劣化したマイクロフィルムを救おう!

過去に作成した多くのマイクロフィルム。
経年劣化が進んでいるからどうにかしてほしい、というお問合せをよくいただきます。
今日はマイクロフィルムの劣化対策について紹介します。

マイクロフィルムの劣化とは?

製造業や金融業など様々な企業で、過去に作成したたくさんのマイクロフィルムを今も保有しています。
マイクロフィルムを保有している企業の多くは、
記録されている情報の中身やオーナー(保有責任者)がわからない状態にあるため、
書庫の奥深くで放置状態といったケースも少なくありません。
とはいえ、利用価値のある情報が記録されているかもしれないので捨てるわけにもいきません。
長らく放置状態にあるマイクロフィルムは、劣化が進行していきます。
もちろん保存環境にもよりますが、マイクロフィルムは高温高湿にめっぽう弱く、
第1段階では酢酸臭(すっぱい臭い)を放ち、フィルムが歪み始めます。

さらにそれを放置すると第2段階で、下の写真のようにフィルムが蛇行し始めます。
もっと進行すると第3段階で、いよいよフィルムが崩壊します。
もうこうなると閲覧はもちろん不可能ですし、手の施しようがなくなるため、
記録されている情報は二度と見ることはできなくなります。
どんなに遅くとも第二段階で対策を講じることが必要です。

劣化したマイクロフィルムへの対策とは?

さて、それではどのような対策を講じればよいのでしょうか。
対策としては、主に2つの手段があります。

1つはマイクロフィルムを複製することです。
劣化しつつあるフィルムの複製をとり、
マイクロフィルム保管を継続する方法です。

もう一つは電子化することです。
マイクロフィルム専用スキャナによってPDFなどの電子画像にコンバートすることで、
PCなどでの閲覧が可能になります。

マイクロフィルム保管と電子保管には、それぞれ長所・短所があります。
詳しくはこちらをご覧ください。

このような手段により、情報が読めなくなるという最悪の事態を回避します。
しかしこれらの手段も、先にご紹介した第2段階(フィルムが蛇行した状態)では、
複製機やスキャナにかけることはできません。

蛇行してしまったフィルムへの対策として、
弊社にはフィルムの平面化という技術があります。
蛇行したフィルムは、
こうした技術を利用して平面化することで、
マイクロフィルムの複製機やスキャナにかけることができます。

劣化対策をするフィルムを選定しよう

複製、電子化のいずれの手段をとるにしても費用がかかります。
費用を最小限におさえるためには、
保有しているマイクロフィルムの劣化の度合いをリールごとに調査し、
複製、電子化の対象とするフィルムを選定しなければなりません。
つまり、劣化が進行しているものから優先的に対処していくことになります。

劣化調査にはいくつかのやり方があります。
最も簡便な方法は、臭いです。
先にもご紹介した通り、劣化したフィルムには酢酸臭があります。
マイクロフィルムを手に取って、酢酸臭がするものは優先的に複製や電子化の対象とします。

もう少し突っ込んだ調査方法として、
マイクロフィルムの劣化度を数値化する手法があります。
ADストリップという調査用具(リトマス試験紙のようなもの)を使用すると、
マイクロフィルムの劣化の度合いを数値化することができます。
この調査で1.5以上の値が出たフィルムは、緊急性が高いフィルムということになります。

弊社ではこの劣化調査サービスを行っており、
成果物として数値化した結果をリストにまとめて提供します。
これにより優先的に対策をすべきフィルムを、即座に選別することが可能になります。

http://www.nichimy.co.jp/service/degradation/
ニチマイ 劣化フィルム救済対策

劣化の進行を防ぐための対策

劣化の進行を防ぐための対策がいくつかあるのでご紹介します。

①JISで規格化された条件下で保管する

先にもお伝えしましたが、マイクロフィルムの劣化の主な要因は、保存環境です。
マイクロフィルムの適正な保存環境については、JISで規格化されています。
このような条件下で保管することで、劣化を防ぐことができます。


②乾燥剤

フィルムは特に湿気に弱いため、このような乾燥剤を使用すると劣化の進行を防ぐことができます。
下の写真は当社で販売しているマイクロフィルム用乾燥剤です。


③酢酸吸着シート

こちらは劣化がある程度進行し、酢酸臭がしてからの対策用具です。
文字通り酢酸を吸いとってくれるシートです。
下の写真は当社で販売している酢酸吸着シートです。
ご注意いただきたいのは、このシートを活用すれば劣化が進行しないということではありません。
劣化の進行を緩和する役割を果たすツールです。


繰り返しになりますが、劣化が進行し過ぎると手の施しようがなくなり、
手遅れになります。
マイクロフィルムの劣化に気づくきっかけの大半は臭いです。
酸っぱいにおいがするなぁと感じたら、
早めにご相談ください。

コンサルティング事業部/鈴木

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