文書管理のルールを整備するポイントとは

2023-3-14
文書管理に関する悩みの上位にあがるものに文書管理規程などのルールの整備・見直しがあげられます。今回は、文書管理に関するルールについてその整備のポイントを説明します。

文書管理ルールに関する課題にはどんなものがあるか

まずは、文書管理ルールに関する課題にはどんなものがあるかを見ていきましょう。主なものを3つあげてみました。

■文書管理規程が古い

文書管理規程はあるものの、かなり前に作成したもののため、古くなり形骸化している。電子文書など新しいことに対応していない。

■文書管理に関するルールが周知されていない

文書管理規程、その他のルールがあっても、社員には周知もされておらず結果、実践もされていない。

■具体的なルールがない

文書管理規程など基本的なルールはあるが、下位ルールである具体的なルール(文書管理マニュアルなど)がないため、現場が動けない。

文書管理のルールに課題のある多くの組織がこのようなことに頭を抱えています。

文書管理のルールはなぜ必要なのか

ここで、ちょっと立ち戻って「文書管理のルールはなぜ必要なのか」考えてみましょう。
小規模の組織であれば、ルールはなくても仕事はできます。個人で仕事をしている場合は、ルールは必要なく返って仕事の効率が落ちることさえあります。

ルールは、組織的に物事を行う時には必要となるものです。でも、ルールだけで物事を進めようとするとが決まりごとばかりでがんじがらめになってしまいます。そんな時、ICT導入などテクノロジーは自動化を進め、仕事をラクに効率よくしてくれます。

そこで、文書管理ルールの成熟度の軸(「文書管理規程など基本的なルールがない」から「文書管理の全てのレベルのルールが揃い、周知され、実行されている」)と、テクノロジーの軸(「文書管理においてICT導入を全く行っていない」から「適切にICT導入が行われている」)の2つの軸を4象限のパターンを想定してみたいと思います。

では、この4つの象限を1つずつ見ていきましょう。

文書管理ルールの成熟度とテクノロジー採用

①ICTシステムは未導入、文書管理に関するルールは不整備

現在はあまりないと思いますが、紙文書で回している組織とか、会社を設立してまだ間もないため、クラウドドライブなどは利用しているけれども、その利用方法は個人に任されているとか、2-3人の会社でそれぞれが個人プレーで行なっていても業務には支障がないとかの状況が該当します。
少人数であれば、それほど文書管理ルールが不整備であっても問題とはならないでしょう。ただし、業種によっては顧客から求められたりする場合もあります。また、これから成長して大きな組織になるのであれば、文書管理ルールの整備は検討するべき課題になると言えます。

②ICTシステムは導入されている、文書管理に関するルールは整備されていない

世の中には魅力的なツールやシステムがたくさん出ています。それらを導入することで解決できそうな問題はたくさんあります。でも、ツールやシステムを導入しただけでは、問題は解決しません。
どのように運用していくのかという仕事の流れ(ワークフロー設計に影響します)、責任者や担当者の役割を明確にする体制整備(アクセス権の設定や承認ルートの設定に影響します)、保存年限や文書分類の取り決め(項目データの入力に影響します)などが予め必要になります。
上記のような取り決めを行ってからでないと、導入したもののうまく稼働できていない文書管理システムになってしまいます。

③ICTシステムは未導入、文書管理に関するルールは整備されバッチリ運用されている

紙の文書で運用していた時代のファイリング技術がこれにあたります。キャビネットでの移し替えや置き換え、ボックスファイリングとフォルダでの運用は、手動で行う情報システムのようなものです。ルール通りにスムーズに運用された状態です。

④情報システムは導入されている、文書管理に関するルールは整備されている

まさに理想的な状況です。
社員は文書管理の目的やルールを理解しており文書管理ルールの成熟度も高く、ICT導入の成果も出ている状態です。

■今は電子文書が主流なので、ICT導入は必須

電子文書が主流になる今、何らかのICTシステム導入がないと、効率化は図れません。
しかし、この4象限で見てきたように文書管理ルールの成熟度を図っておかないと本来の目的からかけ離れたり、組織の知カラを引き出せないまま終わってしまいます。

文書管理ルールに関する成熟度が高い③から④に移っていくことが組織として理想的ではないでしょうか。

文書管理ルールにはどんなことを示したらいいのか?

では、次に文書管理ルールにはどんなことを示したらよいかを見ていきましょう。文書管理のルールで示すべきことはたくさんありますが、特に重要な3つに絞ってみました。

■体制」を示すこと

文書管理を行う体制を示さなければ、役割分担や指示命令系統、責任などが不明確になり、運用に支障をきたしますので、体制は必ず示す必要があります。
具体的には文書管理責任者や文書管理担当者は誰にあたるのか、その役割を明確に記すということになります。

■ライフサイクルに応じたルールを設定すること

文書にはライフサイクルがあります。ライフサイクルは次のとおりです。
文書のライフサイクル
文書管理は、文書の発生から廃棄までを統制することが目的ですので、この各フェーズごとに文書に関する取り決めを示します。
具体的には、「廃棄」を例にして説明しますと、保有期間が過ぎた文書を廃棄することや、廃棄を行う際に安全を期すために内容の判別ができない状態することなどが記されます。

■電子文書に関する取り決め

電子文書が管理の主流になってきているにも関わらず、特に文書管理規程の中に電子文書の項目がまだ設定されていないケースが多いようです。
文書管理ルールの最上位にあたる文書管理規程に定められていないと、全体的に曖昧になってしまいますので、まずは文書管理規程にしっかり含めておきましょう。


文書管理ルールに関する成熟度をあげるためには?

文書管理ルールに関する成熟度を高めることが重要であることは今まで説明してきたとおりです。

それでは、「成熟度を高める」→ 文書管理に関するルールを整備したり、そのリテラシーを高めたりするには何を行ったらいいでしょうか。
ルール作りの手順は、情報収集→文案作成→検討→成果物の順になります。これらをプロジェクトチームを作り、何人かのチームでこのステップを踏みながら進めていきます。
また、リテラシーを高めるためには教育が重要です。作ったルールを周知するために説明会を開催したり、確認のためのアンケートを行ったりすると効果的です。

当社では文書管理ルール策定を支援するサービスを行なっておりますので、自社で行うのは不安である場合は、是非お問合せください。

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いまだに文書管理ルールが存在しない
長い間ルールを見直していない

文書管理規程をはじめ、文書管理ガイドライン、文書管理マニュアルなどの提供が可能です。

いくら細かなルールを作っても実行不可能なルールでは意味がありません。

組織のメンバーにとって無理のない実行性の高いルールを策定します。

文書管理のルールが部署任せ、個人任せになっている組織は多いのではないでしょうか。

また長い間ルールを見直していないために、電子的な取扱いに対応していないという声も数多く聞きます。

現代の業務にマッチした組織横断的なルールを作成する必要があります。



■■ まとめ ■■

文書管理を行っていくためには、文書管理ルールの成熟度を高める必要があります。成熟度は、文書管理ルールを整備することや教育によって高まります。
それは、ICT導入などテクノロジーの採用と合わせて両輪で取り組むのが効果的です。
ご相談のある方はこちら ↓

文書コンサルティング/石川

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