文書管理のルールとその実践方法は、定期的にメンテナンスをしなければなりません。 メンテナンスをしないとせっかく作ったルールも徐々に形骸化していきます。 今回は文書管理のメンテナンス方法についてご紹介します。
文書管理には維持管理するための体制とその見直しが必要です。 具体的に体制とは、中枢となる文書管理事務局と、各部署に配置された文書管理責任者といったものを指します。 この体制は文書管理導入時に設けられ、文書管理規程などに権限や責任とともに明記された組織になりますが、定期的にメンバーを入れ替えることを推奨しています。 ずっと同じメンバーでは「マンネリ化」してしまい、より良い手法や企画に関するアイデアも出にくくなります。 また数年に一度でも事務局や責任者の入れ替えを行うことは教育目的にもなり、文書管理に関する知識やスキルが組織全体に行き渡りやすくなります。
一度文書管理を取り入れた企業には、文書管理規程や文書管理マニュアルなど、ドキュメント化された文書管理のルールがあると思います。 一度作ったこれらのルールが、オフィス環境(オフィス内のレイアウトやキャビネットなどの什器、情報システムなど)や業務とマッチしているかを見直さなくてはなりません。 企業のオフィス環境や業務内容は時間の経過とともに変化します。 それなのに文書管理のルールだけ不変ということはありません。
オフィス環境の変化の面では、例えばワークフローシステムの導入があります。 従来「紙」で稟議を回して決裁処理を行っていた企業が、ワークフローシステムを導入した場合、当然文書管理のライフサイクルに関わることなので、文書管理規程やマニュアルを見直さなくてはなりません。 その他にもオフィス移転や什器の入れ替えなどがあった場合も同様です。
また業務内容が変化すれば、当然発生・収受する文書も変わり、それに伴ってその文書の作成要領や決裁フロー、保管方法や保有年数を新たに定めなければなりません。
業務内容が変化しなくても、文書の保有年数は定期的な見直しが必要です。 不要な文書が5年や10年保存になっていればスペースを圧迫するだけなので保有年数は短縮し、 逆にエビデンスとして長期保存が必要な文書が1年保存などになっていれば保有年数を延長します。 現在国でも、公文書の保有期間の見直しを検討しています。 できれば企業では問題が発生する前に保有年数をきちんと見直し、説明責任を果たせる状況を作っておきたいものです。
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