりました。しかし、会社全体の保管のルールの整備は追いついておらず、それらは担当者に任せになっていました。せいぜい、部署任せになっていきました。

電子文書が主流になるスピードに管理のスピードが追いついていなかったことが問題の原因であると考えられます。

電子文書の管理でまずやるべきこと

それでは、電子文書管理でやるべきこととは何でしょうか。

■会社や組織の標準的なルールを策定する

文書管理規程の見直しや文書管理ガイドラインの策定などを行い、組織全体の標準的なルールを整備します。特にガイドラインは、管理・運用方法について具体的に示したものとなりますので、現場での管理・運用の指針になりますので、整備されることをお勧めします。

ガイドラインの作成については以下の記事に詳しく説明されています。

■分類基準表を整備する

分類毎に保存年限や機密区分を示した分類基準表は現場での文書の取り扱い実務に必須のものです。抜けている分類が無いか、法律などの変更に保存年限に問題が無いかなど1年に一度は見直しをしていきましょう。

分類基準表の作成については以下の記事に詳しく説明されています。

■文書管理台帳を作成する

文書管理台帳は、文書毎にどんな文書があるかを一覧化したものとなります。前述の分類基準表は分類毎に一覧化したものですが、台帳はさらにそれを細分化したものとなります。紙文書の場合は、バインダー毎に一覧化されていました。

電子文書で文書毎にまとめていくのは労力がかかってしまい難しいのですが、重要文書に関しては特に台帳を作成することをお勧めします。重要文書の管理に文書管理システムを使用して台帳管理をするのもよいでしょう。

分類基準表文書管理台帳の作成については以下の記事に詳しく説明されています。

電子文書であるメリットを生かした管理・利活用

今まで、管理・運用の問題を見てまいりましたが、電子文書には多くのメリットがあり、それらのメリットを活かす管理や運用をご紹介いたします。電子的に取り扱えることで共有化しやすくなり、電子文書データの中にテキストデータが含まれている場合は、その内容が機械可読であることで紙文書ではできなかったことが増えました。また、日進月歩であるデジタル技術の恩恵を受けて、できることが増加するスピードも速くなっています。

では、何が前より比べてできるようになったのでしょうか。

①属性データのデータ化

これまで文書の属性データは、人的労力をもって、その文書の内容を確認しデータ化されてきました。現在の文書管理システムでは、属性データをAIの力で本文より抜き取って作成できるものも増えてきました。

データベース化を検討する際の人的リソースの障壁を取り払った形になり、データベースしやすくなることで、利活用の促進が期待されます。

②AIーOCR

従来のOCRよりも認識精度の上がるAI-OCRを使用することによって、過去の文書も精度の高いテキストを持たせることができるようになります。これによって、全文検索の精度をあげ、目的の文書を探し漏れを無くします。

③ナレッジベースの構築

生成AIを使ったナレッジベースも昨今は多くリリースされています。例えば、利用者が自分の思いついた言葉で検索をすると、社内の文書を検索して、それらをまとめた上で画面に表示させるものなどがあります。

かつて、データベースを使う側はそのデータベースのことを理解して検索を行って初めて十分な回答を得られる時代もありましたが、誰もが精度の高い情報を得られるようになりました。

AI時代でも文書管理の基本は変わらない

電子化が進み、ますます電子文書が中心となりますが、残していくものと廃棄するものの選別、文書の分類、文書のライフサイクルに応じた処理は変わりません。

精査された文書情報だからこそ、AIなどの先進技術が活きていくと言えると思います。

■■ まとめ ■■

電子化の進展により、利便性は高まりましたが同時に新たな課題を抱えるようになりました。「探せない」「管理状況が不明」といった問題は、ルールの未整備や急速な電子化が原因です。

まずは、文書管理規程やガイドラインの策定、分類基準表の整備、重要文書の台帳化といった基本対策を行いましょう。そのうえで、AI-OCRやナレッジベースの活用により検索性と利活用を飛躍的に向上させることが可能です。

電子文書管理の基本を押さえ、最新技術を取り入れることで、電子化を「課題」ではなく「競争力」に変えていきましょう。

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文書管理コンサルティング/石川

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