文書管理規程について、何らか問題を抱えているお客様が多いようです。この記事では、関連する他規程と文書管理規程の位置づけを確認し、よくあるご相談内容について見ていきます。
このサイトでも文書管理規程については何度か取り上げています。また、ご相談を受ける中にも文書管理規程に関することが多くあります。 この記事では、そんな悩みの共有と解決のために以下の順に説明しています。
・文書管理規程とその関連規程について 文書管理規程を俯瞰して見てみましょう。 ・よくあるご相談 どんな相談が寄せられているのでしょうか。 ・当サイトの文書管理規程関連記事のご案内 関連記事をご案内しています。
組織の規程の中では、文書管理規程だけが独立しているのではなく、他の規程と関連し合っています。 下の図は、一般的なある企業の例で、文書管理規程を中心に他の関連規程を位置づけた図です。規程管理規程は全ての規程の上位にあります。右側の「情報の保護」には情報セキュリティ関連規程、個人情報保護規程、秘密文書取扱規程などが位置しています。左の「運用」は文書情報を運用する規程、公印・社用印章取扱規程、職務権限規程、決裁規程などが位置しています。
文書管理規程と他の規程との位置づけ
企業によっては、これら全ての規程が存在しているわけでなく、1つの規程の中に含まれていたり、あるいはもっと細かく規程が分割されている場合もあるでしょう。 ここでは、上図の例でそれぞれ規程の文書管理との関わりを説明します。
①規程管理規程 規程の管理や、規程の改定・制定する場合の手順、変更者・作成者、承認者などの基本事項を決めたものです。文書管理規程の改定もこの規程管理規程に準じます。
②情報セキュリティ関連規程 電子情報の取扱い(持出方法、個人のPCに重要情報は置かないなど)、ネットワークを経由したアクセス(IDやパスワード管理、アクセス権限など)は、文書管理規程と密接に関わります。この規程の適用範囲を電子情報に限定せず紙文書や媒体を経由しない情報(知識)までを含んでいる場合もあります。
③個人情報保護規程 企業が管理する文書の中で個人情報と特定された文書はこの規程に沿って対応します。
④秘密文書取扱規程 秘密区分に指定されている文書の取扱いを取り決めたものです。保管の方法(紙文書の場合は施錠保管用キャビネットの利用など)、廃棄の方法(紙文書の場合は溶解やシュレッダー、電子メディア媒体の場合は物理的破壊など)などが含まれます。 ここでは別に示しましたが、情報セキュリティ規程に含んでいる企業も多いようです。
⑤公印・社用印章取扱規程 ⑥職務権限規程 ⑦決裁規程 全ての職務は、文書のライフサイクルである「発生」、「伝達」、「保管」、「保存」、「廃棄」に関係します。それと同時に業務と権限によってだれが決裁するのかも決まります。「職務権限規程」と「決裁規程」はそれらを表わします。 また、社外への発信文書には印章を用いる場合には「公印・社用印章取扱規程」の定めに従います。
このように規程は相互に関連していますから、文書管理規程を見直す場合に周辺の規程に着目することも大切です。
次にお客様からよくあるご相談のある文書管理規程に関するご相談例をあげてみます。
文書管理規程があるのも係わらず、文書の整備がされていません。内容は間違っているわけではないのに実行に至っておらず、困っています。 → 文書管理規程が組織内で周知されていない。
社内で規程類を一気に整備した時期があり、その時に作成したので実践に即しません。 → 文書管理規程が形骸化している。
文書が廃棄できずに滞留しています。永久保存文書の見直しルールを設定したいと考えています。 → 保存している文書の保存期限見直しの必要性
文書管理システムを導入したが、文書管理規程の中で触れられていないままになっています。読み替えで対応することになっていますが、曖昧な部分がありその都度解釈をしているので運用に支障をきたしています。 → IT改革に規程が追いついていない。
電子ファイルの方が多くなっています。電子ファイルに対する記述がないため、現場に混乱が生じているようです。 → 記述がないために抜け道となっており、業務上の漏れが発生している。
部署によっては管理する文書が異なり、文書管理規程がマッチングしていません。 → 共通認識がないと全社的な共有ができない。
現象の発生から問題を特定
「文書管理規程で悩んでいる」ということは、すでに文書管理の現象面から問題が分析できているといえます。そうしたら、次のステップです。規程の改訂箇所を特定して改訂案を作成し検討を進めます。
当サイトでも文書管理規程に関する記事を過去にも掲載しています。以下にご案内しますので参考にしてみてください。
文書管理規程を組織に浸透させる方法について説明しています。
文書管理規程と文書管理マニュアルの違いを説明しています。また、文書のライフサイクルである「発生」、「伝達」フェーズでの盛り込むべき内容が示されています。
同じく、「保管」、「保存」フェーズでの盛り込むべき内容が示されています。
これらの記事も合わせて問題の解決の一助となるかと考えます。
■文書管理規程サンプル 文書管理規程などのサンプルも配布しております。
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