メリットとは、言い換えればみんなにとっての「うれしいこと」。 これを全員できちんと理解して組織で共有することで、 文書管理に対するメンバーたちの動機づけが図ることができます。 今回は4つの視点を切り口に文書管理のメリットを考えてみます。
どの企業にも共通してもたらされる文書管理のメリットは、 大きくはこの4つになります。
そして「顧客(満足)のため」に直結することと、 「自分のため」に直結することがあり、 この両者が合わさることを通じて「組織のため」に展開されていきます。
これらの4つのメリットをもう少し具体的に考えていきます。
文書管理を通じたサービス品質の向上とは、 具体的には次のような効果になります。
〇正確な情報を提供できる
顧客からの問い合わせなどに対して、 顧客情報の誤送付といったインシデントが数多く発生しています。 文書管理を確実に行うことで、このような大事故を防ぐ効果があります。
〇短時間での対応が可能となる
顧客からの問い合わせなどに対して、 必要な情報をすぐに見つけることが可能になるため、 顧客対応が迅速化されます。
〇説明責任が果たせる
ステークホルダーに対する企業の説明責任能力が重要であることは言うまでもありません。 説明責任とは言い換えれば、 「利害関係者に対して、真に望まれている情報を提供すること」です。 文書管理の実施により、これが可能となります。 逆にトラブルや不祥事などが発生した時に、 この説明責任がきちんと果たされなければ、 企業イメージは大きく低下します。
文書管理を通じたリスク管理とはいったいどのようなものでしょうか。 具体的には次のようなメリットになります。
取り扱う情報が増大する中、「情報漏洩」、「文書の紛失」、「文書の盗難」などのインシデントの発生は、 「どこに文書があるかわからない」 「どんな文書を残しているかわからない」 「文書のステータス(保存年限や機密区分、記録媒体など)がわからない」 などを原因とするヒューマンエラーによるものです。
NPO日本ネットワークセキュリティ協会から次のような調査報告があります。
これを見ると、インシデントの発生要因の約6割は、 管理ミスや紛失、置忘れなどのヒューマンエラーによるものです。 だれかの悪意によるものよりも圧倒的に多いことがわかります。
媒体別についても、同協会から次のような報告が出ています。
漏えい媒体・経路としては、 インシデント件数の約半分が「紙媒体」であることがわかります。
インターネットを通じた不正アクセスやウィルスに対するセキュリティ対策は、 近年多くの企業が力を入れているところですが、 紙媒体の漏えいなどに対するヒューマンエラー対策、 つまり文書管理への取り組みは、まだまだ不徹底な企業が多いのではないでしょうか。
文書管理とは、 「どこに何があるかがわかる」 「どこに戻すかがわかる」 ようにする取り組みですので、 管理ミスや置忘れなどのミスを防ぐことができます。 万が一の「うっかりミス」に対しても、 早期の発見と対応が可能になるのです。
文書管理を実施した後、 いち早く体感できるのが業務効率化です。
〇情報検索時間の短縮
IDCという企業の調査報告によれば、 ・文書を探している時間 週4時間 ・文書を探したが見つからない時間 週2.7時間 ・文書が見つからず再作成する時間 週2.3時間 ・文書処理にかかる年間のムダ 184万円/人 ・文書処理にかかる生産性のロス 24.3%
になるとのこと。
文書管理を行うことにより、 これだけのムダを削減できるということです。
〇間違った情報を使わない
たとえば何か過去の書類を参考に業務を進めていて、しばらく時間が経過した後に、「あっ、この書類じゃなかった!」といった場合、大きく時間を奪われます。 また、間違った情報を使うことは先にも述べた、情報の漏洩や紛失にもつながります。 文書管理の遂行により、 「いつ作った、どの書類が、どこにあるか」を把握することができるため、 間違った情報を使うリスクが減少します。
〇共同作業が可能となる
文書管理とは、 組織のメンバーが必要な情報を共有することでもあります。 これにより仕事の属人化も防ぐことができるため、 様々な局面でメンバー同士が協力し合って仕事を進めることが可能になります。
文書管理を行うことにより、 ハード面(オフィスの見た目など)やソフト面(働く人たちの心理など)の変化を通じて、 職場環境が大きく改善します。
〇モチベーションの向上
日本では労働負担の増大などにより、 ストレスを感じている人が働く人の6割を占めています。 そうした中、身体の健康管理だけではなく、 心の健康管理、すなわち「メンタルヘルスマネジメント」に対する関心が高まっています。このメンタルヘルスマネジメントの手法の一つとして、 「オフィス環境の改善」があります。 整理整頓の行き届いた職場環境を作り、オフィス環境を改善することで、ストレスの軽減、モチベーションの向上につながるといった考え方です。 文書管理の遂行は、「心の健康管理」にも役立つものです。
〇組織イメージの向上
きれいなオフィスは、 内外の人たちに好印象を与えます。 企業によってはブランドイメージ向上を目的として、 スタイリッシュなクリーンオフィスを公開しているところもあります。 大企業のように内装などに大きなお金をかける必要はありません。 文書管理を行い、すっきりとしたオフィスにするだけで、 企業のイメージは格段に変わります。
〇部門横断的なコミュニケーションの促進
組織で文書が共有されることにより、 異なる部門間での協力体制が構築されることはもちろん、 互いの仕事への理解が深まるため、 部門横断的なコミュニケーションが促進されます。 これまで全く違う仕事をしていると思っていた部署の人たちとも、 意外な仕事の共通点の発見などを通じて、 親近感や組織的な一体感が生まれてきます。
今回は文書管理を行うことによるメリットをお伝えしました。 この他にも企業ごとに異なるメリットがたくさんあります。 われわれは文書管理を通じて、このメリットを体感していただくお手伝いをしております。
コンサルティング事業部/鈴木
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