電子ファイル保管ルールの大原則!

共有フォルダの中が散らかっていて何とかしたい!というご相談が増えています。ルールも無く個人が好き勝手に保管していたら、どこに何があるかわからなくなるのも当然です。今回は電子ファイルの保管ルールにおける大原則をご紹介します。

大原則その1:個人名のフォルダを作らない

個人名をフォルダ名とするフォルダ(以下、「個人フォルダ」)を作成すると、
共有フォルダ内部が氾濫する引き金になります。

個人フォルダ内部は無法地帯となりやすく、
フォルダ名やファイル名や個人によってバラバラ、
フォルダ階層も作った本人にしかわからない構造になりやすい傾向があります。

また一番の問題として、ストレージ容量の圧迫が進行しやすくなるということがあります。
個人フォルダの中は作成した本人にしか必要か不要かの判断ができないため、
作成者本人が削除しなければ、ファイルが増加し続けることになります。
さらにはその作成者本人が退職でもしようものなら、
だれにも必要か不要かの判断ができなくなり、永遠に残し続けなければならない事態に陥ります。
それも一人か二人ではなく、長期にわたると大人数の個人フォルダが残ることになり、
それによる容量の逼迫は、とても大きなものになります。

検索性・共有性も低下するため、組織にとって有益な情報資産も、
個人フォルダの中に埋もれていく
ことになり、組織にとってのダメージは計り知れません。

こうしたことから、個人フォルダを作成することはお奨めしません。
どうしても作成することが必要な場合は、
「一時的な下書き文書を保管する場合」や「保管期限を決めて期日が来たら削除する」などの条件を設定しましょう。

大原則その2:フォルダの並び順が崩れないようにする

フォルダの並び順が、自分が探しやすい状態になっていないと検索性が低下します。
フォルダの並び順はOS側で設定されるため、自分自身が使いやすいようにフォルダに番号をつけて、順番が崩れないようにします。

例えば営業さんが「営業プロセス」でフォルダを作っていた場合、
番号をつけないと(個別に設定は可能ですが)次のような状態になってしまいます。

これをプロセスの順番にするため、フォルダの前に番号を付けることで、
日常の使い勝手は飛躍的に向上します。
フォルダの数が増えるほど効果が出るので、ぜひ試してみてください。

大原則その3:フィル名の付け方を統一する

みんなが個々にファイル名を好き勝手に付けていて、
ファイルが探しにくい、表示順がバラバラといった問題は多くの企業で抱えています。
ファイル名の付け方をルール化し、統一することである程度解決することが期待できます。
特にポイントとなるルールを3つご紹介します。

ポイントの一つ目は、先述のフォルダの順番と同様、探しやすい順番で表示されるようなルールにすることです。
日付順に並んでいるのが探しやすい場合は、フィル名に先頭にyyyymmddを付けるなどして日付順に表示します。
二つ目は、最新のバージョンがわかるようにすることです。
特に同日にバージョン変更があった場合には、ファイル名に版を付与してバージョンを管理します。
三つ目は、明快なネーミングにすることです。
ダラダラと長いタイトルを付けたり、その他〇〇関係といったタイトルを付けると、
特に他の人が探すことができなくなります。

こうしたことをきちんとルール化して徹底するようにします。
ただしどのようなファイル名の構成がよいかは人によって意見が異なるので、
きちんとコミュニケーションを図りながら合意を得て進めるようにしましょう

大原則その4:リンクを貼らない

ファイル間でリンクを貼る運用をしていると、フォルダの移動がしにくくなり、
共有フォルダ内の整理はもちろん、システムの入れ替えなどにも対応しにくくなります。

移動などをした場合は、リンクを付け直さなければなりません。
また、どのファイルがリンクしているかはファイルをオープンしてみないとわからない状態になり、とても大きな手間となります。
部署によって特定の人だけが付けているというケースもあります。

未来永劫、同じシステムを使うということはあり得ませんので、
ファイル間でリンクを貼るような運用になっている場合は、見直すようにしましょう。

大原則その5:同一階層内は同じ基準でフォルダを分類する

同一階層内でフォルダの分類基準がバラバラだと格納されるファイルがカオスになってしまい、検索性が著しく低下しますし、保存するときも保存場所に迷ってしまいます。

営業部門を例に挙げてみていきます。

フォルダ構成の悪い例として、次のような状態になっているケースがよくあります。
上の例を見ると、同一階層内に複数のフォルダ分けの基準、すなわち切り口が複数混在しています。

営業資料や見積書といった書類別の基準や、□□物産・〇〇商事といった顧客別の基準などです。
このような状態になっている場合、例えば□□物産の令和3年の見積書は、どこに保存するのでしょうか?
令和3年見積書のフォルダなのか、□□物産のフォルダの中なのか迷ってしまいます。
保存する人の感覚に依存することになり、保存場所がバラバラになってしまいます。
また、「基準」の話とは違いますが、フォルダ名の前に@@@や★などを好き勝手に付けてしまっているのもよろしくありません。
上の方に表示させたいフォルダが個人の事情に左右されてしまうためです。

これらの状態を改善した良い例が下の図になります。
第一階層が「顧客別」、第二階層が「業務プロセス別」にしています。
基本的に発生する文書(電子ファイル)は業務に紐づいているものが多いため、
業務プロセスを基準にフォルダ分けをするとすっきりします。
顧客別フォルダ直下の「提案」のフォルダには提案書が入り、「見積」のフォルダには見積書が入るようにしておけば、保存するときも探す時も迷うことはありません。

フォルダ構成を規則的に分類することで、
業務の効率は飛躍的に高まります。

また同時に、先に述べたフォルダの並び順もきちんとすれば、
より大きな効果が期待できます。

大原則その6:ルールを決めたら文書化する

これまで示してきたことなどが周囲から合意を得られた場合、
きちんと文書化しなければなりません。
文書管理規程に定めるとなると組織内での手続きが大変なので、
ガイドラインあるいはマニュアルなどに定めておくと社内での展開がしやすくなりますし、
改訂時における手間も簡略化することができます。

テンプレートが欲しい方はこちらからダウンロードしてください。
今回は電子ファイル保管ルールの大原則をご紹介しました。
電子ファイルが好き勝手に保管されて検索効率が悪化すれば、
情報資産の共有性や業務効率の低下を招き、組織の弱体化を招く恐れがあります。

まずは自社の大原則をきちんと決めてマニュアル化し、周知と徹底を図ることが肝要です。

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