DXと文書管理

DXの必要性と推進が叫ばれています。すでに取り組んでいる企業、取り組むことを検討している企業、取り組みたいが何も進んでいない企業など様々です。今回はDXとはいったい何なのか、またDXと文書管理の関係性などについてご紹介します。

そもそもDXとは?

みなさんご存じのとおり、
DXとはデジタルトランスフォーメーションの略称ですが、
いったいどうしたら「DXが進んでいるなぁ」とか、
「御社のDXはすばらしいね~」などという評価を得られるのでしょうか?

経済産業省は「デジタルガバナンス・コード2.0」において、DXを以下のように定義しています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

また総務省の白書では、
「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」
としています。

なんとも難しい言葉が並んでいますが、
ふたつの定義に共通しているキーワードは「競争上の優位性を確立すること」です。

すごく平たく解釈すると、
「デジタル化を進めて儲かる会社にしようぜ!」
というようなことのようです。

DXというと色々なことをデジタル化することと同義に捉えられ、
デジタル化すること自体が目的化してしまうことも多いのですが、
DXとはそうではなく、デジタル技術を活用したその先に、企業の発展があるといったアプローチであると考えられます。

とはいってもDXを進める過程で、
例えば紙の情報をデジタル化するといったプロセスも必要です。
そうした既存の紙のプロセスを自動化するなど、物質的な情報をデジタル形式に変換することをDigitization(デジタイゼーション)と呼びます。
(国連開発計画(UNDP)の定義)

こうしてみてみると、
DXという最終目的地と、
そこに到達するための手段としてのデジタイゼーションといった関係性が見えてきます。

日本企業のDX取り組み状況

日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、
調査に回答した1,745社のうち、
既に「DXに取り組んでいる」と回答した企業は28.0%にとどまったようです(2021年度時点)。
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2022/0301/0ee656842b31a0ac.html

またDX推進の目的で1位となったのは「業務の効率化・最適化」ということで、
まずは生産性の向上を図って、収益性の向上を狙う企業が多いようです。

いっぽう経済産業省のDXレポート2.2(令和4年7月)では、
産業全体の構造として、DX化はユーザー企業とベンダー企業間で低い状態で硬直化している同時に、生産性が低いため、一定の利益を確保するためには高い売上目標が必要になってしまうと警鐘を鳴らしています。

従来からの仕事のやり方を変えず、デジタル技術も頼らずに、
「人柱」や「ド根性」だけで効率化や収益向上を図ることは難しい
ということです。

2018年のDXレポートでは「2025年の崖」が話題となりました。
日本企業がDXを推進しなかった場合、年間で最大12兆円の経済的損失を被る可能性があるという提言でしたが、
DXレポート2.2では国内のDXへの取組や関心は着実に前進しているとしています。

そしてさらにデジタル企業への変革を達成するためには、
ビジョンや戦略だけでなく、トップダウンによる具体的な行動指針やアクションプランが必要と唱えています。

DXにおける文書管理の位置づけ

近年、当社に寄せられる最も多いご相談やご要望は、
「ペーパーレス化を進めたい」といったものです。

そうしたご相談のほとんどがトップダウンによってミッションを受けた総務部門や業務改革推進チームなどのPTです。

ペーパーレス化を進める目的の一つは業務効率化や生産性の向上で、
紙による業務から脱却し、どこでも効率的に仕事ができる環境を構築することにあります。
さらには文書の作成、保存、検索を効率的に行うことで情報の共有化を促進し、
既存ビジネスの効率化だけでなく、新たな価値(ビジネス)の創出も期待されています。

先述の通り、DXの定義がデジタル化によって企業を発展させることにあるとすると、
ペーパーレス化はDX実現のために必要な取り組みと言えますし、
文書管理は、ペーパーレス化という仕事のスタイルを実現するための手段として必要な取り組みになります。
そのように考えると、DXと文書管理は密接な関係にあるといえます。

ペーパーレス化のために必要な文書管理の取組とは?

先述のようなペーパーレス環境を実現するためには、
文書管理の面で必要な取り組みがあります。

・文書管理ルールの見直し

文書管理規程などの文書管理ルールに、
紙文書に関する記述しかなく、
電子文書の取扱いや共有フォルダ-への保管ルールが記載されていないといったケースが多いようです。
ペーパーレス化を進めるためには、
電子文書を中心としたルールに見直すことが必要です。

・紙文書の電子化

キャビネットに保管されている紙文書を電子化することは、
ペーパーレス化を進める上で必要なプロセスです。
先述の「デジタイゼーション」です。
ただ闇雲に電子化をするとコストがかかりますし、
PDFなどのファイルが溢れて使い物にならないといったケースに陥る恐れがあります。
使用頻度や共有の必要性などの観点から、電子化をする文書は絞り込むとよいでしょう。

またワークフローシステムなど、そもそも紙文書を発生させない仕組みづくりも必要です。
文書の「発生」「回付・承認」「保管」「保存」「廃棄」までの一連のライフサイクルを、
全てデジタル上で完結させることがペーパーレス化を進めるポイントになります。

・共有フォルダ-の整理

共有フォルダ-にアクセスし、
見たい文書をすぐに見ることができれば、
紙文書を会社まで見に行く必要はありません。
ペーパーレス化、あるいはDXを進める上でもリモートワークは重要な要素ですが、
それを実現するためには、見たいファイルにアクセスできるよう、共有フォルダ-を整理しておく必要があります。

また共有フォルダ-は、
紙文書を電子化して作成されたPDFなどの電子ファイルの受け皿にもなるので、
検索性を高められるようなフォルダ-構成にしておかなくてはなりません。
電子化しただけでは幸せになれないので、
こうした受け皿をきちんと整理しておく必要があります。

まとめ

今回はDXとは何なのかを考え、そのDXにおける文書管理の位置づけと必要な取組についてご紹介しました。

先のジェトロの調査結果では、
DXを進める最大の課題は人材不足としています。
そうした中、外部を使ってDXを推進した企業は、
内部のみで推進した企業に比べ、
成果の認識が10ポイント以上も高いということです。

DX推進というミッションを会社から受け、
ペーパーレス化を実現したいという方は、ぜひご相談ください。

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