文書管理が失敗に終わる4つの要因

働き方改革やペーパーレス化などのスローガンを掲げ、 様々な企業が文書管理に取り組もうとしていますが、 失敗に終わることも少なくないようです。 今回は文書管理が失敗に終わる4つの要因をご紹介します。

失敗要因① 社員の意識が変わらない

文書管理に取り組もうとする時、 もっとも重要な要素は、なんといっても従業員の意識、 言い換えれば「やる気」です。 もちろん文書管理に関する一定の知識やスキルも必要ですが、 実行する社員の側にこの「やる気」が無ければ、 文書管理はいっこうに進みません。 社員の「やる気」を引き出すためには、 文書管理を通じて得られる「メリット=うれしいこと」を社員全員で共有することです。 文書管理に取り組むことによってどういう会社になりたいのかといったビジョンや、 文書管理を通じて何を実現したいのかといった目的を明確にし、 理解を得られなければ社員の協力は期待できません。

当社のクライアントさんでは、 働き方改革というビジョンのもと、在宅勤務を目的に文書管理に取り組むことになりました。 在宅勤務にも当然メリット・デメリットはありますが、 そのクライアントさんでは女性スタッフが多く、 在宅勤務の実現にはそのスタッフにとって多くの「うれしいこと」があります。 しかしその在宅勤務を実現させるためには、 自宅からアクセスできるサーバ内の文書の制限や、 紙と電子含め、社外に持ち出してよい文書、持ち出してはならない文書など、 文書管理のルールを定め、ルールを遂行できるよう文書を整理したり電子化したりしなければなりません。 こうした面倒なことも、みんなにとって「うれしいこと」があれば協力が得られるのです。

文書管理に取り組もうとする時、 まずはビジョンと目的を明確にすることが第一歩です。

失敗要因② 推進部門が現場を理解していない

文書管理に取り組む際、 その舵を取る推進部門というものがあります。 多くは総務部門がその役割を担います。 失敗するパターンとしてよくあるのが、 その総務部門が現場の実態と乖離した理想論を唱え、 正論という名の武器を振りかざすパターンです。 文書管理は教科書通りではうまく機能しません。 企業の事業内容や部署の業務内容によって、 ルールの作り方一つとっても全く異なり、 画一的なものではないのです。 それを無視して教科書通りの理想論で押し切ろうとすると、 逆に業務効率が低下する恐れもありますし、 何より長続きしません。

例を挙げると、紙と電子の話があります。 推進部門が「これからはペーパーレスの時代だ!紙をなくそう!」という号令の下、 紙文書の整理や電子化に着手するとしても、 現場によってはどうしても紙のほうが利用しやすい文書もあるのです。

当社が文書管理の支援をするときは、 必ず部署ごとにインタビューを行います。 堅苦しいものではなくラフなムードを作りながら、 現場の要望や不満をヒアリングし、 それをルールの中に反映させていきます。

もちろん満場一致を待っていては進まないという側面もあります。 全員の「賛成」は得られないまでも、 ある程度の「納得」で着地させるファシリテーターが必要なのです。

失敗要因③ 成果を急ぎすぎる

企業の経営層や推進部門が成果を急ぎすぎるあまり、
失敗に終わるケースがあります。
これはどのプロジェクトにも言えることだと思いますが、
現実的な計画を設計できないプロジェクトは、
実行する社員の負担を増幅させるだけで、
何一つ成果が得られないといった事態にも陥りかねません。

成果を急ぎすぎる理由としてよくあるのが、予算の執行です。
会計年度末に予算が余りそうだからと文書管理に着手するものの、
年度内では全く期間が足らず、目標未達に終わるパターンです。
また、国内外に拠点がある企業においては、
全拠点同時進行で文書管理を導入しようとすることがあります。
先述の通り文書管理では一定の合意をとる行為が必要になるため、
全拠点同時進行というのは現実的ではありません。

早く成果を出して株主や顧客などのステークホルダーに説明をしたいといった上層部の働きかけがあることがほとんどなのですが、
現実的に遂行できる計画を設計し、
着実に成果を出していくことがポイントです。

失敗要因④ システムに依存する

4つ目の失敗要因は、文書管理を支援する情報システムへの依存です。
お金をかけてシステム導入。そして経営陣による「文書管理を徹底するぞ!」の大号令。失敗の理由の多くは、こうした最初の一歩目にあります。高額な予算をかけ、IT部門主導でシステムを導入する。そして大金を使ったからにはと早期に成果を得ようとするものの、
文書管理の基盤となるルールが無いために、必要な情報が共有されない、
または何でもかんでも蓄積され、ゴミの山となる、といった例が多くあります。
もちろんすばらしい文書管理システムが市場にはたくさん出回っています。
しかしシステムが全てを解決してくれるわけではありません。
こうしたシステムの売り込み文句を聞くと、
とてもHAPPYになれそうな気になるのですが、
基盤となるルールがなければたちまちサーバはごみの山となり、
せっかく高額な投資をしても効果は得られません。

システムに自分たちが従うのではなく、
自分たちにシステムを従わせることです。
そのためにまずは基盤となるルール作りと社員の意識改革から始め、
自分たちのルールに適したシステムを選択することがポイントになります。


コンサルティング事業部/鈴木

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