秘密文書の管理について、不安はありませんか。
文書管理をご相談されるお客様の多くは、秘密文書の管理に漠然とした不安を抱えています。このサイトでも秘密文書について、取り上げている記事は多いですが、今回は、文書のライフサイクルに沿ってポイントを押さえていきます。
秘密文書に関して、お客様にインタビューをすると、こんなことが聞かれます。
まずここで、文書のライフサイクルをおさらいしてみましょう。 文書には、発生(収受)、処理、保管、保存、廃棄のライフサイクルがあります。
文書のライフサイクル
この発生(作成した文書)や収受(外部から受入れた文書)の段階では、当該の文書が秘密文書に該当するのかを判断する必要があります。
ポイントは、文書管理規程に秘密文書の定義がされていること、つまり、何が秘密文書であるかが定義されていることになります。しかし、規程類に定義されていても、社員が理解していなくては実行されません。次に、文書管理マニュアルにわかりやすく落とし込まれていることが必要になります。
また、企業によってはその秘密の判断自体を行う役職が決められている場合もあります。
こうして、文書の発生時に秘密文書であるというフラグが立ちます。
秘密文書の処理にあたり、その秘密レベルに応じて、対応する必要があります。 関係者のみに処理を回すことになります。 秘密レベルの例をレベルの軽いものから列挙してみました。
1.社外秘 自社以外には公表しない。 2.秘 業務上の関係者と その管理者と監督者のみとする。 3.極秘 業務上の監督者と その監督者が指名する作成などに 係わる取扱者と管理者のみとする。 4.機密 業務上関係する管理者と その管理者が指名する作成などに 係わる取扱者のみとする。
必要に応じて、文書に ・複製不可 ・再配布不可 ・回覧禁止 などを示すことも必要です。
また、処理中の取扱いについて、以下のように文書管理マニュアルなどで指定する必要があります。
・秘密文書を複合機などで複製や印刷した場合は、関係者以外の目に触れないようにする。 ・机の上、会議室のテーブルなどへ放置しない。 ・秘密文書の複製には同じ秘密レベルが付与されるため、複製することやその配布には十分に配慮する。 ・社内便などを利用する場合は、封をした封筒などを利用する。
保管の方法は紙文書と電子文書では、その媒体の特性から異なります。しかし、関係者以外のアクセスを遮断する環境に置くことが条件となります。
■紙文書の場合 ・指定のキャビネットに入れる。 例: 総務部しか入れない部屋のキャビネット 役員室のキャビネット ・カギのかかるキャビネットに入れる。
■電子文書の場合 ・関係者以外のアクセス不可能である権限をつけられた共有フォルダに保存する。 ・読み取り専用属性を付与して改ざんを防止する。
各秘密レベルに応じた文書の設置場所をもれなく用意し、関係者に収納場所を周知しておくと運用がスムーズです。
倉庫などに保存をする場合は、「保管」同様に誰でもアクセス可能な体制は避けるべきです。
紙文書は、倉庫に預け保存を行なう場合がありますが、その場合は「秘密区分」の指定を行います。
秘密文書の場合は、廃棄についても要注意です。
廃棄が完全に終わるまで秘密です。
よくあるウッカリ例としては、
・シュレッダーにかけるべき文書を「いつかシュレッダーに」と、箱にいれたまま放置してしまう。 ・いらないので手で破ってゴミ箱に捨てた。
等があります。
廃棄は意外と気が抜けがちになりますので、社員の十分な意識付けも必要です。
紙文書と電子文書の廃棄方法を示します。紙文書も電子文書も情報を完全に消去することは変わりがありません。
■紙文書の場合 ・シュレッダーにかける。 ・文書主管部門の先導による廃棄物処理業者の焼却・溶解を利用する。
■電子文書の場合 ・媒体の物理的に破壊する。 ・ハードディスクの消去ソフトを使用してファイルの完全消去を行う。
今回は、秘密文書について、文書のライフサイクルのステップで確認してみました。 各ステップでチェックして不安な部分があれば、是非改善を検討してみてください。
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