文書管理に取り組むことによる効果の代表例には、業務効率化やコスト削減などがあります。しかしこの他にも、あまり知られていませんが「人材育成」という効果を生みだします。 今回は文書管理と人材育成の関係についてご紹介します。
人材育成の基本的な方法として、「OJT」「OFF-JT」「ジョブローテーション(戦略的人事異動)」などがあります。 中でもジョブローテーションは、実践を通じて多様なキャリアを形成できるため、人材育成にはとても効果的です。 しかし人事異動に伴う様々なリスクを感じることから、躊躇する企業も多いようです。 どんなリスクかといえば、その多くは引継ぎ業務が円滑に進まないことによる業務効率の低下、機会損失や顧客離反の発生など、業務上の様々な混乱のリスクです。 このリスクがどの程度生じ、どのくらいのダメージがあるのかが予測不能なため、経営層も現場も人事異動に対し不安を抱き、消極的になっていくのです。 人材育成を計画的に行い、硬直化した組織を活性化するためには、この弊害を乗り越えなければなりません。
【この章のポイント】
・人事異動に伴うリスクは測定困難。
・人材育成と組織活性化のためには人事異動は必要不可欠。
人事異動によるリスクへの不安、それを増幅さえている元凶は業務の属人化です。 誰がどんな仕事をしているのか、それを経営層と従業員、そして従業員同士で共有し、互いの仕事に対する理解を深めなければなりません。 業務の属人化を防ぐ最初の一歩は、業務の中で発生する文書の共有化です。
誰がどのような文書を作成し、利害関係者に発信しているのか。 それが見えにくくなることから業務の属人化は始まります。 個々が仕事に関連する文書を共有下に置かず、仕事の内容が不透明なために(人材の)代わりが利かないような感覚に陥ります。 このようにして人事異動の停滞が始まります。
それを防ぐためには皆が文書を共有するという風土や仕組みづくり、そして必要な文書をすぐに探し出せる環境構築が必要になります。 文書を共有しておくことで日常から互いの仕事への理解を深めること、そして文書をきちんと整理しておくことで必要な文書をすぐに探せること、こうした環境を作ることで人事異動を不安なく実践でき、人材育成が活性化するのです。
<まとめ> ・人事異動を停滞させる元凶は業務の属人化。 ・業務の属人化を防ぐには文書を私物化せずに日常から文書を共有するルールを作り、互いの仕事への理解を深めること。 ・人事異動後の混乱を防ぐには、必要な文書をすぐに探せて、利用できる環境を作ること。
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