改善したい!ファイル名の付け方

2023-2-10
ファイルサーバーやクラウドドライブのファイル名の付け方について、みなさんの組織では統一されたルールはありますか?ファイル名の付け方は、あらゆる業種の方の共通の課題のようです。
今回はファイル名の付け方について、そのルールや取り組みについて考えてみましょう。

ファイル名の付け方がまちまちだとどんな問題が起こる?

まずは、ファイル名の付け方が統一されておらず、まちまちだとどんな問題が起こるか考えてみましょう。

■ファイルが見つからない

ファイルを探すときに思い当たるワードで探してみたものの、それらで全くヒットしない。思いつくワードを入れて再検索を繰り返し、いつの間にか時間が経ってしまった。

それでも目的のものが見つかればいいが、見つからず、結局最初から作成した。

あー時間がもったいない!

■ファイルが特定できない

組織としてその文書がいつまで必要かどうかを考えます。

「ナレムコの統計」をご存知でしょうか。

一般的にオフィスワーカーが見る文書は、その99%が1年以内のもので、つまりは、1年以上経過した文書はほとんど見られないという統計です。

これは、必要度を考えるときに参考になる視点です。

■ファイル一覧をソートしても考えた順番に整列されない

それでは、こんな問題を解決するための「ファイル名の付け方」について考えてみましょう。

などなど、思い当たることはありませんか。

ファイル名の付け方について考えてみる

ファイル名を付ける際には原則3要素を使って付けてくださいと当社ではお客様に説明しています。

ファイルを表す要素は、たくさんあった方が当然見つけやすくなります。しかし、ファイルは業務の中で多数作成されるため、1つ1つのファイル名に多くの要素を含めるのは大変で、3つ程度が適切だと考えます。

■基本の3要素はコレ

では、基本の3要素について見ていきましょう。

  例:20230208_●●北道路工事_見積書
     ①日付     ②案件名など    ③種別

この例を確認していきます。

①日付
その文書を作成した日を示します。更新等をしたら、更新した日の別のファイル名を作成するかファイル名を更新します。日付はバージョン管理の役割もあります。もし、同じ日付であれば枝番や版番号で管理します。

②案件名・顧客名
文書を判別するために適切な名称を付与します。その文書を区分する切り口で考えるとよいでしょう。

    案件名の例:●●北道路工事(工事名)
          ●山商事(顧客名)
          製造業(業種名)


③文書の種別
その文書の種別を示します。
文書の種別は、見積書、注文書、議事録、仕様書、価格表などとなります。種別名は社内で統一しておきます。

また、並べ替えをしたときのことを考えて、3要素の順番もルールを決めておきます。

そして、ファイル名はフォルダをまたがって、別の名称とするようにします。フォルダが別であれば、同じファイル名でも管理できますが、ファイルの移動させたときに異なるファイルで同じファイル名があるとどちらかのファイル名を変更しなくてはなりません。このため、同じ名称をしないことをお勧めします。

基本の3要素以外では?

次に基本の3要素以外で考えるべき点について、説明します。

■バージョン管理

基本の3要素のところでバージョンの管理について、少し説明をしました。日付を入れることでバージョンの管理はできますが、同日でバージョン管理を行う場合は別途バージョンを付与することになります。

以下に例を示します。

    例:20230208_●●北道路工事_見積書ver.2
      20230208_2_●●北道路工事_見積書


上は、バージョン番号を付けるやり方、下は日付に枝番を付けるやり方です。どちらでもよいと思いますが、組織内では統一しておきましょう。

次に「共有フォルダにおける行政文書の電子的管理に関するマニュアル」に紹介されているものを拾ってみました。
ここには、文書の性質を示すことが説明されています。

■意思決定の段階に係る表示

意思決定の段階に関わる表示を入れたり、最終版である旨の表示を示すことが説明されています。

    例:201810XX課長了_公文書管理委員会(第○○回)議事次第
      201810XX官房長了_公文書管理委員会(第○○回)議事次第
      201810XXセット版_公文書管理委員会(第○○回)議事次第


■正本か写しか

写しとして扱うべき文書の区分をすることも説明されています。

    例:201810XX_公文書管理委員会(第○○回)議事次第
      201810XX_公文書管理委員会(第○○回)議事次第(写)


正本は、文書オーナーが取扱い、写しは写しとして取扱うという意味になります。例えば、正本を持っているところは決められた保存期限まで保存をしたり、その後の移管や廃棄も責任を持つことになります。

組織で取り組む重要さ

ファイル名の標準的なルールについて、簡単に説明しました。

ルールを決めても取り組みを行なわなければ、効果は表れません。また、個人的に行なっても1部しか改善されません、取り組みは組織で行う必要があります。

■従来のファイルのファイル名をどうするのか

取り組みは、ファイルサーバーやクラウドドライブの整理の際に行います。しかし、実際には、従来のファイル名の付け替えまで実行するのはとても時間や手間がかかります。全部ファイル名を変更するのかと考えると気が遠くなりそうです。

現実的な対応としては以下のような選択肢があります。

    ・ファイル名のルールは、新規にファイルを作成するときに採用する。
     (既存のファイルに対してはファイル名を変更しない。)
    ・選択的に検索性を高めたい文書についてファイル名の付け替えを行う。
     (既存ファイル名の付け替えまでは行なわないことにしたが、
     検索性において改善したいという要望もあり、付け替えを再検討した結果)
    ・従来のファイルについても、ファイル名の付け替えを行なったところ、
     検索スピードが明らかに向上した。


やっただけの効果は出るけれど、時間とのバランスでどこで区切るかがポイントになります。

■プロジェクト化して組織でとりく取り組む

ルールを配布して、個人に気を付けてもらうというやり方だとは徹底しないので、組織内でプロジェクト化して実行することをお薦めします。

プロジェクト化のポイントは以下のとおりです。

    ・プロジェクトの体制を組む
    ・スケジュールを立てる
    ・進捗を管理する
    ・実行結果を確認する


■監査をして定着させる

また、プロジェクトが一通り完了してしばらく経ったら監査も行なってみてください。
監査を何度か行うことによって、ファイル名のルールが社内のあたりまえになっていきます。

■■ まとめ ■■

今回のまとめです。
・ファイル名は、基本の3要素を整え、例外的なルールを検討する
・プロジェクト化や監査によって必ず組織的な実践となるようにする。
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