ペーパーレスプロジェクト実行計画を立てる
ペーパーレスプロジェクトを任されたときに、
こんなこと(①)を
こんな感じ(②)で
このくらいまで(③)に
やってほしいと上司などから示されていると思います。
そのだいたいこんな感じというのを具体的に計画として作成します。
①こんなこと→具体的には「全社におけるペーパーレスプロジェクト」とか
プロジェクトの範囲(スコープ)を明確にします。
全社とは、本社と支社か?製造現場を含めるのか、店舗を含めるのか、海外支所をふくめるのか。その対象範囲を示します。
ペーパーレスのペーパーとは何を示すのか?倉庫保管を含むのか、個人所有の紙文書を対象とするのかなど、こちらも対象範囲を示します。
②こんな感じ→具体的には「みんなで一斉に」とか
実行するにあたり、実行体制を組織します。
全社的に行うのであれば、各部署から責任者や担当者を組み入れるようにします。
事務局の位置づけや、プロジェクトオーナーの設定などを行います。
③このくらいまで→具体的には「年度末までに」とか
期限までに完了させるスケージュールを立てていきます。
キックオフミーティングを行う
実行計画が決定したら、関係者を集めてキックオフミーティングを行います。
■キックオフを行う意味
キックオフを行うことにはどんな意味があるのでしょうか。
・プロジェクトの開始(承認)を理解してもらう。
・プロジェクトリーダーが誰かをわかってもらう。
・関係各所に協力をお願いする。
・プロジェクトの目的を共有する。
■キックオフミーティングの参加者
上記のようなことを行いますので、その参加者は、プロジェクトに関わる利害関係者(ステークホルダー)となります。
例えば、以下のような参加者となります。
・経営層 このペーパーレスプロジェクトが社長の指示であれば
・関係部署
ペーパーレス対象部署の文書管理責任者(たいていは部長)、文書管理担当者など
・ペーパーレスプロジェクトのチームメンバー
これら以外は、あらゆる意味で「この人を外すとマズイ」といった人も含めましょう。
■キックオフ資料を準備する
プロジェクターで投影する、配布するなどに必要なでキックオフ資料を準備しましょう。主な項目は以下のとおりです。
・プロジェクトの期間、対象範囲などの概要を説明します。
・プロジェクトの目的を共有します。
・実施における体制を体制図などを示して説明します。
・スケジュールを示し、だれがいつ関係するかなどを明確にします。
・コミュニケーションルールは、
打ち合わせの種類の説明(定例会、事務局会議、全体会など)、
メールの件名、情報開示範囲などを伝えます。
伝え漏れなどが無いように事前にメーリングリストなどを作成しておくとよいでしょう。
みんなが協力してくれないという問題
会社内で起ち上がったペーパーレスプロジェクトは、日常業務を遂行して行われるため、メンバーは、業務の傍ら進めていくことになります。
メンバー「やらされ感」を持ってスタートすることもしばしばです。
しかし、協力を仰がなければプロジェクトは進みません。協力をしてプロジェクトを進めるにはどうしたらいいのでしょうか。
■プロジェクトリーダーの役割
「みんなが協力してくれない」これはプロジェクトリーダーがだれしももつ悩みです。
上から「協力してください!」と言ってもなかなか理解されません。
もし、リーダーになった人が職位もそれほど上でもなく、年齢も若ければ、
上からのいい方はかえってマイナスです。
と、いっても、メンバーに結局何も言えず、
愚痴だけ聞かされるのであれば、プロジェクトは停滞します。
役職がなくても若くても
ペーパレスのゴールまでの道筋を常に示し、
障害があれば取り除き、誘導していけば、
メンバーもこのリーダーだったら、安心できると考えるでしょう。
・メンバーの障害を取り除くとは?
プロジェクトには必ず問題が発生します。その問題をクリアしないと先に進みません。それは障害です。例を挙げて説明してみます。
例1:ペーパーレスでの選別の過程で、保留とがたまり、片づけたスペースを圧迫している。
→保留の置き場所ルールを決めて周知させます。重ねて現場に掲示するのもよいでしょう。
例2:各部で作業を割り振っていたために、共有スペースの削減活動が進んでいない。
→部門責任者との調整役に回ります。
■メンバーの障害を取り除くとは?
プロジェクトには必ず問題が発生します。その問題をクリアしないと先に進みません。
例1:ペーパーレスでの選別の過程で、保留とがたまり、片づけたスペースを圧迫している。
→保留の置き場所ルールを決めて周知させます。重ねて現場に掲示するのもよいでしょう。
例2:各部で作業を割り振っていたために、共有スペースの削減活動が進んでいない。
→部門責任者との調整役に回ります。
■メンバーの都合を理解する
プロジェクトにはいろいろな人がメンバーとしてかかわります。職位が異なる場合(管理職、一般職など)、職務が異なる場合(営業、経理、開発など)、家庭の事情(小さい子供がいる、いないなど)の条件も異なれば、価値感も異なります。このため、プロジェクトマネージャーが抱いている思いとすれ違ってくることがあります。
突然、今までメンバーの経験しかなかった人が、ペーパーレスプロジェクトのリーダーを任されてしまった!という人も多いかもしれませんが、リーダーの資質を認められたからでしょう。
ある行動科学の研究では、リーダーとメンバーの「頑張り」のレベルに大きな差があると示されています。
また、ある社長も、「誰しもがそのレベルで仕事を頑張るのが当たり前だと思っていた。でも、そうでない人がたくさんいるのが最近やっとわかった。だから、今はそれを前提に対応している。」とおっしゃっているのを聞いたことがあります。
要は、リーダーは圧倒的に当たり前のレベルが高いということです。
例えば、削減活動を行うにあたり、リーダーは分担を期限内に実行するのは当たり前だとは思いますが、メンバーは期限内に実行したのは頑張ったからだと考えます。そして、頑張りを認めてほしいのです。
このような違いのあることを頭に入れておくとすれ違いを埋める手立てになります。
■目的の共有
なぜペーパーレスのプロジェクトを行うのかが削減活動を行うメンバー全員に浸透していないと
やらされ感が蔓延してしまいます。
先に説明をしたキックオフミーティングなどで目的の共有を行いましょう。
ここでは、メンバー全員のメリットになることも理解してもらいます。
また、会社の目指すところも伝えます。
以下は、一般的なペーパーレスのメリットですが、
これらにその組織独自の具体性を挙げて説明すると伝わりやすいです。
・属人化の防止
・コンプライアンス対応
・コスト削減
・情報共有
プロジェクトは日常業務とは異なり、あらゆる部署の人が参加します。全員を巻き込むことが成功の秘訣ですので、しっかり前準備をして臨んでください。