事例で考える 文書をとりまくリスクマネジメント!

文書の取扱いには、情報漏洩、紛失、盗難、誤廃棄などのリスクが伴います。リスクに対応して行くためには、何をしたらよいでしょうか。「管理」と「教育」を軸にステップ毎に説明します。

誤廃棄の事例

インターネット検索で「文書△誤廃棄」でクリックすると多くのニュースが表示されます。しかも毎年更新されています。このことで、如何に誤廃棄事故が発生しているかを知ることができます。

ある東京近郷の自治体で、「火災調査書」と「救助出場報告書」などの誤廃棄事故があったそうです。この原因は、2種類の文書は保存期間が10年でしたが、ある年に1種類だけ5年に変更されました。しかし、もう1種類は見つからずも一緒に廃棄されてしまった可能性が高いとのことです。

重要な「管理」、「教育」

この事例のような事故を無くすために重要となるポイントは、「管理」と「教育」の2つです。
「管理」は、適切なルールを適用し、それに応じて対応を行います。
「教育」でそれらを組織全体に知らせ浸透させます。
この事例では、保存期限変更の必要性が発生した時、管理者は、「管理」面で対応を行いました。しかし、それが通達されていなかったあるいは浸透していなかったためにこの事故が起こりました。ここで「教育」の大事さが浮き彫りになります。
「管理」と「教育」を軸にステップごとに対応方法をまとめました。

ステップ1:ルールを作る

文書管理規程の整備や運用マニュアルの作成などは取扱いの基本となるルールです。これらに基づいて個別文書はファイル管理表でルールを明らかにします。保存年限などは、法改正などによって変更になることがありますので、適切なルールを常に保てるようにしなければなりません。

ステップ2:ルールを知らせる

法改正などで保存年限などの変更が行われた際には、関連する情報の変更も行います。例えば、ファイル基準表(リテンションリストともいいます。)の該当する箇所の更新を行います。文書管理システムの場合はデータレコード更新を行うことになるでしょう。管理の基本となるデータを更新しておけば、作業時にこれらのリストを確認することによって、通達ミスがあっても補完することができます。

また、「教育」の領域になりますが、変更点を組織全体に通達する、作業時に変更点を確認するよう促すことが必要です。

事例では、管理情報は変更したがうまく伝わっていなかった、廃棄作業時に作業する人の気づきがあるような状況になかったと考えられます。もしかしたら、ファイル基準表を作業時に確認することが徹底されていれば防げたかも知れません。

ステップ3:ルールを守る

管理側で、ルールを設定しその通達を正しく行ったとしても、作業者がそのルールを無視して作業をしてしまえば、やはり事故は起こります。では、ルールを守ってもらうためには何が有効でしょうか。ここでもやはり教育が大切です。「何故、ルールをまもることが必要なのか」をわかってもらわないとただ従うだけになってしまい、「やらされ感」が発生しルールを忘れたり無視する人が増えてしまいます。意識を高めること、事故の起こらない「作業手順」説明を啓蒙します。毎年の文書整理イベントの前行うと効果的です。

ステップ4:ルールが守られているか確認する

今回は事故が発生したことで問題が発覚しましたが、新しく変更されたルールがある場合には、守られて作業がすすめられていることを確認します。抜きとりで検査し、間違いなどを見つけ出します。ルールが浸透されていないことや解釈の違いなどが発見できます。

事故の起こりにくい体制を整える

ステップ1から4を実行するためには、体制づくりが欠かせません。組織的に対応できるような体制づくりを目指しましょう。

コンサルティング事業部/石川

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